看護師のための「はじめての妊娠・出産」Q&A|プレママナースが知っておきたい6つのこと

看護師のための「はじめての妊娠・出産」Q&A|プレママナースが知っておきたい6つのこと

新しい生命を授かった喜びの一方で、看護師の仕事をしながらの妊娠・出産に不安を感じる人も多いかもしれません。

 

「妊娠の報告はいつ・どうやってすればいいの?」

「夜勤はみんないつまでやっているのかな…」

「産休・育休はどう決めたら?」

 

……など、プレママナースが抱きやすいギモン&不安について、Q&A形式で紹介します!

 

監修:久保健一(湘南藤沢徳洲会病院 手術室看護師長)

執筆・編集:小園知恵(看護roo!編集部 看護師)

 

 

看護師の妊娠・出産「こんなとき、どうする?」

プレママナースが抱きやすい「6つのギモン」を、一緒に見ていきましょう。

 

ナースのマタニティライフはどう進んでいくの?

 

妊娠初期・中期・後期それぞれの注意点をチェックしておきましょう。

 

ナースのマタニティライフは、妊娠の経過に合わせて気をつけたいポイントがあります。妊娠初期・中期・後期の身体の変化と一緒に、仕事での注意点もチェックしておきましょう。

<妊娠初期> ~13週  つわりや体調の変化を強く感じる【注意点】 ・体調の変化から注意力が低下しがち  【手続き】 ・上司への妊娠報告 <妊娠中期> 14~27週  身体的な変化によるマイナートラブルが増えてくる 【注意点】 ・めまいなどが起きるため、こまめな休憩を  【手続き】 ・産休、育休の相談&申請 ・係、委員会活動の引き継ぎ準備 ・マタニティ用白衣の申請 <妊娠後期> 28週~  お腹が張る頻度が増える 【注意点】 ・足元が見づらいため、段差や水場などは注意  【手続き】 ・34週~産休へ ・係、委員会活動の引き継ぎ確認 ・育休取得の場合は、職場手続きの確認

 

妊娠初期(~13週)は、ホルモンの影響で身体にさまざまな変化が起こります。特に6週以降は、つわり・倦怠感・情緒の乱れなど、体調の変化を強く感じる頃

腹圧のかかる動作や疲れから、お腹の張り・下腹部痛が起きることもあります。職場に報告・相談し、なるべく無理をしないように気をつけましょう。

 

妊娠中期(14~27週)は、つわりも落ち着き、いわゆる“安定期”へ。お腹が大きくなることにより、動きにくさを感じ始めるかもしれません。

また、むくみ・腰痛・めまい…といったマイナートラブルも増えてきます。座ってできる仕事を増やしてもらうなど、業務内容の調整が必要なことも。

 

妊娠後期(28週~)は、いよいよ出産が近づいてきて、お腹がせり出すほど大きくなってきます。足元が見づらくよろけやすいため、段差のある場所や水場などは注意しましょう。

「あと少しで産休だから…」と頑張りすぎてしまうと、負担がかかり切迫早産につながるリスクも。周囲に頼りながら業務ができると良いですね。

 

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職場への妊娠報告はいつすればいい?

 

妊娠がわかったタイミングで、早めに上司に報告しておくのが安心です。

 

妊娠初期は体調が変動しやすいことに加えて、ナースの仕事は1日中立ちっぱなし・動きっぱなしなので、妊娠中の身体にも赤ちゃんにも、どうしても負担がかかりやすい環境

 

周囲のスタッフに助けてもらったり、急なお休みのために、職場全体の調整が必要になったりすることもあるため、いわゆる“安定期”と言われる妊娠5カ月ごろまで待たなくても、妊娠がわかったタイミングで師長など直属の上司に報告しておけると安心です。

 

「安定期までは、周囲に公にしてほしくないな…」という気持ちがある場合は、上司に報告するときに、他のスタッフに伝える時期も相談してみましょう。

 

報告するときは、例のように3つのポイントをおさえて伝えられると◎です。

妊娠報告するときの3つのポイントと伝え方 ① 現在の妊娠週数 ② 出産予定日 ③ 不安に感じていること・サポートしてほしいこと  「先日受診をして、妊娠がわかりました。出産は◯月◯日の予定で、現在妊娠▲週です。最近つわりが強く体調が安定しなくなってきて、業務について調整のご相談をしたいのですが、よろしいでしょうか?」

先輩ママナースの声

私は妊娠5週頃に妊娠報告をしました! 早めに報告したことで、つわりのピークに周りが積極的にサポートしてくれて、とても助かりました。
メンバーからも、「妊娠していることがわかっていれば適切にサポートできるから、早く教えてくれてよかった」と言ってもらえました。

 

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つわり・お腹の張り…体調が悪いときは、どうしたらいいの?

 

「 患者さん&母子の安全を守れない」と思ったら、周囲のスタッフにサポートをお願いしてみましょう。

 

プレママナースは、シフト制で忙しい仕事柄、職場に迷惑をかけたくない気持ちもあり、体調不良を我慢しがちです。

 

体調が悪いけど、どうしたら…と迷うときは、「患者さんの安全」「自分と赤ちゃんの安全」の2つを守れるかという視点で考えてみましょう。自信がないな、不安だなと思ったら、我慢せずに周囲に伝えてみてくださいね。

例 妊娠中の休憩・お休みをしたほうが良い身体のサイン ・体調や気分が不安定だと感じる ・お腹の張りがあり、息苦しい ・つわりがあり、仕事中も吐くことがある ・めまい・頭痛で注意力が低下する ・身体に痛みがあり、介助に不安を感じる   …など

 

このとき、「つわりがひどいです」「体調が悪いです」だけを伝えてしまうと、上司も周囲のスタッフも、どうサポートしたら良いかわからず、困ってしまいます。

 

たとえば「今日はいつもより腰痛が強いので、全介助は難しいかもしれません」「頭痛やめまいがあり、患者さんの受け持ちを続けるのに不安があります」など、具体的に伝えられると、どうするのがベストなのか、一緒に考えてもらえるでしょう。

 

先輩ママナースのの声

体調不良のとき、いつ休むべきか・どう伝えたら良いかわからず我慢してしまい、気持ちもツラくなったことがありました。
「赤ちゃんのためにも、今は必要以上に無理しない。体調が戻ったら、できる範囲で頑張ればいい」と思い直して、他のスタッフにも頼れるようになりました。

 

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プレママナースが気をつけるべき「力仕事」や「動作」は?

 

強い腹圧をかける・瞬発的に動くような業務には気をつけて。
できるだけ周囲と協力できると◎。

 

オムツ交換、体位変換、移乗・移動介助など、強い腹圧を長時間かける/グッと力をこめて瞬発的に動くといった力仕事は、切迫早産につながるリスクもあり、できるだけ避けたいものです。

でも、完全にやらないのは難しい…というときもありますよね。

 

そんなときは、

 

  • 1人では行わず、2人以上で協力して作業時間を短く収める
  • 他のスタッフの「力仕事ではない業務」と交代してもらう

などのように、上司やリーダーと相談し、対応できると良いでしょう。

 

サポートを依頼するときは、その業務を不安に思っている理由を伝えたり、交代してもらった分、できる範囲で他の業務を担当すると提案したりできると、お互いに気持ちよく仕事をすることができますよ。

例 業務のサポートを依頼するときの伝え方 「〇〇の介助、1人で実施するとお腹に力が入りすぎてしまって少し心配なので、サポートをお願いしてもいいですか?」  「〇〇の業務をするのが難しいので、▲▲さんに対応してもらってもいいでしょうか? 代わりに、▲▲さんの✕✕の業務は私にさせてください」   …など

 

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夜勤はいつまでやっていいの?

 

夜勤も日勤も、ツラさを感じたら、まずは上司に相談を。
体調に合わせてシフト調整をしてもらいましょう。

 

病棟で働くプレママナースには、夜勤をいつまでやるのか…という悩みはつきものです。

 

夜間は特にスタッフの人数が少ないため、もしものときに周囲にサポートを求めるのが難しいことも。「自分と赤ちゃん、患者さんの安全を守る自信がないな…」と感じるときは、上司に相談し、体調に応じたシフト調整をしてもらうと良いでしょう。

 

妊娠期の体調の変化は、十人十色。昼間はつわりがツラいけど、夜なら比較的楽に動ける人や、逆に、夜の眠気が強く日勤のみのほうが安心な人もいます。

普段通りの勤務が難しくても、マイナスに捉えすぎず、できる範囲で働けると良いですね。

 

ここでのポイントは、ツラくなるまで頑張りすぎないこと。違和感を感じた段階で早めに伝えられると、急なシフト変更などが発生せず、周囲の体制もママの体調も整えやすくなりますよ。

 

先輩ママナースのの声

先輩は夜勤を通常通りやっていたけど、私はとにかく夜勤がしんどくて…。日中は割と動いても平気だったから、思い切って「夜勤をやめたい」と上司に申告しました。
「この業務は今の私にはできないから、無理してやらない」と決めたら、気持ちも楽になったし、生活リズムが整って体調も良くなっていきました!

 

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産休・育休は、いつまでにどうやって決めればいいの?

 

体調や気持ちが落ち着いたタイミングで、家族と相談しましょう。

 

妊娠を報告したとき、上司に「育休はいつまで取る予定? 里帰り出産はするの?」と聞かれ、そこまで考えてなかった!どうやって決めようかな…早く決めないと…と悩むことも。

 

産休・育休や産後のキャリアについては、体調や気持ちが落ち着いたタイミングで、家族の意見も踏まえて考えるのがオススメ。体調の変化が大きいときは、なかなか考えがまとまりづらいため、焦らずにゆとりを持てる妊娠中期くらいで決められると良いですね。

産休・育休が取得できる期間 産休 <産前休業>  出産予定日の6週間前(多胎は14週間前)から取得可能  ※里帰り出産の場合は、32週頃~有給休暇を取り、早めにお休みに入る人も。 <産後休業>  出産の翌日から8週間は就業不可  ※希望&医師の許可によっては産後6週間で復帰可能   育休  子どもの1歳の誕生日の前日まで(延長措置あり)  ※職場によって、取得条件に違いがあるので、事前に確認を!

 

上司に聞かれたけどまだ決まっていない…というときは、「今、家族と相談しているところです」「1人目で出産や育児に不安があって、いろいろと迷っています」など、今の気持ちだけでも伝えておけると良いですね。それによって、シフト調整などの働き方や委員会・係の仕事の引き継ぎ時期をどうするかなど、一緒に考えてもらえるでしょう。

産後の働き方を考えるポイント ・育休はいつまで取る? ・自部署に戻る?他部署に異動する? ・時短勤務はする? ・夜勤はいつから入る? ・常勤・非常勤どっちで働く?  家族や職場と相談して決めよう!

先輩ママナースのの声

「育休はどのくらい取る?」「そもそも病棟で看護師を続ける?」など、産後の仕事復帰の仕方はすごく悩んで、家族や職場と相談しました。
途中で自分の気が変わったりしないか不安だったのですが、「1年間の育休を取ってから今の職場に復帰する! もし途中で気が変わったら、そのときにまた考える!」と納得して決められました。

 

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働くプレママ&ママナースが知っておきたい「妊娠・出産にまつわる制度&お金」

これから出産を控えるプレママナース&育児が始まるママナースが知っておきたい「妊娠・出産にまつわる制度&お金」をチェックしましょう。
※自治体によって内容が異なる場合があります。あらかじめ申請先で確認しましょう。

 

妊娠・出産にまつわる制度・規定

 

▼ 労働基準法における母性保護規定

 
  • 妊産婦等の危険有害業務の就業制限

事業主は、妊産婦を妊娠・出産等に有害な業務(重量物を取り扱う業務など)に就かせてはならない。

 

  • 妊婦の軽易業務転換

事業主は、妊婦が請求した場合、重量物を扱ったり、長時間の勤務・立ち仕事などを軽易な業務に転換させなければいけない。

 

  • 産前産後休業

妊婦が希望した場合、産前6週間前(多胎は14週間前)は就業させてはいけない。また、事業主の義務として、産後8週間は就業させてはいけない。
※本人の希望があり医師の許可があるときは、産後6週間で就業可能

 

  • 育児時間の請求

1歳未満の子どもを育てている場合、休憩時間のほかに、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求できる。

…など

▼ 男女雇用機会均等法による母性健康管理規定

 

  • 保健指導または健康診査を受けるための時間の確保

事業主は、妊産婦の受診の時間を確保しなければならない。※有給・無給は施設によって異なる

 

  • 妊娠中の通勤緩和

混雑時間帯を避ける時差通勤、勤務時間の短縮、交通手段・通勤経路の変更など

 

  • 妊娠中の休憩に関する措置

休憩時間延長、休憩回数増加、休憩時間帯変更など

 

  • 妊娠中または出産後の症状などに対応する措置

身体に負担の大きい作業の制限、勤務時間の短縮など

 

  • 母性健康管理指導事項連絡カード

医師などの指導内容(シフト調整、負荷の大きい仕事の緩和など)を、適切に職場に伝えるためのツール。
事業主は、カードに記載された指導内容に基づき、適切な措置を講じる。

 

※「保健指導または健康診査を受けるための時間の確保」以外は、医師などから指導を受けた場合に講じる

 

…など

 

 

妊娠・出産にまつわるお金

 

▼ 妊婦健診費の助成

妊婦健診・検診の費用の一部を、14回分以上自治体が補助する。妊娠届を役所に提出後、母子健康手帳などと一緒に受診票が配布される。
※助成内容や金額は自治体によって異なるため、確認しましょう

▼ 出産手当金

出産のために仕事を休んだ期間※1を対象に、その間に給料の支払いを受けなかった場合に、勤め先の健康保険から支給※2される。
※1 出産予定日以前42日~出産翌日以後56日目まで
※2 支給額は給料の額によって異なるため、職場に確認してみましょう

▼ 出産育児一時金

妊娠4カ月以上の子ども1人の出産につき、健康保険から42万円が支給される。
※病院によって手続き方法が異なるため、職場に確認してみましょう

▼ 育児休業給付金

育児休業を取得した場合、雇用保険から支給される。
※給付には一定の条件を満たす必要があるため、職場に確認してみましょう

 

監修

湘南藤沢徳洲会病院 手術室看護師長久保 健一(くぼ・けんいち)

救急看護認定看護師。

2008年~手術室主任、2017年~病棟師長を経験後、2020年4月より手術室看護師長。
現場を管理する立場として、働きやすい職場環境の整備、スタッフの教育・育成、安全な看護提供をするための体制構築などに携わる。認定看護管理者研修セカンドレベル修了。
NPO法人TMAT隊員としても活躍。国内外の災害支援活動に参加している。

 

 

 

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