最終更新日 2019/05/13

便検査

便検査とは・・・

便検査(べんけんさ、stool examination /fecal examination)とは、便を検体とした検査のことである。糞便検査ともいう。

【目的】
便中に含まれる成分を検査することを目的としている。

【検査内容】
■便潜血検査
便を検体として最も多く行われている検査は、「便潜血検査」である。
便潜血検査には、化学的方法と免疫学的方法の二種類がある。化学的方法は、時間経過とともに偽陰性となったり、人以外の血液に反応して偽陽性となったりする。そのため、我が国ではほとんど 、免疫学的方法が用いられている。
便潜血検査は文字通り、便に血液成分(ヘモグロビン)が含まれているかどうかを抗ヒトヘモグロビン抗体で検出する検査である。便潜血が陽性であると消化管のどこかで出血していると判断できる。消化管のどこで出血していても便に血液が混じるが、や腸では血液成分であるヘモグロビンが変性するため検出感度が低く、便潜血陽性の場合は大腸-直腸での出血を反映していることが多い。そのため、便潜血検査はもっぱら大腸がんスクリーニング検査として用いられる。

■その他の検査
他の検査項目としては、回虫・蟯虫など寄生虫の虫卵が検出されるかを見る「虫卵検査」や、下痢の原因としてウイルスや細菌の検出を行う検査がある。
また、便は摂取した食物が消化された後の排泄物であることから、消化吸収が不十分と考えられる患者において、便中の脂肪やデンプンが検出されるかをみることで吸収に問題があるかを確認することができる。

執筆: 浅香葉子

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

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