最終更新日 2019/02/19

IgE

IgEとは・・・

IgE(あいじーいー)とは、免疫グロブリンの主要な5つのクラスの中の1つであり、主にマスト細胞や好塩基球の細胞表面に存在し、アレルゲンと結合することでアレルギー応答反応を引き起こす。

【IgEの働き】
IgEは、血中には通常血中には非常に少量しか存在せず、主にマスト細胞や好塩基球の細胞表面に結合している。IgEは、Fc部(定常部)を介して細胞表面にある高親和性受容体のFcεRIと結合しており、Fab部(抗体結合部)にアレルゲンが結合すると、マスト細胞の内部に細胞内シグナルが伝わる。この細胞内シグナルの伝達により、マスト細胞からヒスタミンをはじめとするケミカルメディエーターが放出され、アレルギー応答反応が引き起こされる。 
これらの反応は、Ⅰ型アレルギー(即時型過敏症)である気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、アナフィラキシーなどの原因になる。また、寄生虫に対する応答反応にも関与している。

【臨床的意義】
臨床的にはアレルギー検査として、種々のアレルゲン(ハウスダスト、食品、花粉など)に対する特異的IgE抗体の濃度が測定される。また、IgEが異常高値を示すような場合には、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息)、寄生虫感染症などを考慮する。

図1IgEの構造

IgEの構造についての説明

執筆: 松岡由典

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野

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