胃がんの関連図【見本付き】看護・観察項目・看護問題の優先順位まで書き方がまるわかり!

胃がんの関連図について、術前・術後の2パターンで看護学生にわかりやすく解説。観察項目・アセスメント・看護・看護問題のポイントがゼロからわかる!
著者:成田 円(総合病院勤務 看護師、Medi+プロダクション)
もくじ

・どんながん?:ステージと組織型を確認!
まずは、がんの組織型(分化型・未分化型など)とステージ(Ⅰ~Ⅳ期など)を確認します。
組織型からはがんの特徴を、ステージからはがんの広がりや転移の有無を把握できます。
関連図では、これらをもとに、
「がんの状態→ 起こりやすい症状・合併症→ 必要な看護」
とつなげて考えると、スルスル書けるようになります◎!
【胃がんのカルテ記載例】
診断:胃癌(胃体部)
病期(ステージ):Stage IIB
組織型:高分化型管状腺癌

1)原因
【関連図に使える流れ!】
ピロリ菌感染 など
⬇
慢性的な胃炎(胃粘膜が傷つきやすくなる)
⬇
塩分の多い食事、喫煙などの要因⬇
細胞の突然変異⬇
胃がん
胃がんは、胃の粘膜にある細胞が、長い間ダメージを受けることで、がん細胞に変化して発生します。
胃がんの大きなリスク因子は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染です。
胃がピロリ菌に感染すると、慢性的な胃炎が起こり、胃の粘膜が傷つきやすくなります。
そこに塩分の多い食事や喫煙などの要因が重なることで、胃がんのリスクが高まると考えられています。
また、年齢や遺伝的な要因なども胃がんの発症に関係します。
2)「TNM分類」とは?
胃がんのステージ(病期)は、「がんが体の中でどこまで広がっているか」を表したものです。
その判断に使うのが、T・N・Mという3つのものさしです。
【ポイント】
- T(深達度):がんが胃の壁にどこまで深く入り込んでいるか
- N(リンパ節転移):胃の近くにあるリンパ節に、どれくらい転移しているか
- M(遠隔転移):胃から離れた臓器に転移しているか
(1)T(深達度)
がんが胃の壁のどこまで入り込んでいるかを表します。
がん細胞が周りの正常な組織に根を張るように染み込み、広がっていくことを「浸潤(しんじゅん)」といいます。

※日本胃癌学会編:胃癌取扱い規約 第15版.2017年,金原出版,p.17を参考に編集部作成
胃の壁は、内側から外側に向かって、
粘膜 → 粘膜下組織 → 固有筋層 → 漿膜下組織 → 漿膜
という構造になっています。
がんの浸潤が浅いところにとどまっていればT1、より深く入り込むほどT2、T3、T4となります。
【ポイント】
- 早期胃がん:がんの浸潤が粘膜層または粘膜下層(T1)にとどまる状態。
- 進行胃がん:固有筋層より深く(T2~T4)浸潤した状態。壁を突き抜けると隣接臓器(膵臓や大腸など)へ直接浸潤します。
(2)N(リンパ節転移)
胃の周りにあるリンパ節に、がんが何個転移しているかを表します。
転移がなければN0、転移するリンパ節が増えるほどN1、N2、N3と進みます。
| Nカテゴリー | 転移のあるリンパ節の個数 |
|---|---|
| N0 | 0個(転移なし) |
| N1 | 1〜2個 |
| N2 | 3〜6個 |
| N3 | 7個以上 |
| N3a | 7〜15個 |
| N3b | 16個以上 |
(3)M(遠隔転移)
胃から離れた場所にがんが転移しているかを表します。
- M0:遠隔転移なし
- M1:遠隔転移あり
たとえば、胃がんが肝臓や肺など、胃から離れた臓器に転移している場合はM1です。
3)「ステージ」とは?
胃がんのステージは、がんの深さ(T)、リンパ節への転移(N)、遠隔転移(M)の組み合わせによって決まります。
| なし(M0) | なし(M0) | なし(M0) | なし(M0) | なし(M0) | あり(M1) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| なし(N0) | 1〜2個(N1) | 3〜6個(N2) | 7〜15個(N3a) | 16個以上(N3b) | 有無に関わらず | |
| T1aT1b | ⅠA | ⅠB | ⅡA | ⅡB | ⅢB | Ⅳ |
| T2 | ⅠB | ⅡA | ⅡB | ⅢA | ⅢB | Ⅳ |
| T3 | ⅡA | ⅡB | ⅢA | ⅢB | ⅢC | Ⅳ |
| T4a | ⅡB | ⅢA | ⅢA | ⅢB | ⅢC | Ⅳ |
| T4b | ⅢA | ⅢB | ⅢB | ⅢC | ⅢC | Ⅳ |
※日本胃癌学会編:胃癌取扱い規約 第15版.2017年,金原出版,p.26を参考に編集部作成
具体的な状態のイメージは、下の表のようになります。
関連図を書くにあたり、受け持ち患者さんがどんな状態か、おさえておきましょう。
| ステージ | どんな状態? |
|---|---|
| Stage IA | ごく初期のがん |
| Stage IB | 浅いが転移が少しある、または少し深い |
| Stage IIA | 深さまたは転移がやや進行 |
| Stage IIB | 胃の外膜近くに達する、または転移が少し増えている |
| Stage IIIA | 胃の壁を深く貫いている、または転移が目立つ |
| Stage IIIB | 胃の周囲や多くのリンパ節に広がっている |
| Stage IIIC | 胃の周囲・リンパ節への広がりが極めて大きい |
| Stage IV | 胃から離れた臓器などへの遠隔転移がある |
4)転移の3つのルート
胃がんの転移には、大きく3つのルートがあります。患者さんのがんが転移している場合は、「どのルートを通って、どこに広がっているのか」を確認しておきましょう。
- リンパ節転移:がん細胞がリンパ管に入り、周りのリンパ節へ広がる。
- 血行性転移:がん細胞が血管(門脈など)に入り、肝臓・肺・骨などへ達して増殖する。
- 腹膜播種(ふくまくはしゅ):胃壁の最外層(漿膜)を突き抜けたがん細胞がおなか(腹腔)の中にこぼれ落ち、種をまくように広がる。
【関連図に使える流れ!】
受け持ち患者さんの胃がんが転移している場合、または転移の可能性がある場合、関連図での「大きな流れ」こちらを参考にしてください。
胃粘膜の細胞ががん化
⬇
胃がん⬇
① 浸潤:胃の壁の中へ深く入り込む⬇
胃壁の外へ広がる⬇
近くの臓器へ広がることがある
同時に、
胃がん
⬇
② がん細胞が血液・リンパ液などに入る⬇
別の場所へ移動⬇
③ 転移⬇
リンパ節転移/血行性転移/腹膜播種
5)「組織型」とは?
患者さんのがんが、「分化型(ぶんかがた)」か「未分化型(みぶんかがた)」かによって、「今後どう胃がんが進行するか」が異なる!
胃がんは顕微鏡で見ると、大きく「分化型」と「未分化型」の2つのグループに分けられます。
【分化型】:正常な胃の細胞に近い形や性質を残しているがん
【未分化型】:正常な細胞の形や特徴をとどめていないがん
| 組織型 | 【分化型】 ・管状腺癌など |
【未分化型】 ・低分化腺癌 ・印環細胞癌など |
|---|---|---|
| イメージ | がん細胞がまとまって増えることが多い | がん細胞がバラバラに広がることが多い |
| がんの広がり方 | がん細胞がまとまって増え、比較的境界がわかりやすいことがある | がん細胞が胃の壁に浸み込むように広がることがある |
| 転移の傾向 | 血行性転移で肝臓などに転移することもある | 腹膜播種を起こすことがある |
| 症状への影響 | がんから出血すると、黒い便や貧血がみられることがある | 胃の壁に広く浸潤すると、胃が硬くなり、胃が広がりにくくなることがある |
| 治療との関係 | 一部の早期胃がんでは、条件を満たせばESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の対象になる | 組織型だけで治療法が決まるわけではなく、がんの深さやリンパ節転移なども含めて治療法を決める |
胃がんの組織型は、顕微鏡で見た「がん細胞がつくる形」が名前の由来です。
細胞が管のように並ぶか、乳頭状に増えるかなど、形や並び方の違いで分類されています。
【分化型のがんの例】
- 高分化管状腺癌
- 中分化管状腺癌
- 乳頭腺癌 など
【未分化型のがんの例】
- 低分化腺癌
- 印環細胞癌
- 粘液癌 など

胃がんの治療は、がんの深さや広がり、転移の有無などに合わせて、「内視鏡治療」「手術(胃切除術)」「薬物療法(化学療法など)」から選択・組み合わせて行います。
【ポイント】
- 内視鏡治療は、早期の胃がんの切除に選択されることがある。
- 手術では、がんのある胃の一部または全部と、必要に応じて周囲のリンパ節を切除する
- 薬物療法(化学療法など)は、手術の前後や、手術で取り切ることが難しい進行・再発胃がんなどで行われる
- 患者さんのがんの進行度(ステージ)や状態によって治療方法を選択する
1)内視鏡治療
【代表例】
- EMR(内視鏡的粘膜切除術)
- ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
胃カメラを使って、胃の中からがんを切り取る治療です。
主に、がんが胃の表面に近い早期胃がんで、リンパ節への転移の可能性が低い場合に行われます。
(1)EMR(内視鏡的粘膜切除術)
EMRでは、内視鏡でがんの部分をつまみ上げ、輪状の器具で切り取ります。
(2)ESD(内視鏡的粘膜切除術)
ESDでは、内視鏡から器具を入れて、がんの周囲を切り、病変をはがすように切除します。EMRよりも大きな病変を一括して切除できる場合があります。
2)手術(胃切除術)
【代表例】
- 1幽門側胃切除術
- 2胃全摘術
- 3噴門側胃切除術
- 4幽門保存胃切除術
- 5胃亜全摘術

内視鏡では取り切れない胃がんでは、手術でがんのある部分を含めて胃を切除します。
がんの場所や広がりによって、胃の一部だけを切除する場合と、胃全体を切除する場合があります。
従来の開腹手術に加え、体への負担が少ない「低侵襲(ていしんしゅう)手術」が普及しています。
・腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術: おなかに小さな穴を開け、カメラと器具を挿入して操作します。傷が小さく、術後の回復が早いのが特徴です。
3)薬物療法
胃がんの薬物療法では、抗がん薬(化学療法)を中心に、がんの性質に応じて分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などが使われます。
治療薬の選択は、がんの状態や検査結果などによって決まります。
【代表例】
- 化学療法(抗がん薬)
- 分子標的薬
- 免疫チェックポイント阻害薬
(1)化学療法(抗がん薬)
抗がん薬を使って、がん細胞の増殖を抑えたり、がん細胞を攻撃したりする治療です。
手術後に再発を防ぐ目的で行われるほか、手術で取り切ることが難しい進行・再発胃がんなどにも行われます。
(2)分子標的薬
がん細胞が持っている特定のタンパク質などを標的にして、がんの増殖を抑える薬です。
(3)免疫チェックポイント阻害薬
がんによってブレーキがかけられている免疫の働きを利用して、がん細胞を攻撃できるようにする薬です。胃がんでは、がん細胞の性質などを調べたうえで使用が検討されます。
4)治療の選び方
胃がんでは、「ステージが進んでいるから、この治療」と単純に決まるわけではありません。
がんが胃のどこまで深く入り込んでいるか、リンパ節やほかの臓器への転移があるか、がんの性質、患者さんの全身状態などを確認して、治療方法を決めます。
【関連図に使える流れ!】
胃がんの状態を確認
⬇
早期・リンパ節転移の可能性が低い → 内視鏡治療(EMR・ESD)⬇
手術で切除できる → 外科治療(胃切除+必要に応じてリンパ節郭清)⬇
手術の前後・切除が難しい進行/再発 → 薬物療法(化学療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など)

胃切除術を行った後は、食べ物の通り道を整える「再建(再接続)」が必要になります。
胃の形や働きが変わることで、手術後にさまざまな合併症や、生活・栄養上の影響が現れることがあります。
【ポイント】
- 胃を切除した後は、消化器管(残った胃や腸)をつなぎ直す再建術を行う
- 胃が小さくなる(または無くなる)ことで、消化機能や食事量に大きな影響が出る
- 術後合併症や栄養問題(ダンピング症候群や貧血など)の流れを理解することが重要
1)食べ物の通り道の再建
胃を切除すると、そのままでは食べ物が腸へ流れなくなるため、胃や食道と腸をつなぎ直して、食べ物が通る道をつくります。これを「再建」といいます。
【代表例】
- ビルロートⅠ法
- ビルロートⅡ法
- ルーワイ法
- ダブルトラクト法
(1)ビルロートⅠ法
胃の残った部分と十二指腸を直接つなぐ方法です。
(2)ビルロートⅡ法
胃の残った部分と空腸(小腸の一部)をつなぐ方法です。

(3)ルーワイ法
小腸を「Y」の字のようにつなぎ、食べ物が通る道と、十二指腸から流れてくる消化液の道を分ける方法です。

(4)ダブルトラクト法
胃の上部を残す胃切除後などに行われ、食道と残った胃を小腸につなぐ方法です。
食べ物は、残った胃を通る道と小腸を通る道の両方を通ることができます。

2)手術後に起こる合併症(術後合併症)
胃を切除すると、胃の大きさや働き、食べ物の通り道が変わります。
そのため、手術後には、手術した部分に起こる合併症だけでなく、食事や栄養、日常生活にも変化が起こることがあります。
術後合併症の代表例には以下の3つがあります。
(1)縫合不全
胃や腸をつないだ部分がうまく治らず、その部分から消化液などが漏れることです。
(2)膵液ろう
手術の影響などによって、本来は膵臓から十二指腸に出る消化液(膵液)が、膵臓の周囲などに漏れることです。
(3)腹腔内膿瘍
おなかの中に炎症や感染が起こり、膿がたまることです。縫合不全や膵液ろうなどが原因となって起こることがあります。
【関連図に使える流れ!】
手術
⬇
縫合部などに問題が起こる⬇
消化液などが漏れる⬇
炎症・感染が起こる⬇
腹腔内膿瘍などにつながる
3)ダンピング症候群
ダンピング症候群は、胃切除後に起こりやすい「機能的な術後障害・後遺症」です。
胃には、食べ物を一時的にためて、少しずつ小腸へ送り出す働きがあります。
胃を切除すると、この働きが弱くなり、食べ物が小腸へ急に流れ込むことがあります。
その結果、食後に次のような症状が起こることがあります。
これをダンピング症候群といいます。
【代表的な症状】
- 動悸
- 冷や汗
- めまい
- 腹痛
- だるさ
- 下痢 など
ダンピング症候群には、食後すぐに起こる「早期ダンピング症候群」と、食後しばらくしてから起こる「後期ダンピング症候群」があります。
【関連図に使える流れ!】
胃切除
⬇
胃に食べ物をためる・ゆっくり送り出す働きが低下⬇
食べ物が小腸へ急に流れ込む⬇
動悸・冷や汗・めまい・腹痛など⬇
ダンピング症候群
4) 体重減少と栄養について
胃を切除すると、一度に食べられる量が少なくなり、食事量が減りやすくなります。
また、胃の働きや食べ物の通り道が変わることで、栄養を十分にとりにくくなることがあります。
そのため、手術後には体重減少や栄養不足に注意が必要です。
【関連図に使える流れ!】
胃切除
⬇
一度に食べられる量が減る⬇
食事量が減る⬇
体重減少・栄養不足
また、胃全摘後は、ビタミンB12の吸収に必要な「内因子」がつくられなくなります。
そのため、時間がたつとビタミンB12が不足することで、赤血球が作られなくなり、巨赤芽球性貧血を起こすことがあります。
胃全摘後は、ビタミンB12の不足や貧血に注意し、必要に応じてビタミンB12を補充します。
【関連図に使える流れ!】
胃切除
⬇
胃の大きさ・働きが変化⬇
食べ物の通り道や食事のとり方が変化⬇
食事量の減少・ダンピング症候群⬇
体重減少・栄養不足
さらに胃全摘の場合は、
胃全摘
⬇
内因子がつくられなくなる⬇
ビタミンB12の吸収低下⬇
ビタミンB12欠乏⬇
巨赤芽球性貧血

1)術前の観察・情報収集
(1)胃がんの状態と治療内容
まずは、カルテや検査結果から、がんの状態と予定されている治療を確認します。
- がんの部位:胃のどの部分にがんがあるか
- 組織型:分化型・未分化型など、どのような組織型なのか
- 病期(ステージ):がんの深さ、リンパ節転移、遠隔転移の有無
- 検査結果:上部消化管内視鏡検査、CT検査、病理検査などの結果
- 手術方法:幽門側胃切除、胃全摘、噴門側胃切除など、どの部分を切除する予定なのか
- リンパ節郭清の範囲
- 再建方法:ビルロートⅠ法・Ⅱ法、ルーワイ法、ダブルトラクト法など
「どこを、どのくらい切除する手術なのか」を把握すると、術後に起こりやすい変化を予測しやすくなります。
(2)手術前の身体状態
手術に備えて、患者さんの現在の身体状態を確認します。
- 体重・BMI、最近の体重変化
- 食事量・食欲
- 腹痛、吐き気、嘔吐などの症状
- 貧血症状の有無
- 血液検査の結果
- 呼吸・循環状態
- 既往歴や併存疾患
- 服薬状況
- 喫煙・飲酒習慣
特に、手術前から食事量が少ない、体重が減っているなどの場合は、術後の栄養状態にも注意が必要です。
(3)治療への理解と心理状態
胃がんと診断されたことや、手術を受けることに対して、患者さんがどのように感じているかを確認します。
- 病気や手術について、どの程度理解しているか
- 手術や麻酔に対する不安
- 術後の痛みへの不安
- 胃を切除することへの思い
- 食事が変わることへの不安
- 再発への不安
- 仕事や家庭生活への影響について、予後についての心配
- 治療について、どのような希望や価値観を持っているか
患者さんが治療について疑問や不安を抱えている場合には、何がわからないのか、何を不安に感じているのかを確認し、必要に応じて医療者につなげることが大切です。
(4)退院後の生活を見据えた情報収集
胃を切除すると、手術前と同じように食事ができなくなることがあります。
そのため、手術前から以下のような生活背景を確認しておきます。
- 普段の食事回数・食事量
- 食事の速さ、よく噛んで食べる習慣があるか
- 好きな食べ物・苦手な食べ物
- 仕事の内容や復職の希望
- 家族構成・キーパーソン
- 退院後に食事を準備してくれる人がいるか
- 通院や治療を続けるうえでの支援者の有無
- 経済面や仕事への影響
手術前の生活を知っておくことが、術後の変化を評価する基準になります。
2)術後の観察・情報収集
(1)手術直後の全身状態
手術後は、まず全身状態の変化を確認します。
- 体温
- 血圧
- 脈拍
- 呼吸数
- SpO2(経皮的動脈血飽和度)
- 意識状態
- 疼痛(とうつう)の程度
- 尿量
- 腹部の状態
- ドレーン排液の量・色・性状
- 創部の状態
特に、「いつもと違う変化がないか」「時間とともに悪化していないか」を確認することが重要です。
(2)術後合併症の兆候
胃切除後には、手術部位などに関連して合併症が起こることがあります。
【主な観察項目】
- 縫合不全:発熱、腹痛、腹部所見、炎症反応、ドレーン排液の変化など
- 膵液ろう:ドレーン排液の量・性状、発熱、腹痛など
- 腹腔内膿瘍:発熱、腹痛、炎症反応など
- イレウス(腸閉塞):腹部膨満感、腹痛、悪心・嘔吐、排ガス(おなら)・排便の停止など
- 術後出血:血圧低下、頻脈、Hb(ヘモグロビン)値の低下、ドレーン排液や便の性状など
- 肺合併症:発熱、咳、痰、呼吸状態、SpO2など
- 深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症:下肢の腫れ・痛み、突然の呼吸困難など
異常が疑われる場合には、実習担当看護師や教員に速やかに報告します。
(3)食事・栄養状態の観察
食事が開始されたら、「どのくらい食べられているか」に加え、「食べた後にどのような症状が出ているか」も確認します。
- 食事摂取量
- 食欲
- 食後の腹痛・吐き気
- 嘔吐の有無
- 下痢・便秘の有無
- 食後の動悸、冷や汗、めまいなど
- 体重の推移
- 水分摂取量
- 血液検査などの栄養状態
胃切除後は、一度に食べられる量が少なくなりやすいため、少量の食事を複数回に分けるなどの食事方法が必要になることがあります。
(4)ダンピング症候群
【観察項目】
・早期ダンピング
食後比較的早い時間(目安:30分以内)に、
- 動悸
- 冷や汗
- 腹痛
- 腹部不快感
- 下痢
- めまい
- 倦怠感
などがないか確認します。
・後期ダンピング
食後しばらくして(目安:2-3時間後)から、
- 冷や汗
- めまい
- 脱力感
- 手の震え
- 強い空腹感
など、低血糖を疑う症状がないか確認します。
「いつ、何を食べた後に、どのような症状が出たのか」まで確認すると、症状と食事との関係を捉えやすくなります。
(5)長期的な栄養状態
胃切除後は、食事量の減少などによって体重が減少することがあります。
また、胃全摘後は内因子がつくられなくなるため、ビタミンB12を吸収しにくくなり、時間がたってからビタミンB12欠乏による貧血が起こることがあります。
そのため、
- 体重の推移
- 食事摂取量
- 貧血症状
- 血液検査
- ビタミンB12の補充状況(筋肉注射で直接血液に投与するなど)
などを長期的に確認します。
3)退院後の食事・生活に向けた観察
胃を切除した後は、「以前と同じ食べ方に戻す」のではなく、新しい胃の状態に合わせて食べ方や生活を調整していくことが大切!
(1)食事のとり方
患者さんの状態に合わせて、以下のような食事の工夫を行います。
- 少量ずつ、複数回に分けて食べる
- ゆっくり、よく噛んで食べる
- 食後の症状が出た場合は、食事内容や食べ方との関係を確認する
- 水分のとり方についても、患者さんの状態に合わせて調整する
食事指導では、単に「こうしてください」と伝えるのではなく、患者さんが実際の生活の中で続けられる方法を一緒に考えることが大切です。
(2)日常生活への影響
胃切除後の体調変化が、生活にどのような影響を与えそうか、も確認します。
- 仕事や学校への復帰
- 外食や会食への不安
- 疲れやすさ
- 外出時の食事への困りごと
- 家族や周囲のサポート
- 患者さん自身が行っている工夫
患者さんが「病気になる前の生活」にそのまま戻れるかではなく、「今の体の状態で、どのようにその人らしい生活を続けられるか」を考えることが大切です。
4)術後薬物療法の観察・情報収集
胃がんでは、手術後の病理検査の結果や再発リスクなどを踏まえて、再発を防ぐ目的で術後補助薬物療法(化学療法など)が行われることがあります。
また、進行・再発胃がんでは、がんの状態や検査結果に応じて薬物療法(抗がん薬・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など)が行われます。
(1)治療開始前に確認すること
- 手術後の病理検査結果
- がんの病期や再発リスク
- 全身状態
- 食事摂取量・体重
- 肝機能・腎機能などの検査結果
- 現在使用している薬
- 治療内容についての患者さんの理解
- 副作用や治療期間に対する不安
- 仕事や日常生活への影響
(2)薬物療法中の観察項目
- 骨髄抑制:白血球・好中球・血小板・Hbなどの推移、発熱や出血の有無
- 消化器症状:吐き気、嘔吐、下痢、便秘、食欲低下など
- 口腔内の変化:口内炎、口腔粘膜の痛みなど
- 皮膚症状:発疹、手足症候群(手のひら・足裏の赤み、痛み、皮むけなど)など
- 末梢神経障害:手足のしびれ、冷たいものに触れたときの感覚異常など
- 全身状態:倦怠感、発熱、体重減少など
- 肝・腎機能:血液検査による推移
(3)薬剤ごとの副作用
胃がんの薬物療法では、使用する薬剤に応じて特徴的な副作用があります。
【代表例】
S-1(エスワン)
- 食欲不振
- 悪心(おしん)・嘔吐
- 下痢
- 口内炎
- 骨髄抑制
- 皮膚症状
- 流涙など
カペシタビン
- 手足症候群
- 下痢
- 食欲不振
- 骨髄抑制など
オキサリプラチン
- 末梢神経障害
- 骨髄抑制
- 悪心・嘔吐など
ドセタキセル
- 骨髄抑制
- 発熱性好中球減少症
- 浮腫
- 脱毛
- 皮膚症状など
使用薬剤によって観察すべき副作用が異なるため、「この患者さんには、どの薬が使われていて、どんな副作用に注意する必要があるのか」を確認しましょう。
5)心理・社会面の情報収集
- 病気や治療についての不安
- 食事が変わることへの不安
- 再発への不安
- 仕事や学校への復帰
- 家族との食事や外食への影響
- 家族からのサポート
- 経済的な不安
- 通院を続けられる環境
- 患者さんが大切にしている生活や目標
患者さんが治療や生活の変化をどのように受け止めているかを確認します。
【関連図に使える流れ!】
胃がん
⬇
手術(胃切除・リンパ節郭清など)⬇
胃の大きさ・働き、食べ物の通り道が変化⬇
食事量の減少・食後の症状⬇
ダンピング症候群・体重減少・栄養不足など⬇
退院後の食生活・仕事・外出などへの影響
さらに、
手術
⬇
術後合併症のリスク⬇
縫合不全・膵液ろう・出血・感染など⬇
バイタルサイン・腹部所見・創部・ドレーンなどを観察⬇
異常の早期発見・早期対応というように、「治療」→「体の変化」→「症状」→「生活への影響」までつなげて考えると、胃がん患者さんの観察項目を整理しやすくなります。

胃がんの患者さんをアセスメントするときは、現在の状態だけを見るのではなく、「病気や治療によって、何が変わったのか」を考えることが大切です。
特に胃切除後は、
病気になる前はどうだった?
⬇
手術や治療によって何が変わった?
⬇
今はどこまで回復している?
⬇
今、何に困っている?
⬇
これから何が必要?
という順番で考えてみましょう。
変化に着目することで、その人らしさに合わせた個別性のあるアセスメントができるようになります 。
以下に患者さんの状態と、アセスメントの例文を挙げます。
1)以前より食事量が減り、体重も減っている
・食事摂取量の低下や術後の体の変化が、体重減少につながっている可能性
【アセスメント例文】
「術前と比べて1回の食事量が減少し、体重も減少している。胃切除後の食事量の変化や食後症状(ダンピング症状、早期膨満感、胸やけなど)の有無、栄養状態を確認し、必要な食事量を確保できる方法を検討する。」
2)食後に動悸・発汗・腹痛などがみられる
・ダンピング症候群など、胃切除後の食後症状の可能性
【アセスメント例文】
「食後20分頃から動悸、発汗、腹部不快感がみられている。症状が出現するタイミングや食事内容、摂取量との関連を確認し、ダンピング症候群の可能性を考えながら食事方法を検討する。」
3)食事摂取量が安定し、体重も維持できている
・現在の食事方法や生活上の工夫が、患者さんの体に合っている可能性
【アセスメント例文】
「食事摂取量は安定しており、体重も大きな変化なく推移している。食後の症状もみられていないことから、現在の食事方法で栄養状態をおおむね維持できていると考える。退院後も継続できる方法か確認する。」
4)食事はとれているが、「外食はできなそう」と話している
・身体面だけでなく、これまでの生活への影響も考える
【アセスメント例文】
「食事摂取量や体重は維持できているが、食後の症状への不安から外食を避けている。身体状態だけでなく、食事に対する不安や退院後の生活への影響を確認し、本人が安心して外出・外食できる方法を一緒に検討する。」
5)「仕事に戻りたい」と話している
・退院後の生活を見据えたセルフケアや社会復帰への支援が必要
【アセスメント例文】
「患者は退院後の仕事への復帰を希望している。現在の食事摂取状況や体力、食後症状、活動状況を確認し、仕事に戻ったあとも継続できる食事・休息方法を検討する。」

1)【胃がんの場合】看護問題の優先順位
- 1出血・縫合不全など、生命に直結する問題
- 2疼痛・食事・栄養・活動など、現在の苦痛や日常生活に関わる問題
- 3退院後の食生活・治療継続・再発への不安など、今後の生活に関わる問題
2)【胃がんの場合の例】看護問題リスト
| 看護問題 | 具体的なサイン・症状 |
|---|---|
| 術後出血のリスク | ・血圧低下や頻脈がみられる ・顔色不良、冷汗がある ・ドレーン排液の量や性状に変化がある ・Hb・Htが低下する |
| 縫合不全・腹腔内感染などのリスク | ・発熱がある ・腹痛や腹部膨満がある ・創部の発赤・腫脹・熱感がある ・ドレーン排液の量・色・性状・においに変化がある ・WBC・CRPが上昇する |
| 膵液漏など術後合併症のリスク | ・ドレーン排液の量・色・性状・においに変化がある ・発熱や腹痛がある ・炎症反応(WBC・CRP)が上昇する |
| 呼吸器合併症のリスク | ・呼吸が浅くなる ・SpO₂が低下する ・痰が出しにくい ・深呼吸や咳をすると創部が痛み、排痰をためらう |
| 術後疼痛 | ・創部の痛みを訴える ・体動や咳で痛みが強くなる ・痛みのために深呼吸や離床をためらう ・睡眠が妨げられる |
| 活動耐容能低下 | ・離床すると疲れやすい ・歩行時にふらつきや息切れがある ・清潔・更衣などの日常生活動作に介助が必要になる |
| 栄養摂取量不足のリスク | ・食欲がない ・1回に食べられる量が少ない ・食事を残すことが多い ・体重が減少している |
| 胃切除後の食後症状 | ・食後に動悸・発汗・めまいなどがある ・腹痛、腹部不快感、下痢などがある ・食後の症状を心配して食事量を減らしている |
| 不安 | ・「再発しないか心配」と話す ・手術や治療について繰り返し質問する ・退院後の食事や仕事について心配している |
| 健康自己管理の困難さ | ・退院後の食事方法が分からない ・薬の飲み方や副作用への対処方法が分からない ・受診が必要な症状を理解できていない |
| 社会的役割への影響 | ・「仕事に戻れるか分からない」と話す ・外食や旅行など、これまでの生活に不安がある ・家族との食事や役割に変化が生じている |
以下は、各看護問題に対する具体的なケアと根拠です。

1)生命に直結する問題への看護(最優先)
(1)全身状態の経時的観察と術後合併症の早期発見
【ケア】
- 体温、血圧、脈拍、呼吸数、SpO₂、意識状態を経時的に観察する。
- 顔色、冷汗、倦怠感など、全身状態の変化を確認する。
- 腹部の膨満、腹痛、圧痛、腸蠕動音などを観察する。
- 創部の発赤・腫脹・熱感・疼痛、ドレーン排液の量・色・性状・においを確認する。
- 尿量を確認し、前後の変化をみる。
- Hb・Ht、WBC、CRPなどの検査データを確認する。
- 急激な血圧低下、頻脈、意識状態の変化、強い腹痛、発熱、ドレーン排液の急な変化などがみられた場合は、速やかに担当看護師・実習指導者へ報告する。
【根拠】
- 術後出血によって、血圧低下や頻脈、顔面蒼白、冷汗などがみられることがある。
- 縫合不全や腹腔内感染、膵液ろうなどによって、発熱、腹痛、腹部膨満、炎症反応の上昇、ドレーン排液の変化などがみられることがある。
- 尿量は循環状態や腎血流を評価する手がかりになる。
- 1つの数値だけで判断せず、術前・前日・前回の状態と比較しながら経時的な変化をみることが重要。
(2)呼吸器合併症の予防と早期発見
【ケア】
- 呼吸数、呼吸の深さ・リズム、呼吸音、SpO₂を観察する。
- 深呼吸や咳嗽(がいそう)ができているか、痰が出せているかを確認する。
- 疼痛の程度と、深呼吸・咳嗽・離床への影響を確認する。
- 疼痛が強い場合は、担当看護師と相談しながら鎮痛薬の使用や体位を検討する。
- 深呼吸・咳嗽・排痰を促す。
- 体位変換や早期離床・歩行を、患者さんの状態と指示された安静度に合わせて行う。
【根拠】
- 腹部手術後は、創部痛によって深呼吸や咳嗽が抑制され、無気肺や肺炎などの呼吸器合併症につながることがある。
- 深呼吸や咳嗽によって肺を広げ、気道分泌物を排出することが呼吸器合併症の予防につながる。
- 早期離床は、呼吸機能の回復や全身の活動性回復にもつながる。
(3)術後イレウス(腸閉塞)の予防・早期発見
【ケア】
- 腹部膨満、腹痛、悪心・嘔吐の有無を観察する。
- 腸蠕動音(ちょうぜんどうおん)、排ガス・排便の有無を確認する。
- 食事開始後は、食事摂取後の腹部症状や悪心(おしん)・嘔吐の有無を確認する。
- 安静度の指示を確認し、可能な範囲で離床・歩行を促す。
- 腹部症状の増強や嘔吐、排ガス・排便の停止などがみられた場合は、担当看護師へ報告する。
【根拠】
- 腹部手術後は腸管の動きが低下し、イレウスを起こすことがある。
- 腹部膨満、腹痛、悪心・嘔吐、排ガス・排便の停止などは、イレウスを疑う手がかりになる。
- 離床・歩行は、全身状態に応じて腸管運動の回復を促すことにつながる。
(4)深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の予防
【ケア】
- 下肢の腫脹、疼痛、左右差などの有無を観察する。
- 安静度の指示を確認し、可能な範囲で離床・歩行を促す。
- 弾性ストッキングや間欠的空気圧迫法などが使用されている場合は、装着状態や皮膚の状態を確認する。
- 突然の息苦しさ、胸痛、SpO₂低下などがみられた場合は、速やかに担当看護師へ報告する。
【根拠】
- 手術後は、手術侵襲や活動量の低下などによって静脈血栓塞栓症のリスクが高くなる。
- 早期離床や下肢の血流を保つケアは、血栓形成の予防につながる。
- 下肢などにできた血栓が血流に乗って肺の血管で詰まる(塞栓する)ことで、突然の呼吸困難や胸痛などを引き起こすため。
2)苦痛・日常生活に関わる問題への看護
(1)術後疼痛の緩和
【ケア】
- 疼痛の部位・程度・性質・出現するタイミングを確認する。
- 「動いたとき」「咳をしたとき」など、どのような動作で痛みが強くなるかを確認する。
- 安楽な体位を整える。
- 体位変換や離床時に、必要に応じて創部を支える。
- 医師の指示に基づいて鎮痛薬を使用し、使用後の効果を確認する。
- 鎮痛薬による眠気、悪心、便秘などの副作用にも注意する。
【根拠】
- 疼痛の程度だけでなく、動作や呼吸への影響を把握することで、適切な疼痛管理につなげられる。
- 疼痛が強いと深呼吸や咳嗽、離床が妨げられ、術後の回復に影響することがある。
- 鎮痛薬の効果と副作用を確認することで、安全かつ効果的な疼痛管理につながる。
(2)食事・栄養状態への支援
【ケア】
- 食事摂取量、食欲、体重の変化を確認する。
- 食後の腹痛、腹部不快感、悪心、下痢などの症状を確認する。
- 食事にかかる時間や、食べにくい食品がないかを確認する。
- 食後の動悸、発汗、めまい、倦怠感などの症状と、食事との時間的な関係を確認する。
- 患者さんの状態に合わせて、少量ずつ食べる、よく噛むなどの食べ方を担当看護師・管理栄養士と検討する。
- 摂取量の低下や体重減少が続く場合は、担当看護師へ共有する。
【根拠】
- 胃切除後は胃の貯留・調節機能が変化し、一度に食べられる量が減ったり、食後症状が出たりすることがある。
- 食事摂取量の低下が続くと、体重減少や栄養不足につながる。
- 食後症状と食事内容・摂取量・食べ方の関係を確認することで、患者さんに合った食事方法を検討しやすくなる。
(3)不安・心理的苦痛への支援
【ケア】
- 手術や治療、術後の生活についての不安や疑問を傾聴する。
- 「何が一番気になっているか」を確認し、不安の内容を具体化する。
- 疾患・手術・術後経過について、患者さんがどの程度理解しているかを確認する。
- 疼痛、食事、離床など、現在行っているケアの目的を患者さんが理解できるように説明する。
- 不安や疑問を表出しやすい環境を整える。
- 必要に応じて、患者さんの同意のもと家族と情報を共有する。
【根拠】
- 胃がんでは、手術そのものだけでなく、食生活の変化、再発、仕事復帰、家族への影響など、さまざまな不安が生じる。
- 不安の内容を具体的に把握することで、その人に必要な支援につなげられる。
- 今後の見通しやケアの目的を理解することが、不安の軽減や治療・ケアへの主体的な参加につながる。
(4)術後せん妄の予防・早期発見
【ケア】
- 意識状態や見当識、会話の様子、睡眠状況を観察する。
- 急に落ち着きがなくなる、会話がかみ合わない、夜間に混乱するなど、普段と異なる様子がないか確認する。
- 疼痛、発熱、低酸素、脱水、薬剤など、せん妄の誘因となる状態がないか確認する。
- 昼夜のリズムを整え、眼鏡や補聴器など、患者さんが普段使用しているものを必要に応じて使用できるようにする。
- 急な意識・認知機能の変化がみられた場合は、担当看護師へ報告する。
【根拠】
- せん妄は、手術など身体への大きな負担や、疼痛、感染、薬剤、環境の変化などをきっかけに急に生じることがある。
- 高齢者では特に注意が必要で、早期に変化を捉えて原因を確認することが重要。
プチ情報:高齢者の術後せん妄
せん妄とは、身体への大きな負担などをきっかけに、一時的に意識や認知機能が変化する状態です。手術後は、疼痛、発熱、低酸素、脱水、薬剤、睡眠不足、環境の変化などがきっかけになることがあります。特に高齢者では注意が必要です。
3)今後の生活・退院後に関わる問題への看護
退院支援では、「退院後も患者さんが実際に続けられるか」という視点が大切です。
(1)胃切除後の食生活を整える
【ケア】
- 退院後の普段の食事内容や食事時間を確認する。
- 患者さんの生活に合わせて、少量ずつ食べる、よく噛むなどの食べ方を一緒に考える。
- 食後の動悸、発汗、めまい、腹痛、下痢などがある場合は、症状と食事内容・食べ方・症状が出るタイミングを確認する。
- 食事量や体重の変化を確認する。
- 必要に応じて、管理栄養士と連携して食事方法を検討する。
【根拠】
- 胃切除後は胃の貯留・調節機能が変化し、食事量や食べ方によって食後症状が生じることがある。
- 症状と食事との関係を把握することで、その患者さんに合った食事方法を検討できる。
- 食事摂取量や体重を継続して確認することで、栄養状態の変化を早期に捉えやすくなる。
(2)胃切除後の症状と受診の目安を確認する
【ケア】
- 胃切除後に起こる可能性のある食後症状について説明する。
- 動悸、発汗、めまい、腹痛、下痢などが起こった場合の対処方法を確認する。
- 発熱、強い腹痛、繰り返す嘔吐、食事がほとんどとれないなど、医療機関への相談が必要な症状について確認する。
- 「症状が出たらどこへ連絡するか」を患者さんと一緒に確認する。
【根拠】
- 胃切除後の症状を患者さん自身が把握することで、症状が出たときに適切に対処しやすくなる。
- 術後の異常を早期に発見し、必要な治療につなげるためには、受診・相談の目安を具体的に知っておくことが重要。
(3)内服・薬物療法を継続できるよう支援する
【ケア】
- 退院後に使用する薬剤の種類、服用方法、服用状況を確認する。
- 薬の副作用によって、食欲低下、悪心、下痢、倦怠感などが生じていないか確認する。
- 患者さんが「どのような症状が出たら相談するか」を理解できているか確認する。
- 副作用がつらい場合に、自己判断で薬を中止・減量せず、医療者へ相談するよう伝える。
- 服薬管理が難しい場合は、患者さんの生活に合った方法を担当看護師・薬剤師と検討する。
【根拠】
- 薬物療法では、副作用が治療継続の負担になることがある。
- 副作用や服薬上の困りごとを早期に把握することで、必要な支援や治療調整につなげられる。
- 自己判断による中止や減量を避け、医療者へ相談できるようにすることが安全な治療継続につながる。
(4)体重・栄養状態を継続して管理する
【ケア】
- 退院後の体重測定方法や測定頻度を確認する。
- 食事摂取量や食欲の変化を確認する。
- 貧血症状など、栄養状態の変化を示す症状がないか確認する。
- 必要な外来受診や血液検査について、患者さんの理解を確認する。
- 体重減少や食事摂取量の低下が続く場合は、医療者へ相談するよう伝える。
【根拠】
- 胃切除後は食事摂取量の変化などによって、体重減少や栄養不足が起こることがある。
- 体重や食事摂取量を継続して確認することで、栄養状態の変化に早く気づきやすくなる。
- 胃全摘後では、ビタミンB12の吸収に必要な内因子がなくなるため、長期的にビタミンB12欠乏による貧血に注意が必要。
(5)仕事・家庭生活への復帰を支援する
【ケア】
- 退院後に再開したい仕事・家事・育児・趣味などを確認する。
- 仕事の内容や勤務時間、通勤方法などを確認する。
- 疲労や食事時間、食後症状などが仕事や生活にどのような影響を与えそうか一緒に考える。
- 家族の協力が必要なことや、本人が困っていることを担当看護師と共有する。
【根拠】
- 胃切除後は食事方法や体力などが変化するため、退院後の生活に合わせた調整が必要になる場合がある。
- 「仕事に戻りたい」「家族との食事を楽しみたい」など、患者さん本人の目標を把握することで、より個別性のある退院支援につながる。
(6)外来受診・定期検査を継続できるよう支援する
【ケア】
- 退院後の外来受診や検査の予定を確認する。
- 患者さんが受診の目的や、継続して確認する内容を理解しているか確認する。
- 通院方法や、仕事・家事との両立で困ることがないか確認する。
- 必要に応じて、家族や他職種と連携する。
【根拠】
- 胃がんの治療後は、再発の有無だけでなく、栄養状態や術後の身体変化などを継続して確認する必要がある。
- 通院を継続できる環境を整えることが、治療後の長期的な健康管理につながる。

1)仕事・活動量
【個別性を引き出せる質問例】
・普段はどのような仕事や活動をしていますか?
・仕事では、立ったり歩いたりすることが多いですか?
・通勤にはどのくらい時間がかかりますか?
・家事・育児・介護などで、普段担当していることはありますか?
・退院後、いつごろから元の生活に戻りたいですか?
【質問のポイント】
- 仕事の内容や活動量を知ることで、退院後に必要な体力や生活上の支援を考えられる。
- 術前の活動量と比べることで、術後の回復状況を評価できる。
- 「早く仕事に戻りたい」「家族のために家事を再開したい」など、本人の目標を把握する。
- 仕事や家事の再開時期だけでなく、食事・疲労・疼痛などが仕事や生活にどう影響するかまで考えることが大切。
【関連図に活かす例】
術後の体力低下・疲労
⬇
立ち仕事や長時間の勤務が負担になる
⬇
仕事への復帰に不安
⬇
「早く仕事に戻りたい」という思い
⬇
退院後の活動量・休息方法・食事のとり方を検討する必要性
2)食生活
【個別性を引き出せる質問例】
・普段は、いつ・何を・どのくらい食べていますか?
・食事にはどのくらい時間をかけていますか?
・自炊、外食、コンビニなど、普段はどのように食事をしていますか?
・家族と一緒に食事をすることは多いですか?
・退院後の食事について、気になっていることはありますか?
【質問のポイント】
- 胃切除後は、食事量や食べ方をこれまでと変える必要がある場合がある。
- 「少量ずつ食べる」「よく噛む」などの食事方法を、患者さんの普段の生活に合わせて考える。
- 食事の時間が不規則、仕事中はゆっくり食べられないなど、実際の生活で続けられるかを確認する。
- 食後の動悸・発汗・腹痛・下痢などがある場合は、食事との時間的な関係も確認する。
- 食事を単なる栄養摂取としてではなく、「家族と食卓を囲む」「外食を楽しむ」など、本人にとっての意味も把握する。
【関連図に活かす例】
胃切除
⬇
胃の貯留・調節機能の変化
⬇
一度に食べられる量の減少・食後の症状
⬇
少量ずつ食べるなど、食べ方の工夫が必要
⬇
「家族と一緒に食事を楽しみたい」
⬇
本人の生活に合わせた食事方法を検討
3)飲酒・喫煙・嗜好品
【個別性を引き出せる質問例】
・普段、お酒やたばこ、コーヒーなどを利用する習慣はありますか?
・どのくらいの量を、どのくらいの頻度で利用していますか?
・お酒やコーヒーなどは、普段の生活でどのような楽しみになっていますか?
・禁煙や飲酒について、困っていることや気になることはありますか?
【質問のポイント】
- 飲酒・喫煙だけでなく、コーヒーなどの嗜好品を含めて、普段の生活習慣を具体的に把握する。
- 単に「やめる・控える」と指導するのではなく、本人にとってどのような意味がある習慣なのかを知る。
- 退院後の生活で無理なく続けられる方法を一緒に考える。
- 術後の食事や治療との関係について、必要な情報を確認しながら支援する。
【関連図に活かす例】
毎日の晩酌が楽しみ
⬇
飲酒習慣の見直しが必要
⬇
「楽しみがなくなる」と感じる
⬇
退院後の生活に対する不満・ストレス
⬇
本人が続けられる代替の楽しみを一緒に検討
4)家族・サポート体制
【個別性を引き出せる質問例】
・一緒に暮らしている方はいますか?
・退院後の食事の準備は、主にどなたがしますか?
・通院や家事などを手伝ってくれる方はいますか?
・ご家族は、どのようなことなら手伝いそうですか?
・病気や手術について、ご家族とどのような話をしていますか?
・退院後の生活について、家族に負担をかけたくないと感じていることはありますか?
【質問のポイント】
- 家族がいるからといって、十分な支援を受けられるとは限らない。
- 「誰がいるか」だけでなく、「何を、どのくらい手伝ってもらえるか」まで具体的に確認する。
- 食事の準備、買い物、通院、家事など、退院後に必要となる支援を整理する。
- 「家族に迷惑をかけたくない」など、患者さんが抱えている思いにも目を向ける。
- 必要に応じて、医療ソーシャルワーカーなどの多職種につなげる。
【関連図に活かす例】
退院後も家事・育児を担う必要がある
⬇
術後の体力低下・食事量の変化
⬇
これまで通りの家事・育児が負担になる可能性
⬇
「家族に迷惑をかけたくない」という思い
⬇
無理をして活動する可能性
⬇
休息・家族の協力・社会資源の活用を検討
5)心理・精神面
【個別性を引き出せる質問例】
・今、病気や手術、これからの生活について、一番気になっていることは何ですか?
・手術後の生活で、不安に感じていることはありますか?
・食事について、心配なことはありますか?
・仕事や家族との生活について、気になっていることはありますか?
・再発や今後の治療について、どのように感じていますか?
【質問のポイント】
- 看護師が「問題だ」と考えることと、患者さん本人が困っていることは異なる場合がある。
- 「不安はありますか?」だけで終わらせず、何について不安なのかを具体的に確認する。
- 「食事」「仕事」「再発」「家族」など、不安の内容によって必要な支援は異なる。
- 患者さんが大切にしている生活や目標を知ることで、看護計画に個別性を反映しやすくなる。
【関連図に活かす例】
胃切除後の食事方法がわからない
⬇
「退院してから、ちゃんと食べられるだろうか」
⬇
食事への不安
⬇
外食や家族との食事を避ける可能性
⬇
退院後の生活の質(QOL)への影響
⬇
患者さんの生活に合わせた食事方法・セルフケア方法を一緒に検討
6)退院後に大切にしたいこと
【個別性を引き出せる質問例】
・退院したら、まず何をしたいですか?
・これまで通り続けたいことはありますか?
・仕事や趣味で、早く再開したいことはありますか?
・食事について、これからも大切にしたいことはありますか?
【質問のポイント】
- 患者さんの「その人らしい生活」を知ることができる。
- 「仕事に戻りたい」「孫と一緒に食事をしたい」「旅行に行きたい」など、具体的な目標を看護計画につなげられる。
- 患者さんの目標から逆算して、必要なセルフケアや支援を考える。
【関連図に活かす例】
「退院したら、孫と一緒に食事をしたい」
⬇
食事量・食後症状のコントロールが必要
⬇
少量ずつ、よく噛んで食べるなどの工夫
⬇
自分に合った食事方法を身につける
⬇
家族との食事を楽しめる

1)胃がん幽門側胃切除術を受ける患者さん
(1)事例概要【A氏、68歳、男性】
・診断名:進行胃がん
・組織型:未分化型腺癌
・部位:胃前庭部~幽門部
・深達度:T3(SS:漿膜下層まで)
・リンパ節転移:N1(1~2個)
・遠隔転移:M0
・病理学的Stage:ⅡB
・術式:幽門側胃切除+リンパ節郭清、術後3日目
・家族構成:妻と2人暮らし
・職業:大手金融会社を定年退職
・既往歴:高血圧症
・内服:降圧薬を内服中
・喫煙歴:20本/日を約40年間
・飲酒歴:ビールを夕食時に1~2本程度
(2)現病歴・入院歴
- 現病歴:
2ヵ月ほど前から、食後に胃もたれを感じることが増えていた。「年齢のせいだろう」と考えて様子をみていたが、徐々に食事量が減り、体重も約3kg減少した。
妻に勧められて近医を受診したところ、胃内視鏡検査で胃の病変を指摘された。
精密検査の結果、胃がんと診断され、手術目的で入院となった。
検査では、胃の幽門部に腫瘍が認められ、周囲のリンパ節への転移が疑われたため、進行胃がん(StageⅡB)と診断された。医師とのSDM(共同意思決定:医療者と患者が対話を通して一緒に治療方針を決めること) により、標準治療を選択した。
A氏は「もう少し妻との生活を楽しみたい」「食べたいものもいっぱいあるしね」と治療を前向きに捉えていた。
- 入院・手術:
入院後、全身状態を確認したうえで、幽門側胃切除術とリンパ節郭清を受けた。
術後3日目であり、点滴を継続している。
離床が開始され、看護師とともに病棟内を歩いている。
(3)患者さんの様子
- 身体面
- 術後3日目
- 手術創部に軽度の疼痛がある
- 硬膜外カテーテルを使用している
- 起き上がるときに腹部をかばう様子がある
- 食事はまだ開始されていない
- 24時間点滴を行っている
- 腹部ドレーンが留置されている
- 尿道カテーテルは抜去されている
- T37.0、BP120/88、P89、SpO298%
- 「少し動くと疲れる」と話している
- 看護師に促されると離床することができる
- 食事・栄養面
術前は食事量が減っており、体重減少がみられていた。
本人は、「胃を切ったら、これまでみたいに食べられなくなるんですよね」と話しており、
食事再開後の食べ方や、食後に起こる体調の変化について不安を感じている。
- 心理面
手術が終わったことで安心した一方、「がんがきれいに取れたのか心配だ」「再発しないか気になる」と話している。
また、「退院したら、今までの生活に戻れるのかな」と今後の生活についても不安を感じている。
(4)価値観・生活背景
- これまで自分のことは自分で行うことを大切にしてきた
- 妻にできるだけ迷惑をかけたくないと思っている
- 退院後は自宅で妻と生活したいと考えている
- 家で妻と一緒に夕食を食べる時間を大切にしている
- 「食べることが楽しみ」と話している
- これまで大きな病気をしたことがなく、今回の入院が初めての大きな手術である
- 退院後は、以前のように妻と近所を散歩したり、友人と出かけたりしたいと思っている
- 自分のことは自分でできる状態で退院したいと考えている
2)胃がん幽門側胃切除後、化学療法を受ける患者さん
(1)事例概要【A氏、68歳、男性】
※基本情報は同上
(2) 手術・病理結果
- 手術:幽門側胃切除術+D2リンパ節郭清
- 切除断端:陰性
- 病理診断:未分化型腺癌
- 深達度:pT3(SS)
- リンパ節転移:pN1
- 遠隔転移:M0
- 病理学的Stage:pStageⅡB
- 根治度:R0
- 術後経過:重大な術後合併症なし
(3)術後補助化学療法
- 術後補助化学療法:S-1
- 開始時期:術後約4~6週間
- 目的:微小ながん細胞による再発を予防する
- 治療期間:1年間を予定
(4)化学療法開始前の状態
- 身長:172cm
- 体重:68kg
- BMI:23.0
- 術前体重:71kg
- 術後体重:66kg(術前より-3kg)
- 食事摂取量:以前より少ない
- 食欲:やや低下
- 術後の食事:少量から開始し、摂取量を徐々に増やしている
- ADL:自立
- 歩行:自立
- 妻と2人暮らし
- 退院後は自宅で生活予定
(5) 化学療法開始時の検査データ
- WBC:5,800/μL
- Hb:12.0 g/dL
- Plt:22.0万/μL
- AST:25 U/L
- ALT:22 U/L
- Cr:0.8 mg/dL
- Alb:3.5 g/dL
- CRP:0.2 mg/dL
(6)S-1開始後に出てくる副作用症状(=観察項目)
- 食欲低下
- 悪心・嘔吐
- 下痢
- 口内炎
- 疲労感
- 白血球減少
- 貧血
- 血小板減少
- 肝機能障害
- 皮膚症状
(7)術後患者さんの思い
「せっかく手術したので、再発は防ぎたい」
「抗がん剤は怖いけど、できるなら治療を続けたい」
「また食べられなくなるのは嫌だ」
「できるだけ妻に心配をかけたくない」
「副作用が出ても、自分で対処できるようになりたい」
「できれば今までの生活に戻りたい」
<おわりに>
「この患者さんは、なぜ今こうなっているんだろう?」「このままだと、何が起こるんだろう?」と真剣に向き合ってきた皆さんは本当に素敵です!関連図の課題は難しいですが、心から応援しています!
参考文献
1)日本胃癌学会編:患者さんのための胃がん治療ガイドライン2026年版.金原出版株式会社,2026
2)一般社団法人 日本サイコオンコロジー学会,一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会編:がん医療における患者ー医療者間のコミュニケーションガイドライン2022年版.金原出版株式会社,
3)認定NPO法人キャンサーネットジャパン:2026年版もっと知ってほしい胃がんのこと.
(2026年8月13日アクセス)
4)田﨑亜希子著:特集 高齢者機能評価(GA・CGA)を活かした高齢がん患者のケア 高齢がん患者の特徴〜看護師がおさえておきたい支援ポイント〜.がん看護2025;30(1):6-9
5)丹田滋著:連載臓器別がん 最新のエビデンスに基づいた薬物療法と看護の実践 胃がん.がん看護2022;27(8):797-804
関連図PDF作成:宮野希実(看護師・デザイナー、Medi+プロダクション)
イラスト:尾形美紀(看護師・デザイナー、Medi+プロダクション)
編集:坂本綾子(看護roo! 編集部)
デザイン:伊神理咲
掲示板でいま話題
今日の看護クイズ
本日の問題
◆看護の問題◆乳がんに対する世界的啓発キャンペーンを示すリボンの色はどれでしょう
- レッド
- ピンク
- オレンジ
- シルバー
3339人が挑戦!
解答してポイントをGET


コメント