【看護実習で学んだこと】例文10選!レポートの書き方を領域別に解説

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「看護実習で学んだことって何を書けばいいの…?」


レポートを書こうと思っても、書き方が分からず、悩んでいる看護学生さんは多いのではないでしょうか?


この記事では、序論の書き出しパターンから領域別の例文、NG表現とその改善例まで、実習レポートのコツを紹介します。

 

 

執筆協力:榎本なつみ(看護師・ライター)

看護実習「学んだことレポート」の書き方の基本

レポートを書く看護学生のイメージ画像

看護実習の「学んだことレポート」とは、実習を通して気づいたこと・考えたことを自分の言葉で整理・記録するためのレポートのことです。「実習レポート」「学びレポート」「振り返りレポート」などと呼ばれることもあります。

 

実習で何を学んだかを考え、言葉にすることで、論理的な思考力や伝える力が養われます
まずはレポートの基本を押さえて、書き方のポイントをつかんでみましょう。

 

「感想文」にならないためのポイント

レポートでもっとも多い失敗が、ただの「感想文」になってしまうことです。

 

感想文とレポートの違いは、「〇〇と感じた」で終わるか、「なぜそう感じたのか・何を学んだのか・次にどう生かすのか」まで深掘りできているかにあります。

 

経験や感情だけでなく、あなたの考えや学びを伝える意識で書いてみましょう。

 

【NG例】

患者とのコミュニケーションが難しいと感じた。でも最後には笑顔を見せてくれて、嬉しかった。

「難しかった」「嬉しかった」という素直な気持ちは伝わりますが、「そこから何を学んだの?」という部分が見えにくいのがわかります。次のように、感情を「学びへの入り口」として使い、そこから考察につなげていきましょう。

 

【改善例】

患者との関わりを通して、一方的な声かけではなく相手のペースに合わせたコミュニケーションの重要性を学んだ。初日は緊張から言葉が続かなかったが、患者の表情や仕草を観察しながら関わるようにしたところ、徐々に会話が生まれるようになった。この経験から、信頼関係を築くためには相手の反応を丁寧に読み取る姿勢が大切だと実感した。

 

序論・本論・結論の役割と文字数の目安

レポートは「序論・本論・結論」の3部構成で書くのが基本です。

 

A4用紙1枚で提出する場合、文字数は1000字程度が目安となります。1000字のレポートの構成は、以下を参考にしてみてください。

 

  • 序論(100~200文字)
    実習目標や選んだテーマ、なぜそのテーマを選んだかを簡潔に示す
  • 本論(600~800文字)
    具体的なエピソードや実践した看護、それらの経験から考えたことと根拠を書く
  • 結論(100~200文字)
    学びの総括をし、今後の課題やどう活かすかで締める

 

テーマが決まらないときの切り口

「書きたいことがまとまらない」「レポートのテーマが全然思い浮かばない…」と詰まってしまったときは、以下の3つの切り口から考えてみましょう。

 

  1. 1実習目標をもう一度見直す
    シラバスや実習要項にある「実習目標」をチェックしてみましょう。「この目標に対して、自分は実習でどんな経験をしただろう?」と考えてみると、テーマが絞りやすくなります。
  2. 2とくに印象に残った場面を思い出す
    患者さんとの関わりの中で、心に残っているのはどんな場面だったかを振り返ってみましょう。そのときの自分を思い出して「何を感じて、何を考えたか」を掘り下げていくと、自然とテーマが見えてきます。
  3. 3指導者さんや先輩看護師からのアドバイスを振り返る
    実習中に言われたアドバイスが、大きなヒントになることもあります。「なぜあのアドバイスを受けたんだろう?」と考えることで、自分の課題やテーマがぴったり重なってくるはずです。

 

文献の引用・参考ルール

レポートに文献を入れると、自分の考えに客観的な根拠がプラスされて説得力が増します。文献を使うときの基本的なルールはしっかり押さえておきましょう。

 

文中での書き方とルール

【文中の例】

信頼関係の構築には、患者の話にを傾ける傾聴の姿勢が重要とされている1)。なぜなら、「傾聴することは、単なる言語的コミュニケーションの手段ではなく、人に共感し、人を受容するための最初のステップであり、信頼関係を築いていくための重要な行為である」2)からだ。このことから、私がA氏との関わりの中でまず意識すべきは、こちらから話しかけることよりも、A氏のペースに合わせて話を聞く姿勢を持つことであったと考える。

文献を引用または参考にした箇所には、通し番号で注釈をつけましょう。

原文のまま引用する場合はかぎかっこ(「」)で該当部分をくくります。文献を参考に自分の言葉で要約した場合は、かぎかっこは不要です。

 

文末での書き方とルール

【文末の参考文献一覧の例】

 

書籍の場合

1)新村洋子 編著.根拠がわかる疾患別看護過程 改訂第3版.南江堂,2021,p10.

 

インターネットの場合

2)堤かおり."マージョリー・ゴードンの看護理論:機能的健康パターンによる看護診断".看護roo!.2024年5月29日更新.https://www.kango-roo.com/learning/9614/,(参照2026年6月10日).

 

論文の場合

3)小沢久美子, 久保宣子, 下川原久子, ほか.基礎看護学実習における看護学生のコミュニケーションスキルと対人不安に関する研究.八戸学院大学紀要.2019,59,p1-12.

 

参考文献は注釈に対応する通し番号を付けて、文末に一覧でまとめます

 

書籍の場合は「著者名、書名、出版者、出版年、ページ数」を、論文は「著者名、論文名、誌名、出版年、巻数、号数、ページ数」を記載します。

 

インターネットの場合は「著者名、Webページのタイトル、サイト名、更新日付、URL、参照年月日」まで記載しましょう。

 

【テーマ別】書き出しパターン5選

レポートを書く看護学生のイメージ画像

いざレポートを書き始めようとすると、最初の1文目で手が止まってしまうことがありますよね。 逆に書き出すことさえできれば、そこからは手が進むという方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは、よくある書き出し例をテーマ別に5パターン紹介します。「〇〇」の部分を自分の実習領域(基礎、老年、小児など)に置き換えて活用してください。
 

この書き出しのあとに、実習での気づきや経験した具体例を続けると、すんなり書き始めることができます

  1. 1コミュニケーション
    〇〇看護学実習では、患者との信頼関係を築くうえでのコミュニケーションの重要性を学んだ。特に、こちらから積極的に関わるだけでは十分ではなく、相手の反応や気持ちに合わせて関わり方を調整する必要があると気づいた。
  2. 2患者さんの個別性
    〇〇看護学実習を通して、患者一人ひとりの価値観や生活背景を尊重した看護の大切さを学んだ。実際に関わる中で、同じ疾患であっても求められる関わり方が異なることに気づいた。
  3. 3多職種連携
    〇〇看護学実習では、多職種が連携して患者を支えることの重要性を学んだ。カンファレンスでは、それぞれの専門職が異なる視点から情報を共有しており、看護師だけでは気づけない課題が明らかになる場面があった。
  4. 4家族へのサポート
    〇〇看護学実習を通して、患者だけでなく家族も看護の対象であることを学んだ。面会時のご家族の不安な様子から、家族への関わりが患者の安心にもつながると感じた。
  5. 5地域看護
    〇〇看護学実習を通して、利用者が住み慣れた環境で生活を続けるための支援の重要性を学んだ。実際の訪問では、医療だけでなく生活全体を見て関わる必要があると感じた。

 

【領域別】看護実習で学んだことのレポート例文10選

ここからは領域別に、「序論・本論・結論」が揃った例文を紹介します。 

 

具体的なエピソードの部分を、あなたの実際の経験に書き換えて使ってみてください

 

学校から参考文献を入れるよう指示がある場合は、例文内に記載している「1)」「2)」 の箇所を参考に、自分のレポートにも文献の裏付けを入れてみましょう。

 

基礎看護学実習

テーマ①:コミュニケーションを通じた信頼関係の構築

【序論】 

基礎看護学実習では、「患者とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築く」という目標を掲げて臨んだ。入院生活を送る患者にとって、看護師との信頼関係は安心して療養を続けるうえで欠かせない基盤となる1)。今回の実習では、受け持ち患者との関わりを通して、相手の状況や感情に応じたコミュニケーションのあり方について深く考える機会を得た。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は70代の女性であった。入院当初は会話が続かず、目を合わせてもらえない場面が続いた。「なぜ自分とは話してもらえないのだろう」と悩む日々が続き、どのように関われば良いかわからず戸惑いを感じていた。

 

看護師の関わりを観察すると、A氏は検温や検査説明の際には穏やかに応じていることに気づいた。私との違いは「慣れ」と「目的の明確さ」にあると考え、毎朝決まった時間に体調確認という明確な目的を持って声かけするよう関わり方を変えた。A氏は最初こそ短い返答のみであったが、毎日同じ時間に顔を見せることで、少しずつ表情がやわらいでいくのを感じた。

 

ある日、いつものように体調確認を終えて退室しようとしたとき、A氏が窓の外を見ながら「今日は天気がいいね」とつぶやいた。「本当ですね、気持ちいい青空ですね」と返すと、A氏は少し間を置いてから「昔はよくこの時間に散歩してたの」と話してくださった。こちらから話題を作ろうとしていたときには引き出せなかった会話が、A氏のペースに合わせてそこにいることで自然に生まれた瞬間だった。その後、体調確認の度にA氏は、家族のことや入院生活で感じていることを少しずつ話してくれるようになった。

 

この経験から、信頼関係を築くには「自分がどう接するか」だけでなく、「相手がどのように感じているか」を常に考える視点が大切だと気づいた。また、関係性は短期間では生まれず、毎日の小さな積み重ねによって少しずつ形成されるものだと実感した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、患者との信頼関係は一方的な働きかけではなく、相手の反応を丁寧に読み取り、その人に合ったコミュニケーション方法を選ぶことで築かれる2)ものだと学んだ。今後の実習では、患者の言葉だけでなく表情や仕草にも注目しながら、相手の気持ちに寄り添った関わりができるよう努めるとともに、コミュニケーションに関する知識をさらに深めていきたい。

 

テーマ②:患者さんの安全・安楽を考えた看護技術の実践

【序論】 

基礎看護学実習では、「患者の安全と安楽を考慮した看護技術を実践する」という目標のもと取り組んだ。看護技術は正確な手順の習得が求められる一方で、目の前の患者の状態に合わせた応用も必要1)である。今回の実習では、教科書で学んだ技術を実際の患者に提供する中で、個別性に応じた実践の重要性を具体的な場面から学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は60代の男性で、腰痛があり自力での体位変換が難しい状態であった。清拭を実施する際、学内演習で習得した手順通りに行おうとしたところ、A氏から「そこは痛いから触らないでほしい」と言われる場面があった。

 

この言葉を受けて、事前にA氏の疼痛部位や体位の好みを確認することなく技術を実施しようとしていたことに気づいた。患者の状態を把握しないままケアに入ることが、いかに安楽を損なうリスクにつながるかを実感した瞬間であった。翌日からは、ケアの前に必ず「今日の痛みの具合はいかがですか」と声をかけ、その日の状態に合わせてケアの順序や方法を調整するようにした。

 

調整を続けるうちにA氏からは「昨日より楽だった」という言葉をいただいた。この一言が、ケア前のアセスメントがいかに重要かを実感させてくれた瞬間であった。さらに翌日には、A氏の方から「今日は右側から始めてほしい」と自ら希望を伝えてくれるようになった。患者が意思を表出しやすい関わりを積み重ねることが、安楽なケアの実現だけでなく、患者との信頼関係の構築にもつながると理解した。

 

看護技術は手順を正確に守ることだけでなく、目の前の患者の状態や訴えに耳を傾けながら、必要に応じて柔軟に応用する力が求められると気づいた。「教科書通り」と「目の前の患者に合わせること」は、両立して初めて意味を持つのだと実感した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、安全で安楽なケアを提供するためには、看護技術の習得だけでなく患者の個別性を踏まえたアセスメントが欠かせないことを学んだ。今後は技術の向上とともに、ケア前に患者の状態を丁寧に確認する習慣を身につけ、一人ひとりに合った看護が提供できる看護師を目指していきたい。

 

成人看護学実習

テーマ①:術後患者さんの回復を促す看護

【序論】 

成人看護学実習(急性期)では、「術後患者の回復過程を理解し、早期回復を促す看護を学ぶ」という目標のもと取り組んだ。手術は患者にとって大きな身体的侵襲であり、術後の回復を促すためには適切な看護介入が求められる1)。今回の実習では、術後患者との関わりを通して、急性期看護における判断と実践を学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は50代の男性で、大腸癌の手術後2日目であった。疼痛が強く「動くのが怖い」と、離床を拒否する場面が続いた。早期離床が術後の回復に重要であることは理解していたが、A氏の痛みを前にして、どのように声をかければ良いか迷いを感じていた。

 

看護師の関わりを観察すると、離床を促す前に必ず疼痛の程度を確認し、鎮痛薬の効果が出てきたタイミングを見計らって声かけを行っていた。「痛みがある状態で無理に動かすことは、患者の意欲を損なうだけでなく、回復の妨げにもなる」という指導者の言葉が印象に残った。疼痛コントロールを優先することが、早期離床を成功させるための前提条件になると理解した。

 

私もA氏の疼痛を確認したうえで、「痛みが落ち着いている今のうちに、少しだけ座ってみませんか」と声をかけ、端坐位から段階的に離床を進めた。A氏は最初こそ表情が硬かったが、ベッドサイドに座れたことに安堵し、「少し楽になった気がします」と話してくれた。「動けた」という成功体験が、次の離床への意欲につながっていくのを感じた。

 

この経験から、術後の早期離床では疼痛管理と患者の意欲を引き出す声かけを組み合わせることが大切だと気づいた。一方的に離床を促すのではなく、患者の状態とタイミングに合わせて段階的に進めることが、患者の自発的な意欲につながると理解した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、急性期看護では患者の状態を正確にアセスメントしながら、回復を促すための適切なタイミングと方法を判断することが重要だと学んだ。今後は術後の生理的変化についての知識を深め、根拠に基づいた看護を実践できるよう努めていきたい。

 

テーマ②:セルフケア能力を高めるための患者さん教育

【序論】 

成人看護学実習(慢性期)では、「慢性疾患を持つ患者のセルフケア能力を高める支援を学ぶ」という目標のもと取り組んだ。慢性疾患では、退院後も長期にわたって自己管理を続けることが求められる。今回の実習では、患者が継続的にセルフケアに取り組めるよう支援することの意味を、受け持ち患者との関わりから学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は60代の女性で、2型糖尿病の血糖コントロール目的で入院中であった。食事制限について理解はしているものの、「わかっていても実行できない」と話していた。知識があっても行動に移せない背景には何があるのかを考えることが、関わりの出発点となった。

 

最初は「摂取カロリーを守ることが大切です」と説明したが、A氏の表情は曇ったままだった。一方的な指導では患者の行動変容につながらないと感じ、まずA氏の日常生活を丁寧に聞き取ることにした。話を聞くと、夕食後の間食が習慣になっており、「食べることが一日の楽しみ」と語っていた。

 

私はA氏の楽しみを否定するのではなく、「どの場面で食べ過ぎてしまうか」「何なら減らしやすいか」を一緒に考えるようにした。一律に制限を押しつけるのではなく、A氏の生活に合わせた現実的な方法を提案したことで、「これならできそうです」という言葉が出てきた。

 

患者教育は「正しい知識を伝えること」だけでなく、患者の生活背景や価値観を踏まえた個別的な支援こそがセルフケア行動の継続につながる1)ことを、この経験から気づいた。また、患者が「できる」と感じられる小さな目標の設定が、意欲の維持にとって重要である2)と理解した。知識の提供より、その人が実際に動き出せる環境を一緒につくることが、慢性期看護の本質だと実感した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、慢性疾患の患者支援では患者の生活全体を把握したうえで、その人に合ったセルフケア支援を行うことが重要だと学んだ。今後も患者の意欲や生活背景を大切にしながら、長期的な療養生活を支える関わりができるよう学びを深めていきたい。

 

老年看護学実習

テーマ①:高齢者の残存機能を生かした援助

【序論】 

老年看護学実習では、「高齢者の残存機能を生かし、自立を促す看護を学ぶ」という目標のもと取り組んだ。高齢者の看護では、加齢による機能低下に目を向けるだけでなく、その人が今もできることを見極め、自立を支える視点が重要1)である。今回の実習では、受け持ち患者との関わりを通して、過介助にならない援助のあり方を実践的に学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は80代の男性で、脳梗塞後遺症による左片麻痺があり、ADLの一部に介助が必要な状態であった。はじめは転倒リスクを考えて積極的に介助しようとしていたが、指導者から「できることは自分でやってもらうことが大切」というアドバイスをいただき、介助の範囲を改めて見直した。

 

着替えの際、A氏は患側の袖を通す動作に時間がかかっていたが、健側の腕は十分に動かせる状態であった。そこで患側から袖を通すよう促し、必要な部分のみ介助するよう心がけた。最初は戸惑いを見せていたA氏であったが、「自分でできた」という経験を重ねるうちに、表情が明るくなっていくのを感じた。

 

この変化を目の当たりにして、「できないこと」に注目して全介助するのではなく、「できること」を見極めて残存機能を活かす関わりが、患者の身体機能の維持だけでなく心理的な充足感にもつながることを実感した。

 

自立支援とは作業を任せることではなく、安全を確保しながら「できた」という体験を積み重ねられるよう支えることであり、看護師が先回りして介助することはかえって患者の能力を低下させるリスクになる2)と理解した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、高齢者の自立を支援するためには残存機能を正確にアセスメントし、過介助にならない関わりが必要だと学んだ。今後は患者の能力を適切に評価しながら、自発性を引き出す声かけや援助ができるよう、老年看護に関する知識と実践力をさらに深めていきたい。

 

テーマ②:高齢者の尊厳を尊重したコミュニケーション

【序論】 

老年看護学実習において、「高齢者の尊厳を尊重し、その人らしさを支える看護を学ぶ」という目標で取り組んだ。長年の経験を持つ高齢者に対して、その人のこれまでの人生や価値観を尊重した関わりが、尊厳を守る看護の基本1)となる。今回の実習では、認知症のある患者との関わりを通して、尊厳を支えるコミュニケーションの意味を実践から学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は90代の女性で、認知症があり同じ話を繰り返す場面が多く見られた。最初のうちは同じ質問に対してどう対応すれば良いか戸惑っており、「また同じ話だ」と感じてしまうこともあった。しかし、指導者の関わりを観察しているうちに大切なことに気づいた。

 

指導者はA氏が繰り返す過去の仕事や子どもに関する話題に対して、毎回初めて聞くかのように興味を持って耳を傾けていた。そのたびにA氏の表情が生き生きとしていくのが伝わってきた。「同じ話であっても、A氏にとってはその都度大切な記憶を語っている」という指導者の言葉が、自分の関わり方を大きく変えるきっかけとなった。

 

私もA氏の話に合わせて「それはどんなお仕事だったんですか」などと問いかけるようにしたところ、A氏は笑顔で話し続けてくれた。記憶の正確さよりも、「その人が語りたいことに寄り添うこと」が、認知症の方への関わりでは何より大切だと実感した。実習の後半には、私がそばに来るとA氏の方から話しかけてくれる場面が増え、関係が少しずつ築かれていくのを感じた。この変化を通して、認知症があっても関係性は確実に形成できるのだと気づき、関わり続けることの意味を実感した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、高齢者の尊厳を支えるためには、その人の人生経験や価値観を尊重した関わりが欠かせない2)ことを学んだ。今後は認知症を持つ患者に対しても、その人らしさを大切にしながら、丁寧に寄り添えるコミュニケーションができる看護師を目指していきたい。

 

在宅看護学実習

テーマ:在宅療養を支える看護師の役割

【序論】 

地域・在宅看護学実習では、「在宅療養を支える看護師の役割を理解する」という目標のもと、訪問看護ステーションでの実習に取り組んだ。在宅看護は病院とは異なり、利用者の生活の場に直接入るという特性がある。今回の実習では、訪問看護師の活動に同行しながら、在宅療養を支える看護師の役割を具体的に学んだ。

 

【本論】 

実習では訪問看護師と同行し、複数の利用者宅を訪問した。病院では決まった設備や物品を使って行うケアが、在宅では利用者の自宅にあるものを工夫して活用されていることに驚きを感じた。同じケアでも、その人の生活環境に合わせた方法が必要1)であることを、実際の場面から学んだ。

 

また、訪問看護師は医療的ケアの提供だけでなく、利用者の生活全体を把握しながら、医師やケアマネジャー、介護士などと情報を共有して支援を組み立てていた。カンファレンスでは「この方は今週食欲が落ちている」「ヘルパーからも同様の報告があった」といった情報が共有され、多職種が連携することでリスクの早期発見につながることを学んだ。

 

実習中に特に印象に残ったのは、独居の高齢利用者への訪問であった。利用者は「誰かが来てくれるのが楽しみ」と話し、訪問看護師が医療的ケアを超えた孤立感の解消にも大きな役割を果たしていることを実感した。在宅では、身体的なケアだけでなく、生活の中で生じる心理的・社会的なニーズにも目を向ける視点が重要だと学んだ。

 

在宅看護では、利用者が「その人らしく生活し続けること」を中心に置き、そのために必要な支援を調整する役割が看護師に求められていると実感した。病院の看護とは異なり、利用者の意思や生活スタイルを最大限に尊重しながら、その人の暮らしを支える視点が不可欠2)だと理解した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、在宅看護師は医療処置の提供者であるとともに、利用者の生活を支えるコーディネーターとしての役割を担っていることを学んだ。今後は多職種連携の視点を持ちながら、利用者の生活全体を見据えた看護を提供できるよう、地域・在宅看護に関する知識を深めていきたい。

 

精神看護学実習

テーマ:精神疾患を持つ患者さんとのコミュニケーション

【序論】 

精神看護学実習では、「精神疾患を持つ患者との適切なコミュニケーションを学ぶ」という目標のもと取り組んだ。精神科看護では、薬物療法などの医療的介入とともに、看護師と患者の関係そのものが治療的な意味を持つ1)。今回の実習では、受け持ち患者との関わりを通して、コミュニケーションの基本と意味を実践から学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は40代の男性で、統合失調症の診断を受け入院中であった。最初の関わりでは視線が合わず、短い返答のみで沈黙が続いた。どのように声をかければ良いかわからず困惑していた。「何か話しかけなければ」という焦りから、無理に話題を作ろうとしては空回りする日々が続いた。

 

指導者からは「沈黙も大切なコミュニケーションのひとつ」というアドバイスをいただいた。この言葉を受けて、無理に話題を作ろうとするのをやめ、A氏のそばにただいることを意識するようにした。毎日同じ時間に訪室し、短い会話を積み重ねていくうちに、A氏から「昨日は眠れた」「散歩に行きたい」と話しかけてくれる場面が少しずつ増えていった。

 

関係が深まるにつれて、A氏は自分の体調や気持ちを少しずつ言葉にしてくれるようになった。「話しかけてくれると少し気持ちが楽になる」という言葉をいただいたとき、看護師として「そこにいること」自体が意味を持つと実感した。

 

この変化から、精神科看護におけるコミュニケーションとは「何を話すか」ではなく、「どのように存在するか」が重要であるのだと実感した。毎日同じ時刻に訪室し、ただそばにいる時間を積み重ねることで関係の土台がつくられると、この実習を通して身をもって理解した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、精神疾患を持つ患者への関わりでは、受容・傾聴・共感を基本姿勢とし、患者のペースを尊重しながら関係を構築することが大切2)だと学んだ。今後は精神看護に関する知識をさらに深め、患者が安心して話せる環境をつくれる看護師を目指していきたい。

 

母性看護学実習

テーマ:産褥期の母親への援助と母子関係の形成支援

【序論】 

母性看護学実習では、「産褥期の母親への援助と母子関係の形成を支援する看護を学ぶ」という目標のもと取り組んだ。出産後は母体の回復と育児が同時に始まる時期であり、母親への身体的・心理的サポートが母子関係の形成にも大きく影響する1)。今回の実習では、初産婦の受け持ちを通して、産褥期の看護に求められる関わりを実践から学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は初産婦で、出産翌日から授乳に困難を抱えていた。「うまく飲んでもらえない」「自分の母乳が足りていないのではないか」と不安を訴える場面が続き、授乳のたびに表情が曇っていくのが伝わってきた。

 

助産師や看護師は授乳指導を行いながらも、A氏の不安な気持ちに寄り添い「うまくいかなくて当然です」「お母さんも赤ちゃんも今練習中ですよ」という声かけを続けていた。技術的な指導と並行して、母親の自信を育てる関わりが丁寧に行われていることに気づいた。

 

私もA氏の隣で一緒に授乳を見守り、「さっきより上手に飲めていましたよ」と具体的なフィードバックを伝えるようにした。A氏は翌日には「少し飲めてきた気がする」と表情が和らぎ、赤ちゃんを抱く姿勢にも落ち着きが感じられるようになった。また、「昨日よりうまくできた気がする」という言葉とともに、A氏が赤ちゃんに話しかける場面も増え、母子の関係が少しずつ深まっていくのを感じた。

 

この経験から、母子関係の形成には技術的な指導だけでなく、母親が「自分にできる」という感覚を積み重ねられるよう支えることが重要だと気づいた。看護師の言葉ひとつが、母親の自信を育てることにも、不安を深めることにもなり得ると実感した。産褥期の支援では、正しいケアを教えることと、母親の気持ちに寄り添うことを常に両立させる視点が求められると理解した。

 

【結論】 

今回の実習を通して、産褥期の母親への支援では身体的なケアと並行して心理的なサポートを行うことが、母子関係の形成を支えることを学んだ。今後は母親の気持ちに寄り添いながら、その人に合った授乳・育児支援ができる看護師を目指していきたい。

 

小児看護学実習

テーマ:子どもの発達段階に応じたコミュニケーションと家族支援

【序論】 

小児看護学実習では、「子どもの発達段階を理解し、子どもと家族の両方を支える看護を学ぶ」という目標のもと取り組んだ。子どもの看護では、成人とは異なる発達段階に応じたコミュニケーションが求められるとともに、家族もまた支援の対象1)となる。今回の実習では、受け持ち患児と家族との関わりを通して、小児看護の特性を実践から学んだ。

 

【本論】 

私が受け持ったA氏は5歳の男児で、肺炎による入院中であった。処置の際に泣いて嫌がることが多く、最初は「どうすれば怖くないと感じてもらえるか」がわからず戸惑いを感じていた。

 

看護師の関わりを観察すると、処置前に「これからちょっとだけ冷たいものが当たるよ」と具体的に説明し、使う物品を実際に触らせてから処置を始めていた。子どもにとっては「何が起きるかわからない」という不確かさが恐怖につながるため、事前にわかりやすく伝えることが安心感につながると指導を受けた。この関わりをヒントに、私もA氏に処置前の声かけを行うようにしたところ、以前より落ち着いて受け入れてくれる場面が増えていった。

 

処置が終わったあと、「頑張ったね」と伝えると、A氏は照れた様子を見せながらも嬉しそうにしていた。子どもの看護では、処置中の安心感だけでなく、処置後に肯定的なフィードバックを伝えることも、次回の処置への恐怖心を和らげるうえで大切だと学んだ。

 

また、A氏の母親は付き添い中に「私がいないほうが泣かないのかも」と話していた。看護師は「お母さんがそばにいることが一番の安心です」と伝え、ケアに参加してもらう場面をつくっていた。子どもの看護では家族も不安やもどかしさを抱えており、家族の存在を大切にしながら関わることが子どもの回復を支えると学んだ。

 

【結論】 

今回の実習を通して、小児看護では子どもの発達段階に応じた説明と関わりが必要であり、家族も支援の対象として捉える視点が重要2)だと学んだ。今後は子どもと家族の双方に寄り添い、安心して治療に臨める環境をつくれる看護師を目指し、小児看護の知識をさらに深めていきたい。

 

看護実習のレポートでやりがちなNG表現と改善例

ここでは、学生がとくにやりがちな3つのNGパターンを改善例とあわせて紹介します。提出前の最終確認にも役立ててみてください。

 

感情や感想で終わっている表現

感情を書くこと自体は問題ないですが、そこで終わらせてしまうと感想文のようになってしまいます。感情から「考察・学び・今後の課題」までしっかりつなげましょう

 

NG例 改善例
患者が話してくれて嬉しかった。 患者との会話を通して、相手のペースに合わせたコミュニケーションの重要性を学んだ。
処置がうまくできなくて悔しかった。 処置がうまくいかなかった経験から、事前の準備と患者への声かけの重要性を実感した。
担当看護師の対応を見て感動した。 看護師が患者の言葉に耳を傾けながら対応する姿から、傾聴が信頼関係の構築に果たす役割を学んだ。
実習が終わって達成感を感じた。 実習を通して〇〇の重要性を学び、今後の課題として〜に取り組んでいきたい。

 

抽象的すぎる表現

「大切だとわかった」「学べた」だけでは、何をどう学んだかが採点者に伝わりません。具体的な場面や行動、考察をセットにして書くのがポイントです。

 

NG例 改善例
多くのことを学んだ。 患者との〇〇での関わりを通して、〇〇や〇〇の重要性を学んだ。
コミュニケーションの大切さを感じた。 患者の表情や返答を観察しながら関わることで、信頼関係の構築にはコミュニケーションの質が重要だと実感した。
看護師の仕事の大変さがわかった。 複数の患者を同時に受け持ちながら優先順位を判断する看護師の姿から、臨床における判断力の重要性を学んだ。
考えることが多く難しかった。 アセスメントの段階では〇〇の判断が特に難しく、指導者のアドバイスを通して〜という視点を学んだ。

 

文末表現・書式の乱れ

内容が良くても、書式の乱れは評価を下げる原因となり得ます。提出前に必ず確認しておきましょう。

 

NG例 正しい表現
「〜です」「〜である」が混在している 文末表現は「〜である・〜だ」に統一
「患者さん」「看護師さん」と書いている レポートでは「患者」「看護師」と敬称なしで記載するのが一般的
「ほんとに」「すごく」「〜だなと思った」 「非常に」「とても」「〜であると考えた」などに置き換える
句読点が「.」「,」と混在している 「。」「、」に統一

 

提出前に確認!学びレポートのチェックリスト

提出する前に、このリストで最後に見直しましょう。

 

  • 実習目標に沿ったテーマを選んでいる
  • 序論・本論・結論の構成になっている
  • 感想・感情だけで終わらず、考察・根拠・今後の課題まで書いている
  • 具体的なエピソードや場面が盛り込まれている
  • 文献を引用し、参考文献一覧を記載している
  • 文末表現が統一されている(常体「〜である・〜だ」)
  • 「患者さん」「看護師さん」などの敬称が使われていない
  • 話し言葉・くだけた表現が使われていない
  • 誤字・脱字がない
  • 指定の文字数・書式を守っている

 

【カンファレンス用】看護実習で学んだことの発言例

カンファレンスで「実習で学んだこと」を発表するときは、1人の発表時間が限られているため、長く話すのは避けましょう。

 

「結論→エピソード→学び」の順番で、スッキリ短くまとめるのがコツです。

 

【発言例】

<結論>

今回の実習で学んだことは、患者さんの気持ちに寄り添うコミュニケーションの重要性です。

<エピソード>

Aさんとの関わりの中で、こちらが話すよりも傾聴する姿勢を意識したことで、患者さんから自発的に話しかけてもらえる場面が増えました。

<学び>

言葉の量より、患者さんのペースに合わせることが信頼関係につながると感じました。今後の実習や看護師になった際にも、まず相手の話に耳を傾けることを大切にした関わりを心がけていきたいと思います。

 

まとめ|例文を参考に、自分の言葉でまとめよう

この記事で紹介した例文はあくまで「基本的な型」です。

 

例文の構成や言葉の選び方を参考にしつつ、「あなたが実際に経験したこと・感じたこと・考えたこと」を自分なりの言葉で書くことで、看護師として必要な力が身につきます


例文を読んで書き方のイメージをつかむことができたら、自分の実習の経験に置き換えて書き進めてみてくださいね。

 

 

編集:北井寛人(看護roo! 編集部)

 

 

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