「胃がんは日本海側、乳がんは中国・四国地方」がんの地域差を国立がん研究センターが公表

【ナース知っ得ニュース 2015/04/01号】

 

国立がん研究センターより、39道府県のがんの罹患状況が初めて公表されました。

発表された各部位の地域差を見てみると、地域特性との関連性が推定されるものもあり、今後、詳しく分析が進められる見通しです。

 

医療ピックアップ:県別がん罹患状況 胃がんは日本海側 乳がん、中国・四国で(毎日新聞)

都道府県別全部位のがん羅患比・死亡比

(引用)独立行政法人国立がん研究センター

 

 

国立がん研究センターが初の「罹患者数」推計データを公表

このたび公表されたのは、都道府県において2011年に新たにがんと診断された人(罹患者数)の全国推計値を集計したデータで、男性は約49.6万人、女性は約35.5万人の合計約85.1万人という結果でした。

部位ごとの統計では、男性で最も多かったのは胃がん、女性は乳がんでした。

 

全部位の統計によれば、男性は北海道、東北地方、山陰、九州北部で死亡者の割合と同様に罹患者の割合が多い傾向がみられましたが、長野県と広島県は、罹患が多いとはいえ、死亡は少ない傾向がみられました

 

この長野県と広島県の結果について、同センターは、がんの早期発見や標準治療が有効に行われていることが理由とみています。

 

 

胃がん:男女共に日本海側に集中 塩分過多やピロリ菌が原因と推定

各部位ごとの統計によれば、「」は男女共に日本海側の県に集中していました。これを受け、塩分過多の食生活や胃がんの原因と疑われているピロリ菌との感染状況との関連について調査するといいます。

 

都道府県別・胃がん羅患比・男女

 

 

乳がん:北関東、中国・四国地方に多い

また、女性の「乳房」は全国でばらつきがありましたが、特に北関東や中国・四国地方に多い傾向がみられました。「子宮」については、はっきりとした地域の偏りは見られず、「乳房」同様、全国にばらつきがありました。

 

都道府県別・乳がん・子宮がん羅患比

 

 

肝がん:肝炎ウイルスの感染率と関係か

肝がんは近畿以西の地域で極めて多い他、山梨県でも多い傾向がみられました。肝がんが近畿以西に多い理由としては、肝がんの原因である肝炎ウイルスの感染率が高いことが考えられています。

 

都道府県別・肝がん羅患比・男女

 

 

肺がん:男性、女性ともに北海道で多い 喫煙率の高さを反映

また、肺がんについては、男性は北海道と青森県、近畿圏で多く、女性も北海道と近畿以西で多い結果でした。喫煙率の高い地域がそのまま肺がんを患う数に反映されているとみられています。

 

都道府県別・肺がん羅患比・男女

 

 

大腸がん、前立腺がん

大腸がんは北海道、東北地方、山陰地方に多く、前立腺がんについては、特に地域の偏りはみられませんでした。

 

都道府県別・大腸がん羅患比・男女

 

都道府県別・前立腺がん羅患比

 

 

将来、実数把握も可能に

集計元となる「地域がん登録」の登録数が増えたことにより、年々統計の精度が向上しているため、次回報告の2012年分からは、全47都道府県のデータが出る見通しです。

また、現在は推計値ではあるものの、近い将来、実数で把握できるようになるといいます。罹患数の地域差を知ることで、がん対策が進むことが期待されています。

 

 

(参考)

日本のがん罹患(りかん)数・率の最新推計値公開(独立行政法人国立がん研究センター)

肝がん、西日本で高め がんセンターが罹患率分布図(日経新聞)

肝がん罹患、西日本高め がんセンターが全国地図(北海道新聞)

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