深刻化する産科医不足への対応策とは~日本産科婦人科学会が発表

【ナース知っ得ニュース 2015/6/24】

 

日本産科婦人科学会は6月20日、産科医不足への対応策をまとめた行動計画を公表しました。産科医は年々減少の一途をたどっており、深刻な状況にあります。目標は、都道府県と地域の中それぞれに基幹病院を設け、10人~20人の産科医を集約すること。産科医の当直などの負担を減らしつつ、出産者が24時間安心して出産できる環境づくりを目指すものです。

 

産科医、基幹病院に集約…出産24時間体制確保(YOMIURI ONLINE)

 

深刻化する産科医不足への対応策とは~日本産科婦人科学会が発表

 

 

産科は働きやすくなるか?勤務環境改善をねらった行動計画

現状の産科医減少に止めをかけるため、日本産科婦人科学会は下記のような行動計画を公表し、目標として掲げました。

 

●公表された主な行動計画

 

  • ・都道府県の中核となる「総合周産期母子医療センター」に産婦人科の常勤医を20人以上集める(リスクの高い出産や高度な新生児医療に対応)
  • ・地域の中核となる「地域周産期母子医療センター」に産婦人科の常勤医を10人以上集める(比較的高度な産科医療に対応)
  • ・主治医制を廃止して交代勤務をしやすくする
  • ・病院内に保育所を設置する

など

 

産科医が男女問わず働きやすい勤務環境を整えることで、少しでも産科医を志す若手医師を増やす試みです。

 

産科医不足の現状

産婦人科・産科医の減少傾向は著しく、2012年には10,868人と、6年前の11,264人から396人も減少しています。

新たに産科医になる数についても、2010年から4年連続で減少傾向にあり、2010年度の491人から2014年度は368人と、年々産科医の数は減っています。

 

現在のお産体制を維持するためには、新たな産科医が毎年500人程度必要といわれる中、この現状は日本産科婦人科学会が緊急提言を出すほど緊迫しています。

 

産科医不足は都道府県間の格差にも表われています。例えば、東京と沖縄は人口10万人あたり11.1人ですが、茨城では4.8人と、2倍以上の開きがあります。

日本産科婦人科学会などが行った調査でも、産科医は今後10年で都市部では増える一方で地方都市では大幅に減るなど、地域間の格差がさらに広がるとみられています。

 

産科医不足の原因と影響は「過酷な勤務環境」

産科医不足の主な原因といわれているのは、長時間の連続勤務や一人当たりの過重負担などの過酷な業務です。

24時間体制が必要な産婦人科では、当直明けの診療が当たり前となっているところがあります。

 

また、日本産婦人科医会によると、産科医のうち常勤医の4割を女性医師が占め、20~30歳代が6割を超えています。さらに、女性医師の約半数が妊娠中もしくは小学生以下の子どもを抱えており、当直免除やお産の担当から外れることも多いため、他の医師への負担を重くしている面もあります。

 

もう一つの大きな原因として「訴訟リスク」があります。特に産科医は、医師一人当たりの提訴件数の割合が多いため、それが精神的、経済的に負担となり、産科医数の減少にも大きく影響しているといわれています。

 

(参考)

平成24年(2012年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況(厚生労働省)

「わが国の産婦人科医療再建のための緊急提言」(日本産科婦人科学会)

産科医集約、地方に難題…「絶対数足りない」(ヨミドクター)

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