業務も委員会も引き受けすぎてバーンアウトしそう|バク先生のナースお悩み相談室【11】

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バク@精神科医

精神科専門医

 

今回のお悩み

お悩みナースのアイコンイラスト(療養病棟・5年目)

看護師5年目です。このままだとバーンアウトしないか、ちょっと心配です

 

普段の病棟業務はゆったりなのですが、年次が上がって委員会、研究会、研修などが多くなり、休日もつぶれがちです。何もしないのも物足りない気がして、また褒められるのも嬉しくて、いろいろ引き受けすぎてしまいました。

 

仲の良い同期や先輩は退職していなくなり、気軽に本音を話せる人もいなくてつらいです。

 

最近は夜勤もしんどくなってきて、夜勤中にネガティブになり、涙が出そうになることもあります。将来を考えて不安になったりもしています。 このままの生き方で大丈夫でしょうか。やっていけるでしょうか。

バク先生アイコンイラスト

もしかすると、相談者さんはすでにバーンアウトに片足を突っ込んでいるのかも…

 

まずは、しっかり休める本当の休日を死守です! その上で業務の取捨選択を考えてみましょう。

 

休日は死守するべき絶対防衛ライン!

こんにちは!まだお若い5年目の看護師さんからのご相談を拝見して、こう思いました。

 

「いっぺん業務の断捨離や!!!」

 

まず、どんな年次にも言いたいのですが、休日は死守すべき絶対防衛ラインです。

かくいう私も先日Xで「眠れねえ!」と言うておりましたが、完全に時間外労働が原因です。ずっと頭の片隅に仕事がよぎり続けるんですよね、休日にも仕事をすると。結果、精神科医なのに夢でずっと外来をしてます。

 

そこで先日、休日対応を完全に辞めてみました。外来で仕事する夢は減りました! でも昨日の夢は「周りの薬局が閉まってる!と患者さんたちが怒って閉院後のクリニックのドアをガチャガチャやってるのを必死に止めながら謝罪する夢」でした。

 

これが長いこと休日をつぶしてきた代償です……! 今から業務の取捨選択をしましょう!

休日を確保して業務を取捨選択する看護師のイラスト

 

このままだと身動き取れなくなっちゃうかも…?

そもそもご自身でも「褒められるのが嬉しくて、いろいろ引き受けすぎてしまいました」と気付いておられるご様子。このままその大量の委員会や研究会、研修を抱えていたら、身動きが取れなくなってしまいます

 

それに実は、相談文にメチャクチャ気になるワードがあるんです。

 

「仲の良い同期や先輩は退職していなくなり……」。何でいなくなったんですかね……?普段の病棟業務はゆったりなのになぜ……?

 

まぁ、たまたま結婚した相手が転勤になったので付いていったとか、偶然、産休育休が続いてそのままご退職されたとか……事情はいろいろ、人それぞれなのでしょう。

 

ですが、頼れる先輩も気安い同期も、気軽に本音を話せる人が一切いなくなっている職場(しかも委員会や研究会、研修に熱心な職場)でいろいろ抱えて…という情報だけ見ると、そりゃ夜勤中に涙も出ちゃうし、将来を考えて不安にもなって当然なのではないでしょうか

 

あなたの休日を取り戻そう

でも、もしかしたら相談者さんが休みなく、いろいろなことにきりきり舞いになってしまい、周囲の人が話しかけにくいオーラを放っているのかもしれません

 

人は余裕やゆとりがないと、心がクサクサしてしまいます。忙しいとは心が亡くなると書く、まさに字の如し。

 

このままだと確実にバーンアウトします。というか、既に夜勤がしんどい時点で片足は突っ込んでしまっているのではないでしょうか。このままの生き方だと本当に休職になってしまうかもしれません。

 

なので、まずは病棟業務以外のいろいろを少しずつ引き継ぎしましょう。一気に全部とは言いません。少しずつで良いので、あなたの休日を取り戻してください

 

たぶんこれを読まれている読者の方にも似たような状態になっている人はいるんじゃないでしょうか。そして「いや、気軽に引き継げって言うけど、誰もやらないし、無理だから!」と腹立たしく思われている人もいるかもしれません。

 

でも、休日返上当たり前!自己研鑽上等!!それをやらなきゃ一人前と認めません!!!というところでは長く勤務するのは厳しいです。皆がやってるから我慢しなさいと言われても、個人個人で耐えられることや負荷は異なります。

 

皆やってるから!であなたの個性を潰してはいけません。患者さんが同じことを言っていたら、看護師としてあなたはなんて言うでしょう? 「休むのも仕事のうちですよ」と言いたくなりませんか?

 

人には言えるけど自分には言えないって人は、すごくたくさんいます。だからちょっと辛いな~となったら「もしこれが親友が言ってたら? 患者さんが言ってたら? なんて声をかけるかな?」と一度立ち止まって考えてみてください。

 

私も反省してるし、改善します!

私も今これを書きながら、「開業して数年。完全オフの日をついこの間やっと取ったんかい!」と反省してます……し、改善します! だから相談者さんも読者さんもぜひ!休日を!!死守しましょう!!!

 

そうして休んでから「本当にやりたいサブの業務」と「病棟業務」のバランスを今一度考えてみてほしいなぁと思います。

 

まぁ自分の場合は経営者という立場なのである程度仕方がない……いやいや、継続した医療の提供のために休みます。(from 23時前のバククリニックより、書類の合間から愛(哀?)を込めて……)

 

執筆

バク@精神科医

ADHDをはじめとした発達障害持ちの元文系。理転した後無事に医学部に合格。国家試験も何とかクリアしたものの、専攻した内科で適応障害になり休職し、精神科医として無事?復活。精神科でジェンダー外来を通じ自分の性自認が完全に無いことに気付く鈍感さ。そんなアセクシャルながらもご縁があって結婚できた、いろいろぼんやりしている精神科医。
雑誌連載や書籍を出したり、依頼があれば講演会をしたりしながら「生きてみるもんだなぁ」と日々感謝しながら今日も日本のどこかで働いている、はずです。

 

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