小児の胃洗浄

『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。

今回は小児の洗浄について解説します。

 

 

佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師

小沼貴子
練馬光が丘病院/小児救急看護認定看護師

 

 

胃洗浄

薬剤や洗剤などを誤飲した場合は、胃洗浄を実施する。

胃洗浄は口鼻腔から、できるだけ太いチューブを挿入し、一刻も早く行う必要がある。
ただし、酸やアルカリ性の物質(灯油など)を誤飲した場合は、胃洗浄は禁忌となるので注意する。

 

「誤飲」とは、誤って異物を飲み込み、それが食道や胃、消化管に入ること。
誤嚥」とは、異物が誤って気管・肺に入ることである。

 

ピーナッツなどの気道異物は、喘鳴・呼吸困難・窒息状態に陥るため、緊急処置が必要である。

 

胃洗浄の手順

❶何を誤飲したかを確認!

POINT

アセスメント

■誤飲した薬物・化学物質の名前、製造者名、火気厳禁などの注意書きを確認→容器を持参してもらう。
■誤飲時間を確認。
■どのような症状が出現したか?
■家庭でどのような処置をしたか?

 ⇓
4時間以内
 ⇓

❷胃洗浄を実施!

POINT

4時間以内に胃洗浄をする(図1

■胃洗浄は誤飲後、4時間以内に行わないと効果が期待できない。
■活性炭などの解毒剤、中和剤を投与する。

 

図1 胃洗浄は4時間以内に行う

胃洗浄は4時間以内に行う

 ⇓
何回も繰り返す
 ⇓

❸胃洗浄後は下剤を投与

POINT

下剤で腸内からも排出

■胃洗浄後、腸内に残った物質をできるだけ早く体外に排出する。

 

胃洗浄の方法

胃チューブに注入器をつなぎ、洗浄液の注入と吸引・排出を行う(図2)。
吸引される洗浄液がきれいになるまで、注入と排出を繰り返す。

 

図2 注入と排出を繰り返す

注入と排出を繰り返す

 

禁忌!

酸やアルカリ性の物質(灯油など)を誤飲した場合は、胃洗浄は行わない。
タバコの毒性は水溶性であるため、乾燥タバコを少量誤食した場合、胃洗浄は第一選択ではない。

 

 

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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ

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