2018/06/24 のクイズ
- 1. COPDの薬物療法は、気管支拡張薬である抗コリン薬と、β 2刺激薬の吸入が汎用される。
- 2. 長時間作用性抗コリン薬は、既往歴にかかわわらず、COPD患者さんであれば使用できる。
- 3. 短時間作用性気管支拡張薬は、安定期の治療に用いられる。
- 4. COPD患者さんの呼吸困難の改善に、吸入ステロイドが用いられる。
挑戦者4312人 正解率39%
- 1. COPDの薬物療法は、気管支拡張薬である抗コリン薬と、β 2刺激薬の吸入が汎用される。
-
正解
気管支拡張薬には抗コリン薬、β 2刺激薬、メチルキサンチンの3系統があり、COPDの薬物療法には、抗コリン薬とβ 2刺激薬の吸入が汎用されています。抗コリン薬は気管支平滑筋のM3受容体に拮抗することにより、迷走神経由来のアセリルコリンによる気管支平滑筋の収縮を抑制し、β 2刺激薬は、気管支平滑筋のβ 2刺激薬を刺激し、気管支平滑筋を弛緩させます。
- 2. 長時間作用性抗コリン薬は、既往歴にかかわわらず、COPD患者さんであれば使用できる。
-
不正解
長時間作用性抗コリン薬(long-acting muscarinic antagonist;LAMA)は、未治療の閉塞性隅角緑内障患者さんへの使用は禁忌です。閉塞性隅角緑内障では、隅角の閉塞により、眼内からの房水の流出が滞り、眼圧が上昇します。この状態で抗コリン作用のある薬剤を使用すると、散瞳により隅角がさらに狭くなり、眼圧上昇が亢進する危険性があります。また、前立腺肥大症の患者さんでは、まれに排尿困難症状が悪化することがあり、注意が必要です。
- 3. 短時間作用性気管支拡張薬は、安定期の治療に用いられる。
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不正解
短時間作用性気管支拡張薬(short-acting muscarinic antagonist;SAMA、short-acting β 2-agonist;SABA)は、主に、(1)COPDの増悪期、(2)COPD患者の労作時呼吸困難、(3)アシストユース(運動など呼吸困難を生じる可能性がある動作をする前に使用し、呼吸困難を予防すること)に用いられます。
- 4. COPD患者さんの呼吸困難の改善に、吸入ステロイドが用いられる。
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不正解
吸入ステロイド(inhaled corticosteroid;ICS)は、呼吸困難の改善よりも、COPDの増悪予防やCOPDに合併した喘息治療に対して効果が高いです。ICS単剤ではCOPDへの適応がないため、ICS/LABA(β 2刺激薬)配合薬が用いられます。
引用参考文献など
1) 土橋邦生監.COPD(慢性閉塞性肺疾患).医療情報科学研究所編.薬がみえるvol3.メディックメディア,2016,127-132.
2) 3学会合同呼吸療法認定士認定委員会.3学会合同呼吸療法認定士「認定更新のための講習会」テキスト.2016,85-92.
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