健康支援&社会保障のココだけ!まとめ画像集|第115回看護師国家試験・直前対策

健康支援と社会保障

 

直前の勉強でも点数アップにつながりやすい「健康支援と社会保障制度」
さくっと学べる「まとめ画像」にしてみました!

 

編集 看護roo!国試対策プロジェクト

 

1.人口の動向のココだけ!1)

【人口の動向のココだけ!(総務省統計局「令和6年人口推計」)】年少人口(15歳未満)11.2%で減少傾向、生産年齢人口(15~64歳)59.6%で減少傾向、老年人口(65歳以上)29.3%で増加傾向/令和6年(2024年)の日本の総人口は約1億2400万人

総務省統計局「令和6年人口推計

 

ある特定の時点における「人口」や「年齢別人口」といった人口構造を調べる調査を「人口静態統計」といいます。

 

5年に1度行われる「国勢調査」はその主要な統計で、国勢調査が行われない年には「人口推計」によって推計値が算出されます。

 

平成23年(2011年)以降、総人口は減少傾向が続いており、男女比は男性95:女性100で、男性の方が少なくなっています。

 

また、人口ピラミッドは年少人口が少ないつぼ型です。「老年人口」が増加傾向にある一方で、「年少人口」と「生産年齢人口」は減少傾向にあることを覚えておきましょう。

 

 

2.出生の動向のココだけ!23)

【出生の動向のココだけ!(厚生労働省「令和5年人口動態統計」)】出生数は約73万人、出生率は人口千人対6.0、合計特殊出生率は1.20、母の年齢階級別出生率が最も高いのは30~34歳、第1子出生の母の平均年齢は31.0歳

厚生労働省「令和5年人口動態統計

 

出生届や死産届などを基に、年間どれだけ人口が変動したかを把握するのが「人口動態統計」です。

 

日本の「出生数」は現在も減少傾向が続いています。令和4年の約77万人から約4万人減少し、令和5年は約73万人になりました。

 

また、人口千人当たりの出生数を示す「出生率」は、令和4年の6.3から低下し、令和5年は6.0でした。

 

一方、15〜49歳の女性の年齢別出生率を合計した「合計特殊出生率」は、女性が一生で子供を産む平均的な数を表します。こちらも年々、低下しています。 令和4年の1.26より低下し、令和5年は過去最低の1.20となりました。

 

「出生数」「出生率」「合計特殊出生率」は社会状況を反映して変化が大きいため、数字を覚えておきましょう。

 

 

3.死亡の動向のココだけ!4)

【死亡の動向のココだけ!(厚生労働省「令和5年人口動態統計」)】死亡数:約157万人、粗死亡率:人口千人対13.0、総数における死因の第1位:悪性新生物(24.3%)/男性の死因の順位:1位は悪性新生物、2位は心疾患、3位は老衰、女性の死因の順位:1位は悪性新生物、2位は老衰、3位は心疾患

厚生労働省「令和5年人口動態統計

 

死亡届などを基にした「人口動態統計」によると、日本の「死亡数」は、高齢化を背景に増加傾向が続いています。

 

これに伴い「粗死亡率(死亡率ともいう)」も上昇傾向にあります。粗死亡率とは「人口千人当たりの死亡数」を示すもので、昭和58年(1983年)ごろから特に顕著な上昇がみられます。

 

一方、「年齢調整死亡率」は基準人口を用いて年齢構成の偏りを補正して計算した死亡率です。こちらは生活環境や医療の進歩などにより、年々低下傾向にあります。

 

男女合わせた総数の死因順位は、悪性新生物、心疾患、老衰の順で、男性だけの順位も同じです。女性は2位と3位が逆で、老衰が2位、心疾患が3位となる点が特徴です。

 

 

4.世帯構造のココだけ!5)

【世帯構造のココだけ!(厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」)】総世帯数は約5445万世帯、平均世帯人員は2.23人、最も多い世帯構造は単独世帯(34.0%)、総世帯に占める65歳以上の者のいる世帯数の割合は49.5%、65歳以上の者のいる世帯で最も多い世帯構造は夫婦のみの世帯(32.0%)

厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査

 

「国民生活基礎調査」によると、日本の「総世帯数」は現在も増加傾向にありますが、世帯当たりの「平均世帯人員」は減少傾向が続いています。

 

ここで注意しておきたい大きな変化は、最も多い世帯構造が令和に入り「単独世帯」になったことです。それ以前、平成までは「夫婦と未婚の子のみの世帯」が最多でした。

 

また、家族世帯(夫婦のみの世帯、夫婦と未婚の子のみの世帯、ひとり親と未婚の子のみの世帯の合計)」の割合は、総数の56.3%と依然として高い水準にあります。しかし、その内訳は大きく変化しており、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が減少し、代わりに「夫婦のみの世帯」が増加しています。

 

 

5.公的医療保険制度と国民医療費のココだけ!67)

【公的医療保険制度と国民医療費のココだけ!(厚生労働省「令和4年度国民医療費」)】被用者保険には、健康保険、船員保険、各種共済組合がある/国民健康保険の保険者は市町村と都道府県と国民健康保険組合/後期高齢者医療保険制度の対象は75歳以上の高齢者など/令和3年度の国民医療費の総額や約46兆6967億円(一人当たりは37万3700円)

厚生労働省「令和4年度国民医療費

 

「公的医療保険制度」には、次の大きく3つのタイプがあります。

 

  • 被用者保険と言われる「健康保険」「船員保険」「各種共済組合」
  • 地域保険と言われる「国民健康保険」
  • 75歳以上の全ての人などを対象にする「後期高齢者医療制度」

 

「一人当たりの国民医療費」は年齢によって大きな差があります。65歳未満では20万9500円65歳以上は77万5900円と、4倍近い開きがあるのもポイントです。

 

 

6.介護保険法のココだけ!8)

【介護保険法】第1号被保険者は65歳以上、第2被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者/保険者は市町村と特別区/申請は市町村、要介護認定は市町村(介護認定審査会)/要支援1~2は予防給付、要介護1~5は介護給付/地域包括支援センターは介護保険法に基づき設置

厚生労働省「介護保険制度の概要

 

40歳以上65歳未満で介護保険を利用できる第2号被保険者の16の特定疾病を確認しておきましょう。

 

第2号被保険者の16の特定疾病とは 閉じる
第2号被保険者の16の特定疾病とは9)

1)がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)

2)関節リウマチ

3)筋萎縮性側索硬化症

4)後縦靱帯骨化症

5)骨折を伴う骨粗鬆症

6)初老期における認知症

7)進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病

8)脊髄小脳変性症

9)脊柱管狭窄症

10)早老症

11)多系統萎縮症

12)糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

13)脳血管疾患

14)閉塞性動脈硬化症

15)慢性閉塞性肺疾患

16)両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

介護保険の「保険者」は「市町村」および「特別区(東京23区)」で、保険料は市町村や特別区ごとに異なります。

 

また、介護認定に対する不服申し立ては、都道府県に設置する「介護保険審査会」に行うことになっています

 

介護保険サービスには次のようなものがあります。要支援・要介護では受けられるサービス内容が異なります。

 

  • 居宅サービス:要支援では介護予防サービス
  • 施設サービス:要支援には給付なし
  • 地域密着型サービス:要支援では地域密着型介護予防サービス

 

どんなサービスがあるか、具体的な内容を参考書などで確認しておきましょう。

 

ココも要チェック!

 

地域包括支援センターに関する問題もよく出るので、覚えておきましょう。

 ●設置主体:市町村または市町村から委託を受けた法人
 ●所属する保健師(地域ケアの経験のある看護師)の役割:介護予防ケアマネジメント、総合支援相談業務、高齢者に対する医療的なアドバイス

 

 

7.医療法のココだけ!1011)

【医療法】病院は20床以上のベッド数/診療所は無床または19床以下のベッド数/助産所は9床以下のベッド数/一般病床・感染症病床では患者3人に1人の看護師・准看護師を配置(医療法施行規則)/医療法はインフォームド・コンセントを規定

e-GOV「医療法」「医療法施行規則

 

病院には、次のようなものもあります。それぞれの病院がどんな役割か確認しておきましょう。

 

  • 地域医療支援病院:地域医療の確保を図る病院
  • 特定機能病院:高度医療の提供や研修の実施、医療技術の開発や評価を行う病院
  • 臨床研究中核病院:質の高い臨床研究や治験を推進する病院

 

また、医療法には「医療安全に関する事項」の規定があることもよく出題されるので、覚えておきましょう。


医療安全に関する指針や委員会の設置(いずれも「医療法施行規則」)、医療事故調査・支援センター、医療安全支援センターの設置などが規定されています。

 

ココも要チェック!

 

医療法の第1条4項の2で、インフォームド・コンセントについて下記のように規定されています。「同意を得る」という表現ではないこと努力義務であることを確認しておきましょう。

 

「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」

 

 

8.保健師助産師看護師法のココだけ!12)

【保健師助産師看護師法】保健師は名称独占職、助産師・看護師・准看護師は名称独占職・業務独占職/保助看法で業務上の秘密を守る義務が規定されているのは、保健師・看護師・准看護師(助産師は刑法での規定)/業務従事者届は、2年ごと、就業する都道府県知事に届け出る/特定行為は38行為。特定行為研修を受けることで実施可能

e-GOV「保健師助産師看護師法

 

「名称独占」とは、その免許を持つ者だけがその名称を用いることができることを言います。

 

また、「業務独占」とは、免許を受けた者でなければ、その業務を行うことはできないことを言います。

 

保健師の「保健指導」は保健師の名称を用いなければ、医師・歯科医師・養護教諭、助産師・看護師も行うことができるので、覚えておきましょう。


そのほか、「欠格事由」についても何度も出題されているので、内容を確認しておきましょう。

 

「絶対的欠格事由」とは、該当すると絶対に免許を取得できない原因や理由のことで、保健師助産師看護師法(保助看法)で以前は定められていましたが、現在は削除されています

 

一方、「相対的欠格事由」は、程度によっては免許を取得できない場合がある原因や理由のことで、現在も保助看法に規定があります

 

相対的欠格事由 閉じる
相対的欠格事由12)

一 罰金以上の刑に処せられた者(罰金以上の刑とは、罰金・禁錮・懲役・死刑)
二 保健師、助産師、看護師または准看護師の業務に関し、犯罪または不正の行為があった者
三 心身の障害により保健師、助産師、看護師または准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、大麻またはあへんの中毒者

 

 

9.受療率&有訴者率のココだけ! 1314)

【受療率&有訴者率(厚生労働省「令和5年患者調査」「令和4年国民生活基礎調査」)】外来受療率は人口10万人対5850、最も高い疾患は消化器系の疾患/入院受療率は人口10万人対945、最も高い疾患は精神及び行動の障害/有訴者率(自覚症状のある者の割合)は人口千人対276.5、高い症状は腰痛・肩こり/通院者率は人口千人対417.3、高い疾患は高血圧症

厚生労働省「令和5年患者調査」「令和4年国民生活基礎調査

 

「受療率」は3年に1度実施される「患者調査」の結果を用いて算出されます。

 

「有訴者率」や「通院者率」を調査するのは「国民生活基礎調査」です。大規模調査は3年に1度、大規模調査がない年は簡易調査を実施しています。

 

 

10.国民健康・栄養調査のココだけ!15)

【国民健康・栄養調査のココだけ!(厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」】肥満者(BMI 25以上)の割合は、男性31.5%、女性21.1%/肥満者が最も多い年代は、男性が60代(35.0%)、女性は60代(25.0%)/習慣的に喫煙をしている者の割合は、男性約25.6%、女性6.9%/運動習慣のある者の割合は、男性36.2%、女性が28.6%。男女ともに最も割合が多いのは70歳以上

厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査

 

「国民健康・栄養調査」は健康増進法に基づく調査で、毎年実施されています。

 

令和5年の調査では、肥満が最も多い世代(男女ともに60代)や、女性の運動習慣のある者の割合(28.6%)など、変化しているため、要チェックです。

 

また、に挙げた項目以外にも、下記のような項目がよく出題されます。参考書などでチェックしておきましょう。

 

  • 平均睡眠時間
  • 1日の身体活動量(歩数)
  • 糖尿病・血圧・血中コレステロールに関する状況

 

ココも要チェック!

 

「塩分」に関する数字も押さえておきたいところです。

 ●成人の一日の塩分摂取量の平均値:10.1g
 ●健康日本21<第三次>」の目標値16):1日7g未満
 ●日本人食事摂取基準(2025年版)の1日の食塩目標量17):男性(15歳以上)が7.5g未満、女性(12歳以上)が6.5g未満

 

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文献

 

※編集部注※

当記事は、2022年12月12日に公開した『健康支援&社会保障のココだけ!まとめ画像集|第112回看護師国家試験・直前対策』という記事を、2025年11月26日に、第115回看護師国家試験等の概要に合わせて、修正・加筆したものです。

 

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