「水の飲みすぎによる死」で病院の過失認定―水中毒の症状と予防

【ナース知っ得ニュース 2015/5/20】

 

水中毒」は、大量の水を飲むことによって意識障害やけいれん発作、嘔吐などの症状が起き、重度の場合、死に至ることもある中毒症です。

 

宮崎県宮崎市で当時36歳だった女性が「水中毒」で亡くなったことについて、女性の父親が病院へ損害賠償を求めた訴訟の2審判決が下されました。結果、約3500万円の支払いが命じられた1審から、2審では約2600万円に減額され、引き続き病院側の過失が認定されました。

 

「水中毒」死亡訴訟 2審も病院側の過失認定(読売新聞)

「水の飲みすぎによる死」で病院の過失認定―水中毒の症状と予防

photo by jcheng(flickr)

 

入院中の多飲は病院の過失と認める

統合失調症を患っていた宮崎市の女性は、2012年3月22日に医療法人真愛会高宮病院に入院しましたが、同日に病室の洗面台で大量に水を飲んだため、水中毒による急性低ナトリウム血症となり死亡しました。

 

抗精神病薬には、副作用でのどが渇くものがあります。女性の父親は、病院側が洗面台の水道の元栓を閉めるなどの対処をすることによって死は避けられたと主張していました。

 

「水中毒」とは?

水中毒とは、水の過剰摂取によって低ナトリウム血症に陥り、重篤な症状を呈している状態をいいます。

 

人間の腎臓が持つ最大の利尿速度は毎分16mlといわれています。この処理能力を超える量の水分を摂取すると体内に水分が貯留し、浸透圧の差により水分が細胞内に移動、細胞が膨化します。

 

するとめまいや吐き気、息切れ、足のむくみなどが起き、重症になるとの膨張による頭痛やけいれん、意識障害、さらに進むと昏睡状態に陥り、死に至ることもあります。

上記の症状が出た際には、塩分・糖分の補給が必要です。

 

精神科以外でも知っておくべき水中毒の危険性と予防法

水中毒は、精神科医の間ではよく知られているものの、一般的にはあまり知られていませんでした。

とはいえ精神科勤務でない看護師も無関係ではありません。

 

近年は、精神疾患が原因の水分の多量摂取だけでなく、マラソンの現場などで急激に増えています。また、これから暑い季節の水分摂取にはとくに気を配る必要があります。

 

【水中毒の予防法】

  • ○水の摂取量は1日2ℓ程度に抑える
  • ○塩分と糖分の補給を怠らない
  • ○水はなるべく冷やさず常温で飲む

 

例えば、日頃から患者さんの水分摂取量に気を配ったり、特に大量に汗をかいたあとは塩分摂取を呼びかけたりする等の対策が考えられます。

もちろん、水中毒の副作用について記載のある抗精神病薬や脳下垂体後葉ホルモン、バソプレシン誘導体などを服用している患者さんには、とくに注意が必要です。

 

 

(参考)

水中毒で入院患者死亡、病院に賠償命じる判決(ヨミドクター)

東京マラソン2015 医療・体調管理情報

統合失調症と向き合う 多飲水・水中毒について(J POP-VOICE)

水中毒とは(北海道薬剤師会)

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