最終更新日 2023/09/26

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは・・・

溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう、streptococcal infection)とは、溶血性連鎖球菌(グラム陽性のレンサ球菌)に感染し、咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱(しょうこうねつ)などを引き起こす感染症である。飛沫感染や接触感染により感染する。

 

【原因菌】
溶連菌感染症と呼ばれる場合は、A群β溶血性レンサ球菌による感染を指す場合が多い。

 

【症状】
潜伏期間は2~5日である。

 

溶連菌感染症は、感染すると急性咽頭炎や扁桃炎などの上気道感染症(学童期に多い)と皮膚軟部組織感染症の原因となることが多い。さらに、咽頭炎・扁桃炎発症の1~2日後に全身性の発赤や口周囲の蒼白、イチゴ舌を伴う猩紅熱を起こすことがある。
さらに、急性感染症の数週間後に現れる続発症として、急性糸球体腎炎やリウマチ熱を認めることがある。

 

【検査・診断】
溶連菌感染を疑わせる症状(咽頭痛、咽頭発赤、高熱など)がある場合は迅速抗原検査を行う。

 

【治療】
溶連菌感染症の治療は、主に薬物治療である。

解熱鎮痛薬で喉の痛みや熱へ対処しつつ、溶連菌に対しては、ペニシリン系の抗生物質が第1選択薬となるが、セフェム系の抗生物質も使用可能である。
なお、症状が治まった場合も処方された抗生物質は必ず指示通り飲み切るよう説明する。

 

なお、急性糸球体腎炎やリウマチ熱、劇症型溶連菌感染症などの場合は、全身管理も必要である。

 

【予防】
飛沫感染や接触感染により感染するため、マスクの着用や手洗いを徹底する。

 

 

【引用参考文献】
1)岡 秀昭.感染症プラチナマニュアル Ver.7 2021-2022 Grande.メディカルサイエンスインターナショナル,2021,p596.

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