2017/10/25 のクイズ

74歳女性のAさんは、大腿骨頸部骨折術を受けた後、創部の痛みを訴えました。医師から非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であるボルタレン®を処方され、数日間毎日服用していました。しかし、突然、気分が悪いとナースコールがあり、駆けつけた時のバイタルサインは、血圧70/36mmHg、心拍数128回/min、呼吸数30回/min、SpO297%、体温36.5℃でした。皮膚は冷たく湿っています。血液検査ではWBC7,000、CRP0.75㎎/dLでした。 Aさんに何が起こったか、最も考えられることは次のどれでしょうか?
  1. 1. 術後の創部感染
  2. 2. 心不全
  3. 3. 低血糖
  4. 4. 消化管出血

挑戦者4214人 正解率60%

1. 術後の創部感染
不正解

バイタルサインからはショック状態であることが考えられます。大腿骨頸部骨折術を受けた後のため、創部に感染徴候があれば、敗血症性ショックを疑い、直ちに治療開始をすべきです。しかし、高度な炎症反応がないことから、敗血症性ショックは考えにくいと思われます。

2. 心不全
不正解

NSAIDsは、侵害受容性疼痛には有効であり、組織の損傷による炎症性発痛物質を抑制する働きがあります。具体的には、末梢性にシクロオキシゲネース(COX)系を抑制し、その結果、プロスタグランジンE2産生を減少させ抗炎症、鎮痛作用を示します。血管拡張などの作用がありますが、突発的に心不全を起こすことは考えにくいです。

3. 低血糖
不正解

選択肢2の通り、NSAIDsには抗炎症、鎮痛作用はありますが、直接的に低血糖を起こすことは考えにくいです。

4. 消化管出血
正解

NSAIDsは、末梢性にシクロオキシゲネース(COX)系を抑制します。COXにはCOX-1とサイトカインの刺激で炎症細胞に一過性に発現する誘導型酵素であるCOX-2の2種類があります。COX-1由来のプロスタグランジンが胃粘液産生増加や腎血流維持に寄与しているため、COX-1を抑制すると胃潰瘍や消化管出血、腎血流障害などの副作用が問題となります。 したがって、COX系を抑制するNSAIDsを継続的に服用し続けると、消化管出血の可能性があります。Aさんは、NSAIDsを毎日服用していたということから、消化管出血から循環血液量減少性ショックを起こしていると考えられます。

引用参考文献など

1)鈴木孝浩.有田英子監.「鎮痛薬」の正しい使い方.エキスパートナース.30(8),2014,36-39.

このクイズに関連する記事

吐血で周囲が血まみれ!でもマスク・エプロン・手袋しかない。そんなとき、どうする?

心肺停止の患者を発見。まず何をする? 呼吸の確認?応援要請?それとも血圧測定?

フィジカルアセスメントの極意【看護セミナー】

病棟看護師がおさえておきたい 急変対応の考え方【看護セミナー】

臨床推論に活かすフィジカルアセスメント〜胸痛〜【看護セミナー】

看護クイズトップへ

いま読まれている記事

【具体例でわかる】看護師の個人目標の書き方|目標管理シートがパッと書ける!

絶対落ちない!「汗・こすれに強いアイブロウ」決定戦|ナースが選ぶ!ベストコスメランキング【2】

ナースな心理テスト【全記事まとめ】

採血が難しい血管選手権!|看護師の本音アンケート

特定行為看護師になるには?38項目のできることや研修内容、診療看護師(NP)との違いも解説

【例文付き】研究計画書の書き方~研究計画を立てよう!|看護研究「攻略」マニュアル(4)

看護師の強い味方!手荒れを防止する「ハンドクリーム」は?|ナースが選ぶ!ベストコスメランキング【10】

冷たいそーラーメン|マンガ・看護師 桃井ゆまのふんばりごはん日誌【105】

まめな助手さん|マンガ・ぴんとこなーす【616】

あの人よりも|マンガ・ぴんとこなーす【617】

茹でさんま ザクザクだいこんソース|マンガ・看護師 桃井ゆまのふんばりごはん日誌【85】

卵巣腫瘍は良性でも怖い?|働くナースが知るべき病気【8】

マンガ・看護師 桃井ゆまのふんばりごはん日誌【全記事まとめ】

HPVワクチン接種率が低い理由、知ってますか? キャッチアップ接種世代のあなたに伝えたいこと

トランス脂肪酸はなぜアメリカで禁止に?―日本人が注意すべき食事リスク

掲示板でいま話題

他の話題を見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆呼吸器の問題◆気胸について正しいものはどれでしょうか?

  1. 男性より女性に多い
  2. 喫煙は気胸のリスクを高める
  3. 原発性気胸の再発率は10%程度である
  4. 医療行為で発生することはない

9083人が挑戦!

解答してポイントをGET