脾臓|からだずかん【38】

『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』(KADOKAWA)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は3章『消化器系』より、「脾臓」について解説します。

 

著:角野ふち
 

脾臓<Spleen>

脾臓(ひぞう)は、左上腹部の背中側よりにある臓器です。重さは120gほど。

 

腹大動脈(ふくだいどうみゃく)から枝分かれした腹腔動脈(ふくくうどうみゃく)が脾動脈(ひどうみゃく)へと分かれて脾門(ひもん)から入ります。

 

主に血液系に属する臓器ですが、消化器系とご近所のためここでまとめておきます。

 

脾臓の形態と位置を示した解剖図です。外側の肋骨面と内側の臓器面が描かれ、臓器面にある血管の出入り口「脾門」を通る脾動脈・脾静脈の様子が示されています。また、脾臓が左上腹部(第9〜11肋骨の下)に位置することが全身図で補足されています。

 

脾臓のはたらき

主に老化した赤血球を破壊します。

 

赤血球の寿命と脾臓による破壊の仕組みを解説した図解です。赤血球の寿命は約120日であること、若い赤血球は「変形能」により細い血管を通り抜けますが、老化した赤血球は変形能が低下するため、脾臓でトラップされ破壊される様子が描かれています。

 

深堀り:脾臓をもっと知る

脾臓は、赤脾髄(せきひずい)と白脾髄(はくひずい)という 2 つの組織で構成されています。

 

脾臓の内部組織である「赤脾髄」と「白脾髄」の役割をまとめたイラストです。血液の濾過・処理を行う赤脾髄と、リンパ組織として免疫応答を担う白脾髄の機能的違いが示されており、断面図とともにそれぞれの組織が血管周囲に配置されている様子が分かります。

 

赤脾髄は、血液でいっぱいに満たされています。

 

血液が脾臓内の細い動脈を通りぬけるときに、古い赤血球(せっけっきゅう)や硬くなった赤血球が引っかかり処理されます。

 

また、肝臓(かんぞう)と共に血液成分を貯蔵するはたらきをもっています。

 

白脾髄には、リンパ球の組織があり、このリンパ球の抗体づくりを促しています。

 

脾臓によって赤血球が破壊されると(=溶血(ようけつ)という状態)、その残骸はマクロファージという白血球(はっけっきゅう)の 1種に飲み込まれます。

 

このはたらきを貪食(どんしょく)といいます。

貪食後は、鉄と間接ビリルビンとなり各器官へおくられほとんどは再利用されます。

 

脾臓や肝臓のマクロファージによるヘモグロビンの代謝プロセスを示したフローチャートです。破壊された赤血球からヘモグロビンが取り出され、鉄は再利用のために骨髄へ、ヘムは間接ビリルビンから肝臓を経て直接ビリルビンとなり、最終的に尿(ウロビリゲン)や便(ステルコビリン)として排出される流れが描かれています。

 

 

[出典] 『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』 (著者)角野ふち (監修)嵯峨 堅、能間 国光/2024年5月刊行/株式会社KADOKAWA

 

著者プロフィール
角野ふちプロフィール

角野ふちXInstagram

看護師、保健師、イラストレーター。

 

人のからだをかわいくポップなイラストで解説するコンテンツ『からだずかん』を、SNSやWebサイトで発信。

イラストを手がけた書籍に『薬メモ!』(大田和季著・じほう)、『みんなの救命救急科』(三谷雄己著・中外医学社)など。

日本メディカルイラストレーション学会会員。

 

webサイト: からだずかん
ショップ: ぞーきーず

 

 

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