最終更新日 2019/12/06

MMP-3

MMP-3とは・・・

MMP-3(まとりっくすめたろぷろてあーぜ-3、matrix metalloprotease;MMP-3)とは、軟骨のプロテオグリカンなどを分解する酵素である。

【関節リウマチとMMP-3の関係】
MMP-3は滑膜細胞や軟骨細胞より産生・分泌され、軟骨のコラーゲンやプロテオグリカンなど分解して軟骨の代謝に関連している酵素である。間接リウマチでは滑膜細胞に炎症が起きており、その炎症で増殖した滑膜細胞からMMP-3が産生されるために軟骨破壊が起きると考えられている。そのため、関節破壊や滑膜増殖を反映してMMP-3は増加して高値となるため、関節リウマチに対しての診断・治療・予後評価における有用性が示されている。
特に滑膜炎の炎症を反映するため、病勢把握の指標となりうる。MMP-3が高値の場合や上昇傾向であれば関節破壊の進行が速いことが予想される。

関節リウマチでは治療開始によりMMP-3が低下することがわかっているため、MMP-3は治療効果の判定にも用いられている。しかし、非ステロイド抗炎症剤や一部の抗リウマチ薬ではMMP-3はあまり低下しない。また、ステロイドはMMP-3を低下させず、逆に上昇させることもある。

MMP-3は関節リウマチ以外にも上昇を認めることがあり、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛症、乾癬関節炎、糸球体腎炎などでも上昇することが知られている。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長

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