イライラしたら思い出して！心が鎮まるしぐさ2選

日本しぐさ協会代表・伊勢田幸永です。
普段は意識していない「しぐさ」を変えるだけで、看護師さんの仕事のお悩みが解決できるかもしれませんよ！

しぐさで変わる職場コミュニケーション【2】

イライラを一瞬で鎮める魔法のしぐさ2選

看護師としての理想を持って仕事に当たっていても、ついイライラして患者さんや同僚に強い口調で話してしまう、その後に自己嫌悪……。看護師だって、個人的な感情が前に出てしまうことだってあると思います。感情をコントロールしなければ、と思っても、実際にはなかなか難しいものです。

心と身体はつながっています。

「イライラしないよう自分を抑えよう」と思っても、抑えている自分がストレスになってしまうことがありますよね。そこで、イライラ感情を抑えなくても、いつの間にかイライラが消える方法があるとしたら便利だと思いませんか？ 実はその方法が「しぐさ」なのです。

1.軽いイライラをスグ鎮める「グーパー」

ちょっとしたことでつい「イラッ」としてしまったときは、てのひらをグーとパーに握ったり開いたりを交互に繰り返すだけで効果があります。

イライラしているときは手や肩に力が入っていることが多いので、てのひらをグーパーすることで筋肉の緊張をほぐせば、気持ちもすっきりするのです。

2. 「30秒間上を見る」でイライラ解消

気持ちが抑えられないときにすべきこと、そのしぐさは「真上を30秒見上げる」だけ。

首を真上に向けてください。この際にしっかりと真上を見ることが重要です。

「ま、いっか」が言えるようになる

人間は真上を見ていると、目の前のことしか考えることができなくなります。だから、それまでの考えを忘れることが出来てしまうのです。

実際のこの方法を試すと、イライラしている気持ちがその場で解消して、「ま、いっか」という言葉が出せるようになります。

自分の感情に振り回されてしまう人は、こんなに簡単な方法で気分が落ち着けられることを知ってほしいと思います。とても簡単なので、イライラしたら「真上を30秒」を思い出してください。

「他のことを考える」「口に出す」は逆効果

思考を変えるのはとても難しいですし、時間がかかります。イライラする自分を変えるためにかかる時間はどれくらいのものでしょうか？

よく、イライラ解消法として「ほかのことを考えるといい」と言われていますが、私自身で考えると、ほかのことを考えてもすぐに元の怒りの感情が湧いてきてしまいます。イライラしたらその気持ちを口にすると怒りが落ち着くなどと言われることもありますが、こちらも私自身の経験上、口にすればするほどさらに怒りが増してしまいました。

過去のことは忘れちゃおう！

もっとも厄介なのが“過去の思い出し怒り”です。
過去の怒りは、どうしようもないですよね。人に相談をしようにも「まだそんなこと怒っているの？」の一言で終わりです。

過去の怒りを思い出した時にも、このしぐさが役に立ちます。

イライラしたら真上を向いて30秒。
これで過去の怒りもすっきりします。

このしぐさは頭の中をリセットするのが目的なので、根本の原因が解決するわけではありません。けれど、多くの場合にはその場の感情の処理をうまくできれば、難なく人とのコミュニケーションをこなせることが多いようです。

そういった意味では、しぐさほど簡単で誰でもすぐに行えて、役に立つものはありません。また、気持ちを無理やり変えるものではないので心理的な負担もありません。

感情を抑え込んだり、無理にほかのことを考えたりすると心理的な負担を及ぼすこともあるのです。

こんなに簡単な方法なら、いつでも、どこでも取り入れることができますよね。しぐさのいいところは、簡単で誰でもすぐに出来ることです。

イライラが抑えきれず、同僚や患者さんなどに当たってしまいそうなとき、実践してみてくださいね。

【執筆：伊勢田幸永】

オフィスカラーステージ代表取締役、日本しぐさ協会代表理事。コミュニケーションが苦手な人向けに、セミナーやコンサルティングを通じて人の印象や自分の気持ちを変えるしぐさを広める活動を行う。著書に『一瞬で愛され女子になる』『「しぐさ」の魅力』など。