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2015年08月25日

20~30代に増加中!「子宮頸がん」を知ろう|働くナースが知るべき病気【5】

婦人科医の清水なほみが、看護師のみなさんに知っておいてほしい病気についてお知らせします。

 

働くナースが知るべき病気【5】

20~30代に増加中!「子宮頸がん」を知ろう

 

「子宮がん」は、発生する場所によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分けられています。ただできる場所が違うだけでなく、それぞれ発症しやすい年齢や原因や予防法が大きく異なるので、別々の病気として考える必要があります。
今回は「子宮頸がん」についてお伝えします。

 

 
【目次】
20~30代に増加中。性交渉の早期化が要因
「遊んでる」から罹るわけじゃない!症状と予防法
子宮頸がんの進行ステージと治療法
1.高度異形成
2.上皮内がん
3.湿潤がん
年に1回の子宮がん検診を!

 

20~30代に増加中。性交渉の早期化が要因

子宮頸がんは、子宮の出口側にできるがんです。
若い人に増えてきているのが特徴で、好発年齢、つまりかかりやすい年齢が20~30代と、子宮体がんよりやや低くなっています。20~30代といえば、看護師さんも働きざかり。仕事のうえでもまだ体の無理がきく年代ですが、油断はできません。

 

最大の原因は、HPV(ヒューマンパピローマウイルス)というウイルスの感染です。HPVは性交渉によってうつるウイルスなので、早い時期から性交渉を経験するようになったことで、若い人でも子宮頸がんになるリスクがあがってきているわけです。

 

「遊んでる」から罹るわけじゃない!症状と予防法

初期にはほとんど症状がないので、早期発見をするためには毎年きちんと検診を受けるしかありません。進行すれば、月経以外の時期に出血したり性交渉のあとに出血したり、おりものがふえたりといった症状が出ることがあります。

 

予防する方法は、HPVの感染を防ぐことですから、「性交渉の開始時期をできるだけ遅くすること」「性交開始前にワクチンを接種すること」が大事です。
実はHPVは、性交経験がある女性なら一生のうちに7~8割の人が1度は感染することがあるといわれているほどメジャーなウイルス。ですので、いわゆる「遊んでいる人」が感染するというわけではありません。むしろ、性交渉をしていれば誰もがかかりうるウイルスです。

 

子宮頸がんの進行ステージと治療法

細胞診で子宮頸がんの疑いがある場合、組織診でがんかどうかの確定診断を行います。
子宮頸がんは子宮頸部に「異形成(異常な細胞がある状態)」ができ、それが時間をかけてがん化する病気です。異形成は軽度~中度~高度と進行し、高度であるほど将来がんになる可能性は高くなり、がん化した場合は上皮内がん、湿潤がんと進行していきます。


異形成が必ずしもがんになるとは限らず、自然治癒することもありますが、診断された場合には定期的な経過観察もしくは治療が必要です。治療は病変の進行具合によって異なります。

 

高度異形成

組織診で「高度異形成」と診断された場合は、その先さらに進んでいく可能性が高いので、通常は経過観察ではなく治療を行います。まだ若くてできるだけ妊娠に悪影響を及ぼす治療を避けたい場合は、子宮の出口をレーザーで焼く「レーザー蒸散」を行うことがあります。逆にしっかり治療をしておきたい場合は、子宮の出口を一部切り取る「円錐切除」という手術を行います。

 

上皮内がん

「上皮内がん」は非常に初期のがんです。しかし、組織診断の結果が上皮内がんだった場合も、病気の広がり具合を確認するために「円錐切除」をします。上皮には血管やリンパ管がなく、他の臓器などへの転移の可能性はありませんので、円錐切除によって「上皮内がん」までであると診断されたら、一応切除したことで完治が期待できます。追加の治療は行わず、定期的に細胞診を繰り返して経過を観察していきます。

 

湿潤がん

上皮内がんと診断され、円錐切除の結果が「浸潤がん」であった場合は、子宮や卵巣やリンパ節を全て切り取る本格的ながんの手術が必要です。がんの広がり具合によっては、術後に放射線治療や抗がん剤による治療を追加することもあります。術前検査の段階で子宮の外にまで広がっていそうな進行がんだと分かった場合は、すぐに手術は行わず放射線治療と抗がん剤による治療を組み合わせて行います。

 

年に1回の子宮がん検診を!

湿潤がんのレベルになると、いったん治療が終わっても再発リスクが高くなり、治療もかなり大掛かりになってしまいます。
しかし、早期発見さえできればわずかな治療で完治が期待できます。何も症状がなくても、1年に1回の子宮がん検診は必ず受けてくださいね。


【清水なほみ】

日本産婦人科学会専門医で、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。産婦人科・女性医療統合医療を専門に、患者に最適な医療を提供。クリニックのほかに、NPO法人やAll aboutガイドなどでも情報提供や啓発活動を行っている。

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コメント一覧(4)

4匿名2015年09月08日 08時50分

ワクチン打っておきたいけど副作用こわい

3匿名2015年08月26日 12時38分

生理が来ないからな

2匿名ちゃん2015年08月26日 08時50分

ガン検診は大切だと思うけど、ワクチン接種した若い人が副作用で苦しんでいるのも現実。
本当に安全なのか、再度、ちゃんと日本での治験や臨床試験したほうがいいと思うのは私だけでしょうか?

1匿名2015年08月25日 10時03分

ワクチンって、性交渉開始前じゃないと効果はゼロなのかなあ

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  • 3.挿管チューブは、パイロットバルーン内をカフ圧系で35cmH2Oに調整した。
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