患者さんとの距離感が難しい|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(18)
『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。
今回は「患者さんとの距離感が難しい」というお悩みに答えます。


距離感が近いことのメリットとデメリット
一般的に、誰かと仲良くなるというのはポジティブなことです。ただ、看護師と患者さんの関係の場合は、メリットもデメリットも生まれます。
みなさんの周りには、患者さんとタメ口で話している同僚はいますか?
年上の患者さんにタメ口なんてとんでもない、と思う人もいるかもしれませんが、場合によっては冒頭のマンガのように距離感が近いほうが看護をスムーズに行えることもあります。
敬語で話すとどうしても文章が長くなってしまうので、患者さんの状態によっては、短い単語で伝えたほうがわかりやすい場合もあるのです。
ただ、距離感の近さが「ケアの内容」を左右する場合はどうでしょうか。
一人の看護師が仲のいい患者さんにだけ手厚いケアをしたら、患者さんは「今日は〇〇さんいないの?」と指名することもあり、ほかの看護師の仕事が進まなくなってしまいます。
看護師によってケアの内容が変わってしまうのもよくないし、日勤と夜勤で交代しづらくなってしまうので、患者さんがこの状態になってしまう場合は距離感を見直したほうがいいといえるでしょう。
それ以外にも、距離感を見誤った人がいると、患者さんと一線を引いて仕事をしている人が「ちゃんとケアをしてくれない」と言われたり、「看護ができていない」と思われたりするきっかけにもなります。
自分に至らない部分があって患者さんからNGを出されるならまだしも、行きすぎたケアをしている人と比べられて不当な評価をされてしまうのは理不尽です。
「患者さんと自分だけがよければいい」という考えではなく、周りの看護師のことも考慮したうえでの対応を心がけましょう。
「仲のよさ」よりも大切なこと
ここまでメリットとデメリットを伝えましたが、実は患者さんとの関係性においてもっとも重要なのは、「患者さんが自身の気持ちを看護師に話しやすいかどうか」ということです。
話しやすさは仲のよさとは別の話です。
たとえば、つらそうにしている患者さんを見かけたら「つらそうですね」とこまめに声をかけたり、話をするときには必ず患者さんと同じ目線になるようしゃがんだりすることで、患者さんの気持ちを尊重しているという姿勢は示すことができます。
患者さんとの距離感で悩んだときは、「どうしたら患者さんが話しやすいと感じられるか」という点に気を配ってよりよい対応を考えてみてください。

病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。
看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。
看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。
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