溶連菌とは・・・
溶連菌(ようれんきん、streptococcus)とは、溶血性レンサ球菌の略称であり、グラム陽性のレンサ球菌である。
どのような菌か?
レンサ球菌には赤血球を破壊する溶血毒素を産生するものがあり、その程度によってα(不完全溶血)・β(完全溶血)・γ(非溶血)の3種類に分類される。また、細菌の細胞壁の抗原性の違いによりA~V群に分類される。
一般的に溶連菌と呼ぶ場合は、β溶血性のレンサ球菌のことを指す。β溶血性のレンサ球菌の中で代表的なものとして、A群β溶血性レンサ球菌やB群レンサ球菌が挙げられる。また、同様の菌でもさまざまな呼称があり、A群β溶血性レンサ球菌は化膿レンサ球菌(streptococcus pyogenes)、B群レンサ球菌はアガラクチア菌(streptococcus agalactiae)などとも呼ばれる。
検査・診断
溶連菌に対する一般的な検査としては、咽頭培養で細菌の有無を調べる以下の検査と抗体検査とがある。
(1)喉頭検査
・培養検査(グラム染色)
・迅速検査
これらの検査結果と症状を組み合わせて診断を行う。
(2)それ以外
また、A群β溶血性レンサ球菌が産生する毒素に対する抗体(ASO・ASK)を測定する抗体検査方法もある。ただし、抗体検査は急性期では抗体価が上がらないため、診断には迅速抗原検査を用いることが多い。
【引用・参考文献】
1)岡 秀昭.感染症プラチナマニュアル Ver.7 2021-2022 Grande.メディカルサイエンスインターナショナル.2021,p596.