看護師のメンタル不調―リスクを下げる3つのポイント|働くナースが知るべき病気【14】

婦人科医の清水なほみが、看護師の皆さんに知っておいてほしい病気についてお知らせします。

 

 

働くナースが知るべき病気【14】

看護師のメンタル不調―リスクを下げる3つのポイント

うつ病患者は全国に100万人以上おり、そのおよそ7割が女性です。

 

女性は、月経周期や妊娠・出産、閉経(更年期)などでホルモンバランスが急激に変化するため、心身にストレスを与えるのが原因と考えられています。

 

では、女性の多い看護師という職業はうつ病になりやすいのでしょうか。

 

 

 

 

 

看護師の3分の1が抱えるメンタルの不調

実は、長期病気休暇を取得している看護師の3分の1が、メンタルヘルスの不調によるものだそうです。

 

メンタルの不調はうつ病とイコールではありませんが、近年はうつ病患者が急速に増加しています。

 

うつ病の直接的な原因は解明されていないものの、発症には精神的なストレスやショック、不規則な生活などが関係しているといわれています。

 

看護師は夜勤や当直があり、不規則な生活になりがちです。それに加え、人の生死に関わるという精神的な負担も甚大なため、うつ病にかかるリスクは高いでしょう。

 

また、人間関係も大きく影響します。特に春は、異動や入職などで「人」の入れ替わりが激しく、ストレスを感じやすくなるため注意が必要です。

 

 

 

2週間以上続いたらうつを疑え

うつ病は、強いうつ状態が長期間続き、日常生活に支障をきたす病気です。

 

うつ状態というのは、物事に対する関心や取り組む意欲が失せるなど、一日中無気力の状態が2週間以上続く状態を指します。「眠れない」「食べられない」など、さまざまなつらい症状が伴うため、普段の生活が難しくなります。

 

風邪や過労と見過ごす人は少なくありませんが、症状が2週間以上続く場合はうつ病を疑いましょう。

 

なんらかの出来事がきっかけで、気分が落ち込んだり悲しい気持ちが続いたりしても、2週間以内に気分が回復してくる場合は「うつ病」ではなく一時的な気分の変調といえます。

 

 

 

うつ病セルフチェック

うつ病に一人で悩み、気力や根性で闘っても、かえって症状を悪化させてしまいます。うつ病だということに気付かず、症状が重症化してしまう例も少なくありません。

 

ここ2週間の状態を振り返って、当てはまるものにチェックを付けてみましょう。

 

□ ほとんど毎日、1日中気分が落ち込んでいた

□ ほとんどのことに興味が持てなくなったり、楽しめていたことが楽しく思えなくなった

□ 食欲の低下や過食があり急激な体重の増減がみられた

□ 毎晩寝つきが悪い・途中で目が覚めるなど睡眠障害があった

□ 普段に比べて話し方や動作が鈍くなったり、イライラして落ち着きがなくなったりした

□ 疲れやすくてやる気が出なくなった

□ 自分は価値がない人間だと感じたり、迷惑をかけて申し訳ないという気持ちになったりした

□ 集中して何かを行ったり考えをまとめるのが難しかった

□ 自分を傷つけたり死にたいと思うことがあった

 

いかがでしたか? 4項目以上、もしくは最初の2項目に当てはまる場合は「うつ病」ないし予備軍の可能性が高いです。

 

しかし、どんな病気も早期に発見できれば完治、もしくは症状を抑えることができます。

 

うつ病の治療は、投薬やカウンセリングが中心になりますが、休養で治るのか、薬が必要なのかは専門家による判断が必要です。

 

たとえば、師長や先輩看護師、患者さんから文句を言われても皆さんは耐えるでしょう。多くのうつ病は、そのような立場上逆らうことができない相手への怒りをため込むことによって出現します。

 

怒りをため込んでいないか、言いたいことを抑えていないかなど、カウンセリングによって明らかにしていくことで症状の改善が期待できます。

 

 

 

うつ病リスクを下げる3つのポイント

なりたくて、うつ病になる人はいないと思います。では、どうすればうつ病を予防できるのでしょうか?

 

リスクを下げる3つのポイントを紹介します。

 

(1)完璧を求めて頑張り過ぎない

完璧に仕事をこなそうとすると、どうしても「無理」が生まれます。「看護師は完璧じゃないといけない」などの思い込みはよくありません。肩の力を抜くのも大切です。

 

(2)疲れを解消して気分転換をする

精神的な疲労だけではなく、肉体的な疲労もうつ病の原因になることがあります。体調が悪ければ気分も沈みやすくなります。

 

十分な休養と気分転換を心がけ、怒りや悲しみなどの感情をため込まないようにしましょう。

 

(3)バランスの良い食事を心がける

糖質を取りすぎると、「ノルアドレナリン」が分泌されます。ノルアドレナリンは、ストレスに対してどう対応するか判断するホルモンです。

 

分泌されると、ストレス状態にないのに焦燥感が出たり、軽いパニックに陥ったりすることがあります。

 

それに加え、ストレスを感じたときに、本来出るべきノルアドレナリンが供給不足となり、うつ病の症状が出てしまいます。

 

ビタミンとミネラルが不足している場合にも出やすいといわれているため、食事はバランスよく取るようにしましょう。

 

 

 

うつ病は、誠実でまじめな人や責任感の強い人、完璧主義の人がかかりやすい傾向があります。

 

医療の現場では失敗が許されないのは事実ですが、頑張り過ぎないように注意してください。

 

日頃の自分の努力を信じ、必要以上にミスを恐れるのはやめましょう。

 

また、普段から今何に対して怒っているのか、悲しんでいるのかというように自身を見つめ分析することも大切です。

 

 

(参考)「2011年病院看護実態調査」結果速報日本看護協会
 

 


【清水なほみ】

日本産婦人科学会専門医で、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。産婦人科・女性医療統合医療を専門に、患者に最適な医療を提供。クリニックのほかに、NPO法人やAll aboutガイドなどでも情報提供や啓発活動を行っている。

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