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2020年02月05日

【新型コロナウイルス】看護師のためのQ&A~予防・検査・患者さんへの対応は?

 

看護師にとってひとごとではない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。どのような予防対策が必要なのでしょうか。感染症専門医が解説します。

※2020年3月6日時点の情報に基づいています。

 

【関連記事】【新型コロナウイルス】「指定感染症」で医療の体制は?ポイントまとめ|看護roo!ニュース

 

 

浜松医療センター 
副院長 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長
矢野邦夫

 

 

どんな感染予防対策が効果的ですか? マスクは二枚重ねのほうがいいって聞いたんですけど。

 

最も大切な対策は「手指衛生」です。マスクは一枚で十分です。

 

新型コロナウイルスには、標準予防策(スタンダードプリコーションに加えて、飛沫予防策接触予防策を併用することが推奨されています。たとえ手指にウイルスが付着したとしても、手指衛生をしっかりすれば、感染を防ぐことができます。

 

患者さんや、患者さんの周囲環境、手指の高頻度接触表面(ドアノブなど)に直接触れた後は、必ず手指衛生を徹底しましょう

 

患者さんを直接ケアするときには、サージカルマスクを着用します。突然の咳などに備えて、アイシールドやゴーグルを利用することも重要です。

 

サージカルマスクは細菌濾過効率が95%以上あるので、一枚で十分です。二枚重ねにするとマスクの空気抵抗が大きくなり、マスクと顔のすき間から空気が漏れこんでしまいます。

 

また、装着中のマスクに触れると、その手指がウイルスで汚染する可能性があるので注意してください。

 

 

 

事前連絡なしで疑いのある患者さんが来ちゃったら、どうしたらいいですか?隔離したほうがいい?

 

疑いがあるだけでは、最初から隔離はできません。まずは患者さんに咳エチケットを行ってもらい、医療従事者は標準予防策で対応します。

 

「事前の連絡なしに疑いのある患者さんが来た」といっても、その患者さんが新型コロナウイルスの感染者だと確定しているわけではありません。まったく別の感染症の場合もあります。そういった患者さんを最初から隔離することはできません

 

この場合、患者さんには咳エチケット、つまり「サージカルマスクを着用して、咳をするときには口と鼻を押さえる」を行ってもらいましょう。さらに「手指衛生」も行ってもらいます。

 

医療従事者はサージカルマスクを着用し、やはり手指衛生を行います。

 

そのうえで、病状や現病歴、渡航歴などから、新型コロナウイルスに感染している可能性が強く疑われるときは、隔離して検査する必要があります。

 

また、新型コロナウイルスの感染者が、ほかの呼吸器疾患を合併することもあります。その場合、咳などの症状が強くなり、周囲にウイルスを拡散しやすいので、特に注意が必要です。

 

 

 

外来を受診した患者さんが後日、新型コロナウイルスに感染していたことがわかりました。勤務していた看護師は、どこまでが「濃厚接触者」になる?

 

適切な個人防護具を着用せずに対応していれば濃厚接触者となります。

 

厚生労働省は濃厚接触者について下記のように定義しています。

 

 

・新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居、あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・適切な感染防具なしに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護もしくは介護していた者
・新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者

 

 

外来受診した患者さんが、後日、新型コロナウイルスに感染していたことがわかった場合、そのときに診察や看護にあたった医療者が適切な個人防護具を着用していなければ濃厚接触となります。

 

例えば、患者さんの採血時に手袋をしていなければ濃厚接触者になります。一方、ウイルス検査のために患者さんの咽頭から検体採取していてもマスクやゴーグルを着用していれば、濃厚接触者になりません

 

なお、案内しただけで、患者さんに触れていなければ、個人防護具を着用している・いないに関わらず、濃厚接触にはあたりません。

 

濃厚接触者になった場合は、発熱や風邪症状に注意を払いましょう。

 

発熱や風邪症状が発生した場合は、休んだほうが良いです。4日間以上症状が続く、もしくは倦怠感や呼吸困難が見られたら、上司に報告し、院内の専門医に相談します。もし、院内に専門医がいない場合は帰国者・接触者相談センターに連絡します。そして、必要に応じて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2※1)の検査をすることになります。

 

症状が出ていない場合は通常勤務が可能ですが、潜伏期間の最大日数である14日間は症状の有無に気をつけておく必要があります。
そして、症状が出てきた場合には上司に報告し、院内の専門医に相談するか、専門医が院内にいない場合は「帰国者・接触者相談センター」に連絡しましょう。


※1 新型コロナウイルス感染症は、病名の正式名称を「COVID-19」、原因ウイルスを「SARS-CoV-2」といいます。

 

 

 

特に注意が必要な患者さんは?

 

呼吸器や循環器などの基礎疾患がある患者さん、高齢者、人工呼吸器などで呼吸管理中の患者さんには特に注意が必要です。

 

特に注意が必要な患者さんは、「重症化しやすい患者さん」「ウイルスを周辺に拡散する患者さん」です。

 

重症化しやすいのは、呼吸器系や循環器系などの基礎疾患のある患者さんや高齢者です。このような人々は感染すると重症化して死亡するリスクが高いです。

 

 

ウイルスを周辺に拡散する患者さんは、挿管して人工呼吸器を着用される患者さんやネブライザーを使用している患者さんなどです。このような患者さんがいる病室では新型コロナウイルスを含んだエアロゾル※2が空気中に浮遊するからです。そういった病室に立ち入ると病原体を吸い込んでしまうので、空気予防策※3が必要となります。

 

また、抵抗力が低下している患者さん(透析患者さんなど)が感染すると、体内で病原体が著しく増加して、周囲に感染させやすくなる可能性があります。

 

※2 エアロゾル:気体中に浮遊している微小な液体または固体の粒子。

※3 空気予防策:十分な換気と陰圧を保てる個室で飛沫核を室外に出さないよう管理し、医療従事者は標準予防策およびN95マスクを着用します。室内の患者さんには、可能であればサージカルマスクを着用してもらいます。

 

 

 

新型コロナウイルスってどうやって診断するんですか?

 

患者さんの咽頭ぬぐい液や痰を使って検査して診断します。なお、3月6日から公的保険が適用され、検査体制が拡大されました。

 

患者さんの 咽頭ぬぐい液や痰を検査材料にして、核酸増幅法(PCR法など)を用いて新型コロナウイルスの感染を診断します。

 

また、インフルエンザや市中肺炎のような他の疾患を鑑別したり、感染症の状況を把握するために、胸部X線検査やCT検査なども必要となります。

 

なお、PCR検査は3月6日より公的医療保険が適用になりました。
これにより、医師が「検査が必要」と判断した場合、民間の検査会社や特定の医療機関で直接検査できるようになります。
これまでPCR検査は保健所を介して、地方衛生研究所や国立感染症研究所に依頼されていましたが、より多くの検査依頼に対応できる体制に変わります。

 

ただし、そうした判断をする医師は、全国約860カ所の専門外来がある医療機関などに所属する医師に限られます。
また、誰でも検査を受けられるわけではありません。厚労省の「受診の目安」(※)を満たし、「帰国者・接触者相談センター」に電話した上で専門外来を受診した人に対して、医師が検査の必要性を判断します。

 

 

厚生労働省が定める受診の目安
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く人(解熱剤を飲み続けなければならない人も同様)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある人

 

※高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)の基礎疾患がある、もしくは透析を受けている、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている人は、上記の症状が2日程度続く場合は相談する。

 

専門外来以外の医療機関や患者さん本人の希望で検査ができないという点は、以前と変わりません。

 

 

 

有効な治療法はありますか?

 

現時点(3/6現在)では対症療法しかありません。

 

現時点では対症療法しかありません
肺炎が悪化し、呼吸状態が悪くなれば酸素投与が必要となります。
さらに、重症となれば挿管して人工呼吸器も実施することになります。また、電解質異常がみられれば、それを補正する必要があります。

 

患者さんの苦痛を取り除くことと、生命を維持することによって、回復を待つことになります。

 

現在、中国ではカレトラ(ロピナビル・リトナビル配合剤)が臨床研究で用いられています。 この薬剤は抗HIV薬の一つです。この研究結果については注意深く観察してゆく必要があります。

 

 

 

SNSなどでもいろいろな情報が出ていますが、どういうサイトをチェックしておけばいいですか?

 

国内のサイトなら、(1)厚生労働省、(2)国立感染症研究所、(3)日本医師会、(4)東京都感染症情報センターがおすすめです。

 

SNSやネットでは、新型コロナウイルスに関するさまざまな情報を見ることができますが、誤った情報や煽るような情報を参考にするのは適切ではありません。医療従事者として適切な判断をするために、正しい情報を確認しましょう

 

国内であれば、次のようなサイトが正しい情報がまとまっていて、おすすめです。

 

 

海外のサイトは(5)WHOと(6)CDCが良いでしょう。

 

 

 


著者紹介

矢野邦夫(やのくにお)
浜松医療センター 副院長兼感染症内科部長兼衛生管理室長
医学博士。インフェクションコントロールドクター。感染症専門医・指導医。抗菌化学療法指導医・認定医。日本エイズ学会指導医・認定医。血液専門医。日本輸血・細胞治療学会専門医。日本内科学会指導医・認定医。日本感染症学会・日本環境感染学会評議員。日本医師会認定産業医

 

 

看護roo!編集部 林 美紀/烏美紀子(@karasumikiko

 

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コメント一覧(1)

1名無し2020年02月06日 07時38分

とてもわかりやすかったです!
企業様から聞かれたら答えられるように頑張ります。

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