NPPVのアラームと対処方法は?

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。

 

今回は「NPPVのアラームと対処方法」に関するQ&Aです。

 

濱本実也
公立陶生病院集中治療室師長

 

NPPVのアラームと対処方法は?

 

アラームは「Lo Alarm」と「Hi Alarm」に大別されます。Lo(Low)はリーク、Hi(High)は閉塞を疑い、対処します。

 

〈目次〉

 

NPPVのアラームの設定

NPPVは完全閉鎖の回路ではないため、厳密なアラーム設定が難しい。

 

ある程度のリークがあるのは正常であり、それを見こした設定となる。

 

患者の状態に応じた適切なアラーム設定が必要であり、「呼吸回数が多い」「リークが多い」など、アラームが頻繁に鳴るからといって、アラーム設定をむやみに変更してはいけない。

 

NPPVのアラームへの対応

図1NPPVのアラーム対応の手順

NPPVのアラーム対応手順

 

1NPPVのアラームの種類と原因

アラームが鳴った際は、アラームの種類を確認したうえで消音して対処する。

 

  • Lo Alarm(ローアラーム):主としてリークを疑う。
  • Hi Alarm(ハイアラーム):主として閉塞を疑う。

なお、アラームをいったん消音した後は、一定時間アラームが鳴らないため、原因を除去したら必ずリセットする。

 

2NPPVのアラーム対応時の注意点

同じアラームが続かないことを確認するまでは、患者のそばを離れてはいけない。同じアラームが持続する場合は、原因に適切に対処できていないと判断し、医師へ報告する。

 

アラームに対応する際には、患者の状態(症状)を常に確認する。異常(意識レベル低下、ショック所見など)が見られたら、すぐに医師に報告する。

 

アラームは患者の不安を増強するため、対処する際は十分に説明を行う。

 

Columnショックって?

ショックは、臓器や組織への血流・酸素供給が不足し、需要と供給のバランスが崩れた状態である。ショックは、以下の4つに分類される。

 

  1.  心原性ショック:心ポンプ機能の急激な低下
  2.  循環血液量減少性ショック:体液、血液の喪失による血管内容量の絶対的減少
  3.  閉塞性ショック:心臓以外の原因による心臓ポンプ機能や血流の阻害
  4.  血液分布異常性ショック:末梢血管抵抗の低下による血管内容量の絶対的または相対的な不足

 

原因により異なるが、ショックの死亡率は20~50%と高く、長期化すればさらに高まる。

 

通常、ショックの際は、蒼白・虚脱・冷汗・脈拍触知不能・呼吸不全などといった「ショックの5P」と呼ばれる症状を呈する。しかし、血液分布異常性ショックでは、冷汗や蒼白を伴わないことがある(末梢血管が拡張する、あるいは副交感神経系が優位となることによる)ため、注意が必要である。

 

なお、ショックでは、ショック状態の持続により呼吸不全に移行することが多い。しかし、アナフィラキシーショック(血液 分布異常性ショックに含まれる)では、気道狭窄により急激な呼吸不全に移行することを知っておくとよい。

 

[Profile]
道又元裕
杏林大学医学部付属病院看護部長

 

 


[文献]

  • (1)日本呼吸器学会NPPVガイドライン作成委員会 編:NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン.南江堂,東京,2006.
  • (2)Chevrolet JC, Jolliet P. Workload of Non-Invasive Ventilation in Acute Respiratory Failure. In:Vincent JL ed. Year book of intensive and emergency medicine 1997. Berlin: Springer-Verlag; 1997: 505-513.
  • (3)濱本実也:NPPVと看護.人工呼吸2009;26:44-47.
  • (4)Esteban A, Frutos-Vivar F, Ferguson ND, et al. Noninvasive positive-pressure ventilation for respiratory failure after extubation. N Eng J Med 2004; 350: 2452-2460.

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社

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