尿培養検査(細菌検査)|検体検査

『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、尿培養検査(細菌検査)について解説します。

 

高木 康
昭和大学医学部教授

 

〈目次〉

 

尿培養検査(細菌検査)とはどんな検査か

尿培養検査(細菌検査)は尿を培養することにより、細菌性尿路感染症の有無を判定する検査である。

 

尿培養検査(細菌検査)の実際

細菌検査

1)塗抹検査

  • 尿を転倒混和し、直接スライドガラスに滴下して自然乾燥後、固定、グラム染色(図1)を行う。
  • 菌の概数を知るには遠心を行わず、原尿を用いる。
  • 炎症を起こしているかどうかを判断するため、白血球および細菌の有無を確認する。

図1Hucker(ハッカー)の変法

Hucker(ハッカー)の変法

 

2)培養同定検査

  • 膀胱炎・腎盂腎炎の起因菌は尿道に常在している菌が感染を起こしている場合が多い。したがって、検出菌の種類を見ただけでは常在菌との区別がつきにくく、この場合は尿中菌数の定量が指標となる。一般に菌数が105CFU/mL 以上の場合は尿路感染症を疑い、103CFU /mL以下の場合は常在菌の混入を考慮する。なお、患者状態、白血球数および菌種によっては103CFU /mL以下でも起因菌と解釈する場合がある。淋菌は少数でも起因菌とする。
  • 尿中菌数の測定方法は定量培養が用いられる。
  • 分離培養は通常「好気培養」が行われるが、淋菌を目的とする場合は尿を遠心してその沈渣を用いてチョコレート寒天培地など淋菌が発育する培地を追加して炭酸ガス培養する。
  • クラミジアは人工培養できない。

3)薬剤感受性検査

  • 分離培養より検出された菌に対して起因菌と考えられる菌について(菌数が105CFU/mL 以上や塗抹検査で白血球による菌の貪食像が認められた場合)薬剤感受性検査を行う。

 

採尿方法

  • 尿路感染症の診断のため尿を採取する場合は、男性は中間尿採取、女性はカテーテル尿採取が望ましい。ただし、適切な採取手順で採尿できれば、女性でも中間尿で差し支えない。

 

尿培養検査(細菌検査)前後の看護の手順

1)患者への説明

  • 膀胱炎、腎盂腎炎の原因を探る検査であるため、尿道、尿道口の常在菌が混入しないように採取することが必要である。

<女性の場合>

 

  1. 採尿前に手を洗う。
  2. 採尿コップの内側に手指、皮膚、衣類が触れないようにするため、下着は十分に下げるか、完全に脱いで着衣が採尿の妨げにならないようにする。
  3. 便器に座り、両足をできるだけ大きく開く。
  4. 尿の出口付近(外尿道口)を消毒綿でよく拭く。消毒は尿道口付近から始め、陰唇部を経て外側へと拭き取る。
  5. 消毒後、滅菌水で濡らした綿(ガーゼ)で2~3回拭き、消毒薬が残存しないようにする。
  6. 片方の手で陰唇を開いたまま排尿する。採尿コップの内側を触れないように持ち、出始めの尿は便器に排出し、排尿を止めずに中間部分の尿を採尿コップに採る。終わりの尿は採尿コップに採らず、便器に排尿する。

<男性の場合>

 

  1. 上記①~②は女性の場合と同様に行う。
  2. 包茎患者は包皮を十分に反転させ、亀頭を露出させる。
  3. 尿道口付近を消毒綿で拭く。消毒は尿道口付近から始め、辺縁へと拭き取る。
  4. 上記⑤~⑥は女性の場合と同様に行う。

2)準備するもの

・消毒綿 ・滅菌水で濡らした綿(ガーゼ) ・滅菌済み採尿コップ

 

3)検査前後の管理

  • 特になし。

 

尿培養検査(細菌検査)において注意すべきこと

  • 雑菌を混入させないように採取するため、必ず滅菌済み容器を使用する。
  • 尿には糖、蛋白が含まれている場合があり、このような尿では細菌の増殖が速いため、採取後1~2時間以内に検査をすることが望ましい。室温に2時間以上放置したものは混入した常在菌の増殖のため、起因菌の推定が困難になることがある。やむを得ず保存する場合は冷蔵庫(4℃)で保存する。ただし、淋菌を目的とする場合は低温で死滅しやすいためただちに検査室に提出する。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版

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