「なんとなく」で済ませてきてたら、この本をどうぞ|ヤンデル書房(7)

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Twitterフォロワー数12万人、イラストギャグも絶好調のヤンデル先生が「本屋さん」になって、看護師のみんなにおすすめの本を紹介してくれます。

 

文:ヤンデル(病理医)

イラストレーション:ネモトマ

 

ヤンデル書房~看護師だけのヒミツの本屋

Vol.7 しみじみわかる血栓止血Vol.2 血栓症・抗血栓療法編

 

こんにちは。ご機嫌いかがですか。

 

気持ちのいい季節になりましたね。店の窓や扉を開けていると、さわやかな風が入ってきます。

 

風通しをよくするついでに、棚の本を入れ替えたり、コーナーを並べ替えたりしていました。普段とは違った本が前の方に出てきましたよ。

 

たとえばこちら、根強い人気があるシリーズなんですけれど、なかなか前列でドーンとおすすめする機会がなかったので、今日は思い切って平積みです。

 

書影画像とオススメポイント図表。ポイント1・身近な人の医療相談になるべく答えてあげたいナースに!ポイント2・小児科ナースも納得の情報量!

『しみじみわかる血栓止血Vol.2 血栓症・抗血栓療法編』(中外医学社)

 

 

もっと売れていいのに…!

この本はですね……。

 

とにかく、「意図を持って買いに来る人」にしか売れないですね!

 

あはは。

 

「血栓の勉強してやるぞ!」っていう、強い意志を抱えた人とか、

血液サラサラのお薬について勉強したい!」っていう、目をキラキラさせた人とかが買って行かれます。

 

この本をさっと立ち読みして、衝動的にレジに持ってきてくださる方というのはあまりいらっしゃらないです。ぱっと見ただけでは魅力が伝わらないかもなあ。

 

というか、小声で、控えめに申し上げますと……。

 

血栓、止血、DIC(播種性血管内凝固)あたりの話って、みんな、なんとなくで乗り切ろうとしていませんか……?

 

ベッドサイドで出会う頻度はそれなりにあるけれど、毎回、腰を据えて勉強するのを後回しにしがち、とでもいいますか。

 

ああ、もっと売れていいのに!

 

 

後回しにしてた「血栓・止血」、勉強してみる?

 

私はすごく不思議なんです。

血栓・止血ジャンルの本が「心電図ほどには勉強されていない」ということが。

 

血栓症や凝固異常というトラブルを抱えた患者さんは、本当に多いですよ。

 

心筋梗塞や脳梗塞は言うまでもないですし、心房細動、下肢の静脈血栓症、エコノミークラス症候群……いずれも知らない人がいないくらい有名な疾患ばかりですよね。

 

「血液サラサラのお薬」を飲んでいる人も、とてもいっぱいいらっしゃいます。

 

それに、そもそも、血小板数やPT、 PT-INRあたりは、血液検査で日常的に目にしますし。フィブリノゲンやD-ダイマーだって、多くの病院でかなり便利に用いられています。

 

手術がある病棟なら血栓症の知識は必須ですし、感染症だって関係ありますし、心臓、血管、肺、おまけに産婦人科でも、抗リン脂質抗体症候群みたいに覚えておくべき疾患があります。

 

ところがこれらの勉強は、なぜかおざなりになってしまう……。

 

や、まあ、わかりますよ。いかにも難しいですからねえ。

 

というわけで、「血栓・止血も心電図みたいに勉強してみませんか?」という私のお節介でイチオシするこの本のおすすめポイントは、

 

 

  • 現場での疑問が豊富に盛り込まれていて、基礎的な教科書にありがちな「机上の空論」が少ない

  • ひとつひとつの単元が短い(元は人気のブログ連載

 

 

凝固・線溶、すなわち血が固まったり、血栓が溶けたりするメカニズムはフクザツで、学校で習っても、たいていの人が試験の後には忘れてしまいます。

 

ただ、その忘れた部分にこそ、採血管に血液を固めないための工夫や、抗血小板療法(アスピリンなど)と抗凝固療法(ワルファリンなど)の使い分けの理由があります。

 

だから、本当は、現場で働く際には「もう一度学び直す」といいんです。

 

でもまあ、それは建前です。

 

本音を言うと、「難しいとわかっているジャンルを学び直すのってすごく大変」。

 

であれば、サクッと短く要点を解説してくれる、こういう本が役に立ちますよ

 

 

この本は人気ブログを書籍化した本なので、ひとつひとつの項目が短くまとまっていて、「気が重い学び直し」にはもってこいだと思うんですよね。

 

あと……表紙のイラストがかわいい

 

ただし、中身にはめったにかわいいイラストが出てきません(笑)。でもまあ、ブログくらいの長さの文章が読めれば、問題なく拾い読みできる本です。

 

マンガほどではないけれど読みやすく、現場に即しているから「これまでなんとなく勘で回していた」人にとって受け入れられやすいと思うんです。

 

そうそう、Vol.1ではなくてVol.2を勧める理由は、むしろVol.2の方が基礎的な内容が多いからです。でも、両方読んだら、血栓・止血については実力と、自信が付きますよ!

 

 

売れ筋じゃなくても「いい本」はあるんだよ

最近、医学書をいろいろ見ていると、特にナース向けの本って、明らかな「売れ筋」があります。

 

ひとつは「マンガ」。

 

そして、「急変対応」。

 

なんとなくおわかりでしょう。「患者に何かあったときに自分がしっかりしないと!」というモチベーションがあるせいか、よく本が売れます。

 

一方で、マンガや急変対応ほど多くは売れないのですが、買われる方の熱量が高い本、というのもあります。

 

たとえば「緩和ケア」や、「在宅医療」に関わる本。

 

ナースが全員、緩和ケアや在宅医療に携わるわけではないのですが、世間的に関心が高いジャンルでもあり、コンスタントに売れています。

 

そんな中、マンガほど売れず、救急ほど平積みにされず、関わる人数だけで言えば緩和ケアや在宅よりは多いはずなのに、あまり売れ筋とは言えない本、それが「血栓・止血ジャンル」。

 

今回の本が、血栓・止血ジャンルの救世主……になってくれたらいいな……という思いをひそかに込めています。

 

 

ヤンデル書房 店主

病理医ヤンデル(市原真/いちはら・しん

1978年生まれ。2003年北海道大学医学部卒、国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター中央病院)、札幌厚生病院病理診断科。現在、同科主任部長。医学博士。病理専門医。著書に『症状を知り、病気を探る』(照林社)、『いち病理医の「リアル」』(丸善出版)、『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと』(大和書房)など。Twitterブログnoteなどで発信中。良い本を人におすすめするのが大好き。この夏はオンラインイベント『#SNS医療のカタチTV やさしい医療の世界』(2020/08/23)も開催します!

 

 

しみじみわかる血栓止血 Vol.2 血栓症・抗血栓療法編

■著者:朝倉英策

■発行:中外医学社(2015/05/25)

■判型:A5判、188ページ

■定価:本体4,000円+税

■ISBN-13: 9784498125926

 

編集:烏美紀子(看護roo!編集部)

 

 

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  3. 側臥位の患者さんの体温を測る場合は、腋窩がなるべく密着した下側の腋窩で測ってもらう。
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