ペンション経営ナースライフ【1】「看護婦さんが一緒だったら、旅行するのになぁ。」
現役ナースがペンション経営!?
「健康に不安がある人にも旅行を楽しんでもらいたい」そんな想いをカタチにしたナースマン・桐木智一がペンション経営ナースライフをお届けします。
皆様、はじめまして。
私は、北海道十勝清水で宿「和みの風」のオーナーをしている桐木(きりき)といいます。
外科病棟・緩和ケア病棟、そして訪問看護と、看護師として10年以上勤務しましたが、ある日突然開眼。医療の現場から全く畑違いの分野で独立開業をしたのです。宿を立ち上げるまでの色々や、お客さんのこと、そして「二足のわらじ」として現在も働いている訪問看護のことなどご紹介したいと思います。
「看護婦さんが一緒だったら、旅行するのになぁ」――これは新人の頃に患者さんから言われた言葉。
その時は何も感じませんでしたが、さまざまな病気を抱える患者さんと出会うにつれ、健康に不安がある方は旅行しにくい現実があることを知りました。
病院から訪問看護に転身したのは、健康に不安のある方の生活をもっと知りたいと思ったから。そして、分かったのが在宅では脳血管疾患などで片麻痺になった方の多くが、病院かデイサービスにしか外出していないという事実。「旅行なんてできるわけがない」と、始めからあきらめている方が本当に多いんですね。
最初は、旅行に特化した付き添い看護師の会社を作ろうと考えました。でも、会社経営者になってしまうと、健康に不安がある方との接点が少なくなるのではないかと考えたんです。
そこで、看護師である自分がペンションのオーナーになれば、喜んで下さる方も多いのではと考えました。
そうして始めた宿「和みの風」。さまざまなお客さんに来て頂き、ありがたいことに文字通り和んで頂けているようです。
東京で育ち、札幌、帯広と引越を繰り返し、今では人口1万人程度の十勝清水に住んでいます。
周りは山々と畑。人間よりも牛の数の方が多いこの土地で、病棟勤務だけでは絶対に味わえなかった生産者の想いにも触れることができました。
そんな田舎暮らしの独特なコミュニティーもご紹介できたらと思っています。
宿を始めて5年目、まだまだスタート段階ですが、珍しい経験を持つ看護師のお話におつきあい頂ければと思います。
次回は、ペンションを開業するまでの道のりについて紹介します。
名前:桐木智一(きりき ともかず)
経歴:外科病棟・緩和ケア病棟に勤務後、訪問看護に転身。さらにそののち、バリアフリーの宿「和みの風」をオープン。訪問看護の仕事でケアにも携わりつつ、宿の経営を続けている。
【ペンション経営ナースライフ|連載記事】
【1】「看護婦さんが一緒だったら、旅行するのになぁ。」
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