【ロイの看護理論】アセスメントの書き方!例文で実習記録をわかりやすく解説

【ロイの看護理論】アセスメントの書き方!例文で実習記録をわかりやすく解説

「ロイの看護理論って難しい…」「アセスメントをどう書けばいいか分からない」

 

このような看護学生さんに向けて、ロイの看護理論とアセスメントの書き方をわかりやすく解説します。

 

適応モデルや4つの適応様式の要点、アセスメントの記録例、テンプレートなど、実習記録に役立つ内容をまとめています。

 

ロイの看護理論は複雑に見えますが、使い方さえ分かれば記録の書き出しがぐっとスムーズになります。

 

監修:長島俊輔(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科 講師)

執筆協力:平田友希(看護師・ライター)

 

ロイの適応モデルとは

ロイの適応モデルとは、「人は環境からの刺激に対して適応し続ける生き物である」という考え方をベースに、看護理論家カリスタ・ロイが開発した看護理論です。

 

ロイは小児科の看護師として働く中で、子どもが病気に柔軟に適応しながら回復していく様子を見て人間の「適応力」に気づきました。そして、その適応を促進するために看護が必要だと唱えます。

 

ロイの看護理論の核心は、患者さんが刺激に対して「適応できているか・適応できていないか」を見極めることにあります。その判断材料となるのが、患者さんの「行動」です。

 

「行動」とは、バイタルサインや表情、感じている不安や痛みといった患者さんの状態・反応を意味します。

 

これらの行動を4つの適応様式に分類して観察することで、患者さんの状態を多角的に把握するのがロイの理論の特徴です。

 

【一覧表】ロイの4つの適応様式と収集項目例

4つの適応様式は、以下の通りです。

 

  • 生理的様式:身体的な変化や反応(バイタルサイン、栄養状態、睡眠、痛みなど)
  • 自己概念様式:自分自身に対するイメージや感情(不安、自己否定、病気の受け止め方など)
  • 役割機能様式:家庭や社会での役割の変化(「母親として家族の世話ができない」など)
  • 相互依存様式:他者との関係性(家族や医療者からのサポートの受け取り方など)

 

まず、アセスメントの枠組みである4つの適応様式それぞれで、どのような情報を集めるべきか、具体的な収集項目を確認してみましょう。

 

1生理的様式の要素

身体の構造や機能が、環境(刺激)にどう反応しているかを評価します。

 

構成要素 収集項目
酸素化 ・呼吸数・呼吸音・呼吸機能
・酸素飽和度(SpO2
・呼吸困難の有無
・咳や痰の有無と性質(湿性/乾性など)
・血圧、脈拍
・皮膚の色(チアノーゼの有無)
・検査データ(RBC・Hb・Htなど)
栄養 ・食事摂取量・食事形態
・嚥下機能
・栄養状態(体重・BMI・TP・Albなどの血液データ)
・嗜好
・食事摂取の動作やセルフケアの状況
排泄 ・排便・排尿の回数、性状
・排泄方法(自立・一部介助・全介助)
・失禁・尿閉の有無
・下剤・排尿補助薬の使用状況
・排泄に関するセルフケア能力
活動と休息 ・ADL(歩行・移乗・体位変換)の自立度
・安静度
・麻痺・骨折の有無
・睡眠時間・睡眠の質
・睡眠薬の服用状況
・日中の眠気、疲労感
防衛 ・体温
・感染徴候
・創部の状態
・褥瘡や傷の有無
・検査データ(WBC・CRPなど)
感覚 ・疼痛の有無・程度
・不快感
・視覚・聴覚などの変化
・感覚鈍麻の有無
水・電解質・酸塩基平衡 ・脱水徴候
・浮腫
・電解質や酸塩基平衡に関する検査データ
・インアウトバランス
神経機能 ・意識レベル(JCS・GCS)
・認知機能の変化
・見当識(時間・場所・人物)
・けいれんの既往
内分泌機能 ・血糖値
・ホルモンバランス

 

2自己概念様式

精神的・心理的な側面であり、自分自身をどう捉えているかを評価します。

 

構成要素 収集項目
身体的自己 ・病気や手術によるボディイメージの変化
・身体的変化への受け止め方
人格的(個人的)自己 ・病気・治療・予後への受け止め方
・「こうありたい」という価値観・信念からの逸脱
・精神的な支えの有無

 

3役割機能様式

社会や集団(家族、職場など)における自分の役割をどう果たしているかを評価します。

 

構成要素 収集項目
一次的役割 ・年齢・性別・発達段階に応じた基本的な役割
二次的役割 ・父親・母親・会社員・学生などの社会的役割
・役割への意識
三次的役割 ・「患者」としての役割の受け入れ
・入院生活への適応状況
・そのほか一時的で自由に選択できる役割

 

4相互依存様式

他者との関係性やサポート体制について評価する様式です。

 

構成要素 収集項目
相互依存様式 ・キーパーソンや家族との関係
・医療者・看護師への信頼感
・サポートの有無
・孤立感や依存傾向の有無

 

【ロイの看護理論】看護過程はここがポイント

ロイの看護理論(適応モデル)を使った看護過程では、2つのポイントを押さえておきましょう。

 

  1. 1看護師は人が受ける「刺激」を操作する
  2. 24つの適応様式で患者さんを理解する

 

 

1看護師は人が受けている「刺激」を操作する

ロイは、以下の3つの「刺激(環境)」が人に影響を与えて、問題を引き起こすとしています。

 

種類 特徴
焦点刺激 患者さんが直面している最大の原因。本人がもっとも強く意識している事象 術後の創部痛、突然の病状悪化
関連刺激 焦点刺激への反応を強めたり弱めたりする自分の思いや周囲の環境 「動くと傷が開くかも」という不安、家族のサポートの有無
残存刺激 過去の経験・価値観・信念など、目には見えないが、影響している「可能性」がある隠れた要因 過去の手術でのつらかった記憶、もともとの性格、医療不信

 

看護師は、患者さんを取り巻くこれら3つの刺激を除去、増減、変化など操作することで、目的に向かって患者さんが「適応」していけるようにサポートします。

 

 

24つの適応様式で患者さんを理解する

ロイの看護過程では、患者さんの「行動(状態や反応)」を4つの適応様式(生理的様式・自己概念様式・役割機能様式・相互依存様式)で理解します。

 

具体的には、刺激に対する患者さんの「対処のプロセス」を観察します。対処のプロセスは、調節器サブシステムと認知器サブシステムの2種類です。

 

  • 調節器サブシステム:身体にもともと備わっている生理的な反応
    (例:免疫機能により、白血球増加や発熱反応)
  • 認知器サブシステム:学習や経験によって得た心理的な反応や行動
    (例:「のどが痛い。風邪ひいたかも。今日は早めに寝よう」)

 

このような身体の内部で起きていることを的確に把握するために、4つの適応様式という枠組みを用いて、患者さんの情報を分類します。

 

ロイの看護過程におけるアセスメントの流れ

ロイの看護理論を用いた看護過程におけるアセスメントは、3つのステップで行います。全体の流れを確かめておきましょう。

 

ステップ1.4つの様式に沿って情報を集め、分類する

まずは、「生理的様式」「自己概念様式」「役割機能様式」「相互依存様式」という4つの適応様式を意識して患者さんの情報を集め、分類します

 

  • 「術後の強い創部痛がある」
    生理的様式(感覚)
  • 「自分はもう元通りに動けないかもと思う」
    自己概念様式
  • 「子どもの世話ができなくて申し訳ない」
    役割機能様式
  • キーパーソンは夫
    相互依存様式

 

情報を整理してみると、情報量が足りていない様式がはっきりするため、次回の情報収集で何を調べるべきかがわかるようになります。

 

とくに自己概念様式・役割機能様式・相互依存様式は、患者さんから自発的に話してくれないことも多いため、意識的に聞き出すことが大切です。

 

 

ステップ2.分類した情報を解釈・分析する

4つの適応様式に分類ができたら、情報を分析していきます。ロイの看護理論で意識したいのは次の3点です。

 

  • 適応できているか、適応できていないか(行動のアセスメント)
  • 適応できていない原因は何か(刺激のアセスメント)
  • ほかの適応様式に影響していないか

 

適応できているか、適応できていないかは、基準値や入院前との比較、患者さんの受け止め方などを参考に判断します。

 

【例】「自己概念様式」について

 

  • 適応できてる?できてない?
    →「手術で胸がなくなって、自分が自分じゃないみたい」という発言や、創部を直視できない様子から、ボディイメージの変化に適応できていない(非効果的行動)と判断する
  • 適応できてない原因は?
    →手術による身体の変化(焦点刺激)に加え、「傷を見るのが怖い」という恐怖心(関連刺激)が影響していると考えられる
  • ほかの様式への影響は?
    →「こんな体では夫に申し訳ない」という発言もあり、役割機能様式(妻としての役割意識)にも影響が及んでいる可能性がある

 

 

ステップ3.看護問題を整理する

アセスメントをもとに、以下の流れで看護問題をまとめましょう。

 

  1. 1現在どのような問題があるか
  2. 2今後どのようなリスクがあるか
  3. 3どのような看護が必要か

 

【例】

  1. 現在、〇〇という問題がある。
  2. 今後、〇〇や〇〇という恐れがある。
  3. 〇〇介助や〇〇の提案が有効である。

 

複数の課題が出てきた場合は、生命や体の回復に関わるものを優先しながら順位をつけます。

 

ロイの看護理論を用いた情報の解釈・分析【3ステップ】

次に、ロイの看護理論を活用したアセスメントのコツをみていきましょう。

 

ステップ1.適応できている・適応できていないを判断しよう【行動のアセスメント】

4つの適応様式に分類して集めたS情報(主観的データ)とO情報(客観的データ)を見て、患者さんの状態・反応が、

 

  • 適応行動(適応できている:現時点で適切・正常な状態である)
  • 非効果的行動(適応できていない:現時点で適切ではない・正常から逸脱した状態である)

 

のどちらなのかを判断します。これをロイでは「行動のアセスメントと呼びます。

 

行動のアセスメント:適応行動の例

事例胃がんの手術を受けた患者さん(術後2日目)

生理的様式:感覚
<情報>
S1:「痛み止めを飲んだら少し楽になりました」
O1:疼痛スケール3/10(鎮痛剤服用後2時間)
O2:体動時に軽度の表情変化あり
<行動のアセスメント>
術後2日目で鎮痛剤が効いている。動作の際に顔をしかめることもあるが、疼痛スケールが3/10までコントロールされているため順調な経過であり、生理的様式の感覚領域においては「適応反応」と評価できる。

 

行動のアセスメント:非効果的行動の例

事例大腸がんの手術で「人工肛門(ストーマ)」を造設した患者さん(術後5日目)

自己概念様式
<情報>
S1:「こんなお腹になってしまって、もう以前のような生活には戻れない」
S2:「ストーマの袋を見るのがまだ怖いです。自分では触りたくありません」
O1:看護師がストーマケア(装具交換)を行う際、患者は顔を背け、ストーマを見ようとしない(看護記録より)
O2:術後は「お腹が気になって歩きたくない」と離床に消極的である
<行動のアセスメント>
S1のような悲観的な言動や、S2、O1、O2のようなストーマへの回避行動がみられる状態は、精神的な安定が保たれていない状況と考えられる。今後のセルフケア確立や社会復帰を阻害するリスクがあるため、自己概念様式においては「非効果的行動」であると判断する。

 

 

ステップ2.適応できていない原因を分析しよう【刺激のアセスメント】

行動のアセスメントで明らかになった「非効果的行動(適応できていない状態・反応)」に焦点をあてて、その原因となっている「刺激(原因)」を探るのが「刺激のアセスメントです。

 

刺激のアセスメント

【記録例:「人工肛門(ストーマ)」を造設した患者さん】

手術によるストーマ造設という身体的変化(焦点刺激)に加え、ストーマケアへの知識・技術が未習得であること(関連刺激)が、ボディイメージの変化を受け入れられない状態を強めていると考えられる。手術前の身体への価値観や他者の目に対する意識が影響している可能性がある(残存刺激)が、現時点では情報が得られていないため、今後の関わりの中で確認していく必要がある。

 

 

ステップ3.適応様式同士のつながりを意識しよう

ロイの4つの様式は独立しているわけではなく、1つの様式で明らかになった非効果的行動が、別の様式にも影響を及ぼすことがあります。

 

脳梗塞による「麻痺」が心と社会性を崩していくケース。生理的様式(活動と休息):脳梗塞の後遺症で右半身に麻痺が残り、1人で歩けなくなる。自己概念様式の身体的自己:動かない自分の体を見て、「情けない、こんなの自分じゃない」とショックを受け、ふさぎ込んでしまう。役割機能様式:これまでは一家の大黒柱として働いていたが、「もう仕事に戻れない、家族を養えない」と自分の存在意義を見失う。

 

このように複数の様式を関連づけながらアセスメントすることで、より深い分析になります。

 

ロイの4様式別|実習記録の書き方と記録例

ここからは、4つの様式ごとにS・O情報と、解釈・分析(A:アセスメント)の例を解説します。具体的なエピソードの部分を、実際の受け持ち患者さんの情報に書き換えて活用してください。

 

アセスメントの型(テンプレート)が見たい方は、こちらをご覧ください。

 

生理的様式の記録例

主な収集項目

 

  • 酸素化(呼吸状態、SpO₂、呼吸困難の有無)
  • 栄養(食事摂取量、体重、嚥下の状態)
  • 排泄(排尿・排便の回数・量・性状)
  • 活動と休息(ADL、安静度、睡眠時間・質)
  • 防衛(体温、感染徴候、創部の状態)
  • 感覚(疼痛の有無・程度、視覚・聴覚の変化)…など

 

【例1:術後疼痛による活動制限】

生理的様式(感覚:疼痛に関して)

<主観的情報(S)>
S1「動くたびに傷が痛い」
S2「体を起こすのが怖い」
S3「痛みがなければ動けそうなのに」
 

<客観的情報(O)>
O1:術後2日目
O2:疼痛(スケール7/10の創部痛あり、安静時は4/10)
O3:体動時に表情が苦悶様となる
O4:処方された鎮痛薬は6時間ごとに使用中
 

<解釈・分析(A)>
S1・S2の発言やO3の様子から体動を回避する行動がみられることから、生理的様式(感覚)において適応できていない状態(非効果的行動)であると考えられる。

 

原因として、術後の創部痛(焦点刺激)があり、S2の発言から痛みへの恐怖(関連刺激)が活動制限を強めていると考えられる。

 

一方、S3の発言から離床への意欲はあり、疼痛コントロールが図れれば活動拡大につながる強みがあると考えられる。

 

このまま体動を回避する状態が持続すると、離床の遅れによる回復の遅延が予想される。

 

したがって、疼痛コントロールの改善と、安全に動ける方法の指導が必要である。

 

【例2:心不全患者の呼吸困難】

生理的様式(酸素化:呼吸に関して)

<主観的情報(S)>
S1「横になると息が苦しくて、夜あまり眠れません」
S2「トイレに歩くだけで息が切れます」
S3「どうやったら苦しくならないのかな‥」
 

<客観的情報(O)>
O1:慢性心不全の増悪で入院、入院3日目
O2:SpO₂ 93%(room air)、労作時89%まで低下
O3:夜間はセミファーラー位で入眠している
O4:両下肢に浮腫(+)、体重が入院時から1kg増加
 

<解釈・分析(A)>
S1・S2の発言やO2の数値より、労作時の呼吸困難と夜間の起座呼吸傾向がみられている。このことから、生理的様式(酸素化)において適応できていない状態(非効果的行動)であると考えられる。

 

原因として、心不全の増悪による心機能の低下(焦点刺激)があり、体液貯留の進行、および安楽な体位の工夫や酸素消費を抑えた日常生活動作についての理解不足(関連刺激)が影響していると推測される。

 

一方、S3の発言から呼吸困難への対処方法を知りたいという思いが伺え、セルフケア獲得につながる強みと考えられる。

 

このまま呼吸困難の状態が持続すると、睡眠の質の低下や活動量の減少による体力低下が予想される。

 

したがって、安楽な体位の工夫と、酸素消費を抑えた日常生活動作の方法の指導が必要である。

自己概念様式の記録例

主な収集項目

 

  • 身体感覚・ボディイメージ
  • 自分へのイメージや評価、理想

 

【テーマ例:乳房切除術術後の自己イメージの変化】

自己概念様式

<主観的情報(S)>
S1「手術して胸がなくなって、自分が自分じゃないみたい」
S2「傷を見るのがまだ怖くて」
 

<客観的情報(O)>
O1:術後2日目。創部の確認を促すと視線をそらす場面あり
O2:リハビリ後に「情けない」と発言。表情は暗く、ため息が多い
 

<解釈・分析(A)>
S1・S2の発言やO1の様子から、自己概念様式(身体的自己)において適応できていない状態(非効果的行動)であると考えられる。

 

原因として、乳房切除術による身体変化(焦点刺激)があり、術前の自分とのギャップに対する否定的な感情(関連刺激)が影響していると考えられる。

 

このままボディイメージの変化を受け入れられない状態が持続すると、退院後のセルフケア確立や社会復帰の遅れにつながる可能性がある。

 

したがって、回復の経過についての情報提供と、現在の状態を少しずつ受け入れられるよう支えるかかわりが必要である。

役割機能様式の記録例

主な収集項目

  • 年齢や性別に応じた基本的な役割
  • 家庭内や社会的役割
  • 患者としての自分の受け入れ方

 

【テーマ例:家族内役割への不安】

役割機能様式

<主観的情報(S)>
S1「子どもの世話ができなくて申し訳ない」
S2「早く退院しないと夫に負担をかけてしまう」
 

<客観的情報(O)>
O1:40代女性、小学生の子ども2人の母親
O2:夫は仕事をしながら育児を担っている
O3:面会時、夫から「子どもも心配している」との発言あり(看護記録より)
O4:面会後、A氏の表情が暗くなる場面がみられた(看護記録より)
 

<解釈・分析(A)>
S1・S2の発言やO2の様子から、役割機能様式において適応できていない状態(非効果的行動)であると考えられる。

 

原因として、入院によって母親・妻としての役割を十分に果たせない状況(焦点刺激)があり、家族への申し訳なさ(関連刺激)が精神的な負担を強めていると考えられる。

 

一方、S2の発言からは早期の回復を望んでいることが伺え、退院後の役割再開に向けた前向きさは強みである。

 

ただし、このまま焦りが続くと、治療への集中が妨げられる可能性がある。

 

したがって、家族との役割分担の再調整と、本人・家族双方への継続的な心理的サポートが必要である。

相互依存様式の記録例

主な収集項目

 

  • キーパーソンや家族との関係
  • 医療者、看護師への信頼感
  • サポート、孤立感の有無

 

【テーマ例:他者からのサポートを受け入れられない状況】

相互依存様式

<主観的情報(S)>
S1「迷惑をかけたくないから、なるべく自分でやりたい」
S2「ナースコールを押すのをためらってしまう」
S3「夜中にトイレに行きたかったけど我慢してしまいました」
 

<客観的情報(O)>
O1:夜間のナースコール使用なし
O2:尿意を我慢したため夜間の睡眠が浅かった様子
O3:日中も「大丈夫です」と援助を断る場面あり
O4:日中の検温時には、学生に自ら体調を話す様子あり
 

<解釈・分析(A)>
S1〜S3の発言やO1〜O3の様子から、看護師からの援助に対して遠慮の気持ちがあり、相互依存様式において適応できていない状態(非効果的行動)であると考えられる。

 

原因として、援助を必要とする入院という状況(焦点刺激)があり、「迷惑をかけたくない」という価値観(残存刺激)が影響していると考えられる。

 

一方、O3のとおり学生には自ら体調を話す様子があり、関係構築の土台はあると考えられる。

 

このまま看護師からの援助を遠慮する状態が持続すると、排泄の我慢や睡眠不足など生理的様式への影響の拡大が予想される。

 

したがって、援助を求めることへの心理的ハードルを下げるかかわりと、援助を求めることは安全に療養するために必要な行動であることを繰り返し伝えていくことが必要である。

 

アセスメントのテンプレート

アセスメントの書き方に悩んでいる方は、テンプレートを活用してみましょう。

アセスメントのテンプレート。ロイVer.。1. 状態の判断:S情報・O情報がみられることから、適応様式名において適応できていない状態(非効果的行動)であると考えられる。2. 原因の分析(非効果的行動の場合のみ):原因として、今、直面している主な原因(焦点刺激)があり、行動に影響している周囲の要因(関連刺激)が影響していると考えられる。※看護師が操作(除去・増減)できる刺激を含めて書こう!3. 強み(ある場合のみ):一方で、患者さんの言動・状態という強みがある。4. 今後の見通し:このまま非効果的行動の状態の状態が持続すると予測されるリスクや課題が予想される。5. 必要な援助:したがって、必要な看護介入が必要である。※2で挙げた刺激を「操作(除去・増減)できるケア」を書こう!

【例】「生理的様式(活動と休息)」の場合

1.術後の筋力低下によりふらつきがみられることから、生理的様式の活動と休息において適応できていない状態(非効果的行動)と考えられる。


2.原因として、手術による長期の安静期間(焦点刺激)があり、下肢筋力の低下(関連刺激)が影響していると考えられる。


3.一方、「転ばないように気をつけなきゃ」という発言があり、危険への認識は十分にある。


4.このまま筋力低下の状態が持続すると、転倒による骨折や入院の長期化が予想される。


5.したがって、段階的なリハビリや安全な離床機会を確保することで筋力回復を図っていく必要がある。

 

テンプレートの文言は、無理にそのまま使用する必要はありません。情報に合わせて調整しましょう。

 

「②原因の分析」は非効果的行動と判断した場合のみ記入します。また、「③強み」が見つからない場合は、無理に書く必要はありません。

 

なお、「②原因の分析」には、看護師が操作(除去・増減)できる「刺激」を必ず含めることを意識してみましょう。

 

情報が足りない部分は、「〜について情報を収集する必要がある」と書いておくと、不足に気づいた記録として活用できます。

 

ゴードン、ヘンダーソンを使ったアセスメントの書き方にも悩んでいる方は、以下の記事を参考にしてみてください。

 

 

監修

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科 講師長島俊輔

2010年 京都大学 卒、2010~2013年 京都大学医学部附属病院(看護師)、2018年 京都大学大学院医学研究科博士課程 修了、2018年 京都大学大学医学研究科 助教、2019~2022年 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部助教、2022年 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 講師(現職)。著書に『系統看護学講座 専門分野 基礎看護学[4] 臨床看護総論 』『よくわかる 看護研究の進め方・まとめ方 第3版』。

 

編集:北井寛人(看護roo! 編集部)

デザイン:原田 誠一朗

 

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