2017/10/30 のクイズ

統合失調症の経過は、第一段階(前駆期・発病前兆の時期)、第二段階(急性状態・発病時)、第三段階(臨界期)、第四段階(寛解期前期・後期)、という過程を経ると考えられ、それぞれの病期に応じた看護方針を取る必要があります。第三段階(臨界期)の経過の特徴と適切な看護方針は次のうちどれでしょうか?
  1. 1. 無理にレクリエーションなどには参加させず、十分な休息を保障する。患者さんのペースに合わせた日常生活の回復への援助を行う。
  2. 2. 早急に保護し、生命の安全を確保する。脅威を与えないように患者さんと距離を保ち、穏やかな口調、ゆったりとした態度で接する。
  3. 3. セルフケアの自立を援助し、活動範囲の拡大を促すための支援を行う。
  4. 4. 頭痛や便秘などの身体症状や薬の副作用が出現する時期。観察を密にし、患者さんの身体的な消耗を最小限にする。

挑戦者3375人 正解率37%

1. 無理にレクリエーションなどには参加させず、十分な休息を保障する。患者さんのペースに合わせた日常生活の回復への援助を行う。
不正解

この選択肢の状態は、第四段階(寛解期前期)の状態です。臨界期が終わり、寛解期が開始する移行期(寛解期前期)の患者さんは口数も少なく、対人関係が億劫で煩わしく感じられる時期で、全体的に少しボーっとしているような印象があります。この時期は、患者さんにとってこれから本格的に回復に向かうため、力を蓄えておく時期です。睡眠と休息を取り、体力や気力も消耗状態からの回復を図ることが必要です。この時期に患者さんへの働きかけが早すぎたり、強すぎたりすると症状の再燃につながるおそれがあるため、個室など休息の取りやすい環境で患者さんの状態をしっかり観察し、働きかけのタイミングや程度を見極めていくことが重要です。

2. 早急に保護し、生命の安全を確保する。脅威を与えないように患者さんと距離を保ち、穏やかな口調、ゆったりとした態度で接する。
不正解

この選択肢の状態は、第二段階(急性状態)です。患者さんは自分が病期と理解することが困難で、「得体のしれない何か」に脅かされる体験をします。このような急性状態に陥ると、患者さんは自分の意思で考えることができず、言葉を失い、思考が急停止してしまいます。患者さんは幻覚や妄想などにより興奮したり、自分を傷つけてしまう恐れがあるため、看護師は環境を整えて患者さんの心身の安全を確保することが最優先となります。治療的には薬物投与を行い、患者さんの興奮や混乱を鎮めることが大事ですが、患者さんに無理に薬を勧めるのではなく、どのような状態であっても理由をきちんと説明した上で行いましょう。恐怖と孤独感、絶望感を軽減することが最優先の治療目標になります。

3. セルフケアの自立を援助し、活動範囲の拡大を促すための支援を行う。
不正解

この選択肢のような状態は、本格的な回復へと向かっている状態であり、第四段階(寛解期後期)の特徴です。時間感覚や季節感が回復し、訴えや発語も活発になります。この時期には、食事や排せつなどは自立できるようになりますが、そのほかのセルフケアについてはまだ援助を必要とするレベルにあります。退院に向けて患者さんに応じた生活を立て直すための援助を、きめ細やかに行っていくことが必要です。

4. 頭痛や便秘などの身体症状や薬の副作用が出現する時期。観察を密にし、患者さんの身体的な消耗を最小限にする。
正解

第三段階(臨界期)は、恐怖や不安に包まれていた心と身体が揺れ始める時期で、身体的・精神的に疲労を感じたり、抑うつ感が起こりやすい時期です。この時期の最も大きな特徴として、頭痛、便秘と下痢の交替、吐き気や嘔吐、発熱など、種々の身体症状の出現が挙げられます。また、抗精神病薬の副作用が出現するのもこの時期からです。第三段階(臨界期)は患者さんが病気との闘いに疲弊している時期であり、心理的にも身体的にも非常に不安定な状態にあります。看護者は患者さんの身体状態を注意深く観察し、積極的に援助する必要があります。

引用参考文献など

1)阿保順子ほか編.急性期のとらえ方と急性状態.統合失調症急性期看護マニュアル.すぴか書房,2004,15-24.
2)阿保順子ほか編.回復過程に沿った患者理解と看護.統合失調症急性期看護マニュアル.すぴか書房,2004,42-51.
3)阿保順子編著.急性期のケア-臨界期のケアを大切に.回復のプロセスに沿った精神科救急・急性期ケア.精神看護出版,2011,52-59.
4)坂田三允.急性期病棟-入院初期にある人の生活と看護.統合失調症・気分障害をもつ人の生活と看護ケア.中央法規,2004,72-137.

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