2017/05/18 のクイズ

輸液ポンプの取り扱い、および管理方法で誤っているのはどれでしょう？

1. 輸液ポンプを使った輸液投与は、輸液ポンプ専用ルートを使用する。
2. 輸液ラインのクレンメは、輸液ポンプの上流にセットする。
3. 輸液ポンプから輸液セットを外す時には、輸液ポンプのドアを開ける前にクレンメを閉じる。
4. バッテリーは充分に充電しておく。

挑戦者4712人　正解率85%

1.　輸液ポンプを使った輸液投与は、輸液ポンプ専用ルートを使用する。: 不正解
輸液セットには、輸液ポンプ専用ルート以外に自然滴下専用ルートや輸血専用ルートなどの種類があります。見た目では分かりにくいですが、輸液ポンプ専用ルートと自然滴下専用ルートでは、輸液ポンプ専用ルートのほうが弾力性に優れ、内外径の寸法精度が高いので、より精密な薬剤投与が行えます。また輸液ポンプ専用ルートや自然滴下専用ルートには1mLあたり20滴のものと60滴のものがあります。自分の施設の輸液セットを熟知しておきましょう。
2.　輸液ラインのクレンメは、輸液ポンプの上流にセットする。: 正解
クレンメをポンプより上流にセットすると、気泡アラームが鳴った場合に、回路を輸液ポンプから外さないと気泡を除去できません。輸液ポンプのドアを開けて、ポンプのチューブガイドから輸液セットを外すと、輸液が流れて気泡が患者側に流れてしまいます。
クレンメをポンプより下流にセットすると、クレンメを閉じてからドアを開けて回路を外すことができるので、輸液は流れず、気泡も上部のチェンバーに流れます。
3.　輸液ポンプから輸液セットを外す時には、輸液ポンプのドアを開ける前にクレンメを閉じる。: 不正解
輸液ポンプを使用しているときは、チューブガイドに輸液ラインをセットした後、クレンメは開けた状態で作動させます。そのため、患者の移動などで輸液ポンプから輸液セットを外す時には、必ずクレンメを閉じてからドアを開けなければいけません。
輸液セットを外す時に、クレンメが開いていたために、輸液を過剰投与する事例が起こっています。手順を遵守し、ドアを解放する前に必ずクレンメを閉じ、その後、手動で点滴の流量をクレンメで調整することを習慣付けましょう。
4.　バッテリーは充分に充電しておく。: 不正解
輸液ポンプはバッテリーが内蔵されているため、移動時の使用が可能です。バッテリー機能を使用する場合には、輸液ポンプのバッテリー作動時間を確認しておきましょう。
使用前は、必ず充電を行い、使用する際には、停電などに備え、可能な限り非常用電源・無停電電源を使用します。