食事の制限はあるの?|ストーマ術後ケア

『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、ストーマ造設術後の食事について解説します。

 

食事の制限はあるの?

 

ストーマ造設術後食事制限をする必要は基本的にありません.
ストーマ造設術前と同じように,バランスのよい食事を3食きちんと食べることが基本です.
ストーマを造設した腸管により,フードブロッケージや脱水に注意する必要があります.

 

解説

患者さんから「ビールは飲んでいいの?」と,よく聞かれます.アルコールに関しては,治療上の問題がないか主治医に確認をして許可があれば,量に注意をして摂取してもらうといいでしょう.

 

ただ,ガスを発生しやすい飲料ですので,多量の飲酒は控えるように説明します.他の食品(表1)も特徴を理解し,一度に多量に摂らずによく咀嚼して食べるよう指導しましょう.

 

表1便・ガス・においに影響する食品

便・ガス・においに影響する食品

 

イレオストミーの場合は,大腸に比べて腸管内の腸管腔が狭いので,未消化の食品がストーマの出口を閉塞しないよう注意する必要があります.

 

フードブロッケージの予防としては,食物繊維が多く含まれている食品類を一度に大量摂取しないことや,食品を細かく刻むこと,よく咀嚼して食べることなどがあります.食事と排泄の関係は密接ですので,外来受診の際でも定期的に食事に関するアセスメントをしていくとよいでしょう.

 

ここに注意!食事摂取時の注意

ストーマ造設術後,体調が改善し食欲が増加することも多くあります.ストーマの局所管理にも体重の増加は,新たなしわやくぼみの出現やストーマの形状の変化などに影響を与えます.食事制限の必要はありませんが,過食は避け,適度な運動などを行い,ベスト体重を維持できるよう支援していきましょう.

 

知っておこう!フードブロッケージ

食物残渣の塊が腸管に停滞し消化液や便の流れを阻害してしまうことがあります.これをフードブロッケージといいます.小腸のほうが大腸よりも腸管腔が狭いため,フードブロッケージを起こしやすく注意が必要です.
症状は,腹痛,吐き気,嘔吐,お腹が張るなどがあります.完全に閉塞した場合は,便の量が少なくなったり,排便が完全になくなったりします.食物繊維を多く含んだ食品類は食物残渣や排便量が多くなりやすく,過剰な摂取によりフードブロッケージを起こしやすくなります.食物繊維を多く含んだ食品類は,一度に大量に摂取しない,細かく刻む,よく噛んで食べるように指導しましょう.

 


[参考文献]

 

  • 1)作間久美.“ストーマ保有者の退院前後の支援と日常生活の援助”.ストーマリハビリテーション 実践と理論.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.金原出版,2006,181.

 


[Profile]
松田 貴子 まつだ・たかこ
星ヶ丘厚生年金病院看護局看護係長/皮膚・排泄ケア認定看護師

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。

 

[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行

 

ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!

 

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