最終更新日 2017/07/25

開胸器

開胸器とは・・・

開胸器(かいきょうき)とは、胸部の手術に際して骨の間を開いて術野(じゅつや:手術を行っている、目で見える部分のこと)を確保するための手術用機械。肋骨と肋骨の間を広げる、あるいは切開した胸骨の間を広げるなどして手術を行いやすくする器具である。狭義には、開胸術(後述)において肋間を広げるために使用するものを指す。
開胸器は使用場所や目的、患者の体型に応じた多様な形状のものが、各メーカーから製造、販売されている。近年では、開胸術に伴う患者への身体への影響を最小限にした小型開胸器や、自動開胸器などの開発も行われている。

■開胸術
開胸術とは、壁側胸膜を切開して胸腔内に到達して手術を行うことをいう。開胸術は胸腔内臓器である肺や、胸腔より到達する縦隔臓器の食道心臓などの手術の際に選択される。壁側胸膜を切開する手術であっても、胸腔鏡を使用した手術の場合には、開胸術とは区別する場合が多い。
開胸術での皮膚切開部位は、後側方切開、腋下切開、胸骨正中切開ほか、さまざまなアプローチがある。いずれの方法も開胸器を使用し、肋骨または両方の胸骨を押し広げ術野を確保する。

■使用方法(成人用開胸器)
視野を確保したい骨の間に装着し、つまみを回してアーム間隔を適切な幅まで骨の間を拡大調整し保持する。

■使用前の注意事項
・洗浄、滅菌がされていること。
・目視により調べたとき、さび、傷、亀裂、変形、その他の損傷がないこと。

■主な基本的注意点
・医師および医療スタッフが正しい手技をもっていること。
・鋭利な部分がある器具は誤って取扱い者がけがをする可能性があり、破損、変形しやすいため、特に取扱いに注意すること。
・使用目的に応じた器具の使い方であっても、無理な使い方をしないこと。
・使用時に異常を感じたときには直ちに使用をやめること。
・汚れが付着した機械を滅菌、消毒すると汚れの固着、無菌性の低下が起こり、さびの原因となることがあるため処理の前に汚れが付着していないことを確認すること。
・汚れが付着した機械は洗浄し、汚れのないことを確認してから滅菌、消毒を行うこと。

■リスク
開胸器を使用することで以下のリスクが起こる可能性がある。
・血管損傷、神経損傷、大腸機能不全、膀胱機能不全、勃起不全、射精不全、感覚異常などの神経障害
・手術機械を適切に洗浄、滅菌しなかったために起こる感染症
・手術機械のすべりや誤配置による周辺の血管や神経の損傷、内臓の穿孔
・空気、血管凝固等による塞栓
・骨折(特に、重度骨粗鬆症腎臓透析、骨減少症の患者などでは、骨折を来しやすいので注意する必要がある。)
過敏症(普通は反応を示さない程度の弱い刺激に過敏に反応して一定の症状を呈するような状態をいう。アレルギーアナフィラキシー、特異体質などが含まれる。)
麻痺
・手術機械の手術中の組み立て、分解によって起こる患者の組織損傷や手術従事者の損傷
車の部分に手袋が挟まって、手袋が破損することがある。

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