薬と特保とサプリの違い|いまさら聞けない!ナースの常識【7】

毎日の業務の中で触れているけど、『いまさら聞けない』ことってありませんか?

知ってるつもりで実は説明できない基礎知識や、ちょっと気になるけど調べるほどでもないな、なんてこと。

そんな看護師の素朴な疑問を、元看護師ライターがこっそり教えます。 


 

Vol.7 薬と特保とサプリの違い

患者さんの病気や怪我の治療のためには、実に多くの薬を使う。しかし最近は、例えば「糖尿病に効くサプリ」や「血圧が高めの人向けのトクホ」など、薬ではないが一定の効果を示すものが増えてきた。今回はこの3つの違いと患者さんへの注意点についてのお話。

 

まずは3つの違い

それぞれの定義を確認してみよう。

 

●医薬品

一定の臨床試験を経た後に厚生労働省に許可された「薬」。

 

●サプリ=サプリメント

厚生労働省が定めた一定の基準を満たした「成分」を、摂取できるように工夫された「食品」。

 

●トクホ=特定保健用食品

特定の保健用途について、厚生労働省の認可を受けた「食品」。

サプリメントとトクホの違う点は、その商品が個別に厚生労働省の認可を受けたものかどうか、というところにある。

 

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 | いまさら聞けない!ナースの常識【7】薬と特保とサプリの違い 

図1 薬と特保とサプリの違い “薬”と呼べるのは医薬品だけ

 

 

患者さんにも聞いてみよう

一般的には薬局でなくても手に入るトクホやサプリは沢山ある。コンビニでも売っていたりするので、お手軽感がある。

しかしその効用は知っていても薬との影響までは考えていない人が多いのは困る。

特にサプリの中には、薬物治療中の患者さんには注意してほしいものがあるのだが、患者さんはサプリを日常的に摂取していることを言わないケースが多い。サプリの外装には「医師に相談を」と書いてはあるが、患者さんに服用中の薬について聞くと、サプリのことはまず答えない。

実はこれが問題になることがある。

 

 

危険な組み合わせ

特保とサプリメントについては一般的に、特に基礎疾患がなく、内服治療継続中ではない限り、用法用量を守っていれば、それほど危険なことは無いといわれている。しかし、何かしらの基礎疾患があり、医師による内服治療を受けている場合は別だ。

 

例えば、薬とサプリが相乗効果を生んでしまう組み合わせ。

●ワルファリンなどの抗凝固剤+ナットウキナーゼなどの血液サラサラ系

●糖尿病による経口血糖降下薬+バナバ茶などの血糖降下作用のあるもの

高血圧のACE阻害薬+血圧が高めの人向き乳製品

など、薬の効果を増長してしまうものや、逆に打ち消してしまう組み合わせもある。

 

危険といわれる例を一つ。

うつ病やうつ状態に効くとされるセントジョーンズワード(和名:セイヨウオトギリソウ)というサプリがある。これは単独での服用は安全性が高いとされるが、向精神薬と併用すると薬の効果が変わるのはもちろん、他にも注意すべき薬がある。セントジョーンズワードは肝臓での薬物代謝や薬の吸収に影響を与えるため、ピルや抗不整脈薬、気管支拡張剤、抗凝固薬などの効果を減少させることがあるのだ。実際に婦人科のDrは、ピルを処方する際にこの手のサプリとの併用を禁じるDrも居る。予期せぬ妊娠をした例もあるという。

 

サプリも特保も通常の食生活以上の何かを摂取するので、薬との飲み合わせには注意が必要だ。いずれにしても、患者さんにはサプリを飲む場合は必ず医師に相談すること、もし今飲んでいるものがあるなら教えてもらうことを徹底してほしいと思う。

 

 

<参考資料>

・『サプリメント事典 第3版』平凡社

・『EBM サプリメント事典 -科学的根拠に基づく適正使用指針-』医学出版社

・『サプリメント健康バイブル』小学館

・『医療従事者のための【完全版】機能性食品ガイド』 講談社

・『危険!薬とサプリメントの飲み合わせ』清流出版

・『サプリメント・健康食品の「効き目」と「安全性」』 同文書院

 

【岡部美由紀】

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