PSP排泄試験|腎・泌尿器系の検査

看護師のための検査本『看護に生かす検査マニュアル』より。
今回は、PSP排泄試験について解説します。

 

高木 康
昭和大学医学部教授

 

〈目次〉

 

PSP排泄試験とはどんな検査か

PSP排泄試験とは、体内で吸収分解されることのない赤色色素PSP(フェノールスルホンフタレイン)を1mL静注して、一定時間後(15分後、30分後、60分後、120分後)に排尿し、PSPの排泄率を測定する検査である。

 

PSP排泄試験の目的

 PSPは、6%が糸球体、94%が近位尿細管より排泄されるため、排泄量から腎の排泄機能(主に近位尿細管)を判定することができる(表1)。

 

表1健康者のPSP排泄量(正常値は、加齢とともに減少する)

健康者のPSP排泄量(正常値は、加齢とともに減少する)

 

PSP排泄試験の実際

  1. 注射30分前に排尿後、水300mLを飲んでもらう。
  2. PSP1mL(6mg)を注射する。
  3. 注射後15分、30分、60分、120分後に尿を全量採取する。
  4. 採尿終了後、直ちに検査室に届ける。

 

PSP排泄試験前後の看護の手順

患者への説明

オリエンテーション用紙を用いて行う(表2)。

 

表2患者へのオリエンテーション

患者へのオリエンテーション

 

準備するもの

・PSP液1mL ・注射器 ・駆血帯 ・肘枕
・アルコール綿 ・テープ
・日付、氏名、時間を記入した紙コップ4個

 

PSP排泄試験において注意すべきこと

検査前

  • アルカリ性で紅色に発色する薬(アドナ)や飲食物、ビタミンB12、また尿細管からのPSPの排泄を競合的に阻害する薬剤(利尿薬、尿酸排泄薬、サリチル酸剤、サルファ剤、ペニシリン系薬剤、造影剤など)の服用は前日から中止しておく。

 

検査中

  • 1回尿量最低50mLは必要とされるため、30分前の水負荷は必要となる。水が十分に飲めない患者では、前排尿をさせないで、膀胱内に尿が貯留した状態で注射したほうがよい結果が得られる。
  • 15分、120分後の排尿が、腎排泄機能の指標として最も大切であるため確実に採尿を行う。
  • 30分、60分後の採尿が時間どおりに採れない場合は、採尿できた時間を記録する(多少の誤差は出るが標準時間値を補正して値を求められる)。
  • 検査中は禁煙とし、トイレ以外は安静にしてもらう。
  • 検査中の飲水、食事は自由とする。

 

検査後

  • 利尿薬などの主薬は、検査後に内服してもらう。

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版

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