転職4回、また辞めたいけど辞めていいのか…｜バク先生のナースお悩み相談室【19】

（慢性期病院・6年目）

合わない職場はマジ合わない。無理なものは無理。しょうがないですよね。 でも、職場の何があなたに合わないのか、ちょっと一緒に分析してみましょう。

「合わない職場」について考えてみよう

こんにちは、合わない職場はマジで合わないという経験と苦い思い出を抱えるバクです。

いやね、合わない職場は合いませんね。

しかし、職場の何が合わないかはしっかり分析した方が長く続けられるかもしれないですし、一回考えてみませんか？

陰口や派閥があるような人間関係が合わない

これはこういう言い方したら悪いんですが、正直多くの職場で聞く話ですね……。

なんで陰口を言うのかというと、「話題がないから陰口を言う」という人が結構多いです。

私はいつも言っていますが、職場では別に話題豊富に話しながら仕事をしなくて良いんですけれども、なぜか一部（多くかも？）の人は「職場では話題を提供しなくてはならない」という謎の縛りで生きています。

でも、仕事をするときには仕事に集中してたら良いんですよ。休憩室でも他の人と話さなくてもいいんですよ。

なのに何故か「◯◯さんて結婚してるの？」とか「子どもはいるの？」とか「旦那さん何してる人なの？」とかやたら聞いてくる人がいます。そして答えたら答えたぶん、はぐらかしたらはぐらかしたぶん、陰口に変換できてしまう魔の口を持った人が職場にいることがあります。

それに他のお口も同調するような職場なら、辞めてよいと私は思います。長くいてもそこで魔の口たちの暇つぶしに使われるだけなら、いない方がマシです。

根本的に、他人の陰口しか話題がない人と付き合っていたところで、心が汚染されはすれど、癒される日など1日もないからです。

夜勤で体を壊した

これはもう向き不向きがあるので、次回は絶対夜勤がないか、少ないところにしましょう。

夜勤はできる人とできない人がいます。これは恥ずかしいとか根性が足りないとかではないんですよ。めちゃくちゃ個人差があるんで、辞めていい条件だったと思います。

向き不向きと言えば、私は外科が絶対向いてません。 いや、内科とか精神科が天職なのかと言われたらわからないんですけれども、少なくとも朝早くからカンファレンスに集まって……という大学病院時代のローテの体験しかありませんが、それでも「朝早すぎて無理」という状態でした。

逆に当直はぶっ通しで4泊とかしても大丈夫なのですが、「一回家に帰って寝て早起きする」ということがもう全然無理なんです。縫合とかは好きなんですけど、活動時間が早すぎて無理。つまり無理なものは無理ってことでいいと思いますよ。

今の職場を辞めたい理由は…

ここはちょっと詳しく見ていきたいなぁと思います。

まず看護師6年目とはいえ、今の職場での経験年数は1年目ですよね？ そこで「6年目の働き」を果たして期待されているんでしょうか。

私は医師なのでちょっとこの辺がわからないのですが、もしも内科で4～5年やって最近、精神科に転科してきたばかりの6年目の医師が、「精神科で効率よく仕事回せます！」って言ってきたら「おいおい」と思ってしまう気がします。

ここは看護師さんと医者の世界の違いかもなのですが、私が実際に勤務していた総合病院でも、他の診療科から転職・異動してきたアラサーアラフォーの看護師さんとかへの病棟の対応も似たような印象でした。

「いたたまれない気持ち」は、自分が自分に抱いているんでしょうか？ それならそう思う理由はなんなんでしょうか？

何度も転職したことへの罪悪感？

人間関係が上手くできないことへのいたたまれなさ？

でも上でも述べたように、陰口でしか他人と話を盛り上げられない人とは人間関係がうまくいく方が人としてどうなんだろうと思いますし、体を壊してでも同じところに継続して勤務を続けていても、最終的には休職を繰り返してしまい、より居心地が悪くなることだって想像できます。

今までの転職理由を洗い出してみよう

長く勤めている方が偉いというのは、正直、今の時代に必ずしもそぐわないと思います。終身雇用制度も崩壊しましたし、一般企業だって中途採用を頑張っています。

「できれば今の職場で長く続けた方がいい」と思う理由が書いてなかったので、やや的外れになるかもしれませんが、今どき1年で辞める人は結構いますし、採用側もそれなりに頑張ってくれる人材なら欲しいと思うでしょう。

最速3カ月でいきなり医局に来なくなって、そのまま退職した医者を見たことがある私からすると、相談者さんはかなり真面目に仕事に取り組んでいるからこそ、うまく回せないことを不甲斐なく思っているのかなぁと思います。

確かに次の新天地が合うか合わないかはわかりません。

ただ、今までの転職理由を一度洗い出してみて、そうならないような条件の求人をチラチラ見ながら、今の場所で仕事をされてはどうでしょうか？

今の職場に残る気ならば、一度「あの人は上手く回せているなぁ」と思っている人に相談してみるのも一つの手段ではないでしょうか。

だってまだあなたは「その病院の新人」なのですから。

執筆

バク@精神科医

ADHDをはじめとした発達障害持ちの元文系。理転した後、無事に医学部に合格。国家試験も何とかクリアしたものの、専攻した内科で適応障害になり休職し、精神科医として無事？復活。精神科でジェンダー外来を通じ自分の性自認が完全に無いことに気付く鈍感さ。そんなアセクシャルながらもご縁があって結婚できた、いろいろぼんやりしている精神科医。
雑誌連載や書籍を出したり、依頼があれば講演会をしたりしながら「生きてみるもんだなぁ」と日々感謝しながら今日も日本のどこかで働いている、はずです。

編集：烏 美紀子（看護roo!編集部）