採血の手順と注意点

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は採血の手順に関して解説します。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

〈目次〉

採血の手順

  1. 医師からの指示項目と、対象者の疾病・病態から採血目的をアセスメントします。
  2. 対象者の名前、指示項目と採取する採血管を照合します。その際、血糖値ホルモン値の検査など、採血のタイミングに注意を要する項目がないかを確認します。※採血管のキャップの色で、何を調べるかを見分けることができます。
  3. 採血に必要な物品をもち、患者のもとへ行き誤認確認のためフルネームで名乗ってもらい、検体の名前ラベルと照合しましょう。
  4. 患者の理解度に合わせて、採血方法を説明し、協力してほしい事項を伝えます。
  5. 採血に適した血管を選択し、駆血帯を巻いて血管を怒張させアルコール綿で消毒します(図1)。
  6. アルコール綿の消毒が乾いたら、穿刺します。穿刺後は声がけをし恐怖心への配慮をします。穿刺時に神経症状や疼痛を訴えたときは、速やかに抜針します。また、気分不快や顔面蒼白など、迷走神経反射にも注意しましょう。
  7. 採取する検体の順番に注意しつつ、規定量の採取をします。
  8. 駆血帯を外し、穿刺部にアルコール綿を軽くあて抜針します。
  9. 針刺し事故を起こさないよう、抜針した針は専用の廃棄容器に破棄します(図2)。
  10. 5分間ほど圧迫止血し、止血確認後は絆創膏を貼ります。
  11. 終了時にはねぎらいの言葉をかけましょう。
  12. 採取した検体は速やかに検査科など所定の場所へ提出します。

 

図1真空採血管による採血

真空採血管による採血

 

図2廃棄容器

廃棄容器

 

真空採血管の採取の注意点

真空採血管の採取の場合、採血の順番によって検査値に影響が出てしまう場合があります。

 

凝固系を最初に採取すると、クエン酸が混入されているため真空圧が低くなり規定量がとれません。そのため、クエン酸の影響を受けない生化学系の検体を最初に採取し、凝固系は2番目にとるようにします(図3)。

 

図3採血管の色別分類

採血管の色別分類

 

また、凝固系の検体は採取後速やかに検査科に提出することも忘れてはなりません。適切に保存しないと、血液中の成分が変化してしまい、正しい検査値が得られなくなります。

 

血管が細い場合

ほとんどの採血場面では真空管採血の方法がとられていますが、血管が細く採取が困難な場合は、使い捨てシリンジと注射針を使用します。

 

その場合、注射器から採血管に血液を移す(分注)必要があります。採血量は採血管の本数から、必要量を判断し過不足のないよういにします。

 

また分注の際には専用ホルダーを使用し、針刺し事故を防止します。

 

針刺し事故時の対応

もし、針刺し事故を起こしてしまったら、ただちに次のことを行います。

 

  1. 血液を絞り出し、大量の水で洗い流します。
  2. 所属部署の管理者や医療安全の管理者へ報告します。
  3. 状況により、予防薬投与が必要となることがあるため、医師の診察を受けます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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