水平移動 | 体位変換【2】

【監修】

筑波大学附属病院 看護部

小山記念病院 看護部

 

体位変換における「水平移動」とは?

水平移動は、ベッドの中央で側臥位にするための前工程にあたる

 

「水平移動」を実施する理由

ベッド中央で仰臥位から側臥位にしてしまうと、転落の危険性が高くなるため、側臥位で向く方向の反対に、まず水平移動する必要がある

 

体位変換「水平移動」の実施手順

(1)患者さんの頭を、片方の手でしっかりと支え、もう一方の手で、枕を移動する方へずらす

 

(2)患者さんの両腕を体の前で組む

 

(3)両ひざの後ろに手を入れ、ひざを曲げ、足裏を広げて置き、安定させる

 

■根拠■

(3)を行うことで、支持基底面が小さくなり、また、摩擦力も小さくなるため、患者さんを移動しやすくすることができる

 

■ポイント■

水平移動は上半身→下半身の順で移動する

 

(4)首の下と、腰の下から腕を差し込み、上半身をしっかりと支える

■ポイント■

患者さんの服だけをつかむと、患者さんの体に負担を掛けてしまうため、肩と脇腹を持つようにする

 

(5)自分の脚を前後に開き、前脚のひざを曲げてベッドフレームに当てる

 

(6)ボディメカニクスを活用し、腰を落としながら、患者さんの上半身を引き寄せる

 

■ポイント■

ベッドに当てた膝を軸にして、腰を落とすのが重要。腰を後ろへ引くと、腰への負担が大きくなり、患者さんにも無理な力が掛かってしまうので注意する

 

(7)両腕を静かに引き抜き、腰と太ももの下に腕を差し込んで、骨盤を包み込むように支える

 

(8)自分の脚を前後に開き、前脚の膝を曲げてベッドフレームに当てる。ボディメカニクスを活用し、腰を落としながら、患者さんの下半身を引き寄せる

 

(9)立てた膝をおろし、患者さんの体がまっすぐになるように整え、ベッド柵を上げる

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