最終更新日 2018/06/07

多発血管炎性肉芽腫症

多発血管炎性肉芽腫症とは・・・

多発血管炎性肉芽腫症(たはつけっかんえんせいにくげしゅしょう)とは、全身の中・小血管に炎症を起こすANCA関連血管炎の1つである。GPA(granulomatosis with polyangitis)という呼び方もある。元々はウェゲナー肉芽腫症(Wegener’s granulomatosis)と呼ばれていたが、2012年より国際的に呼び方が変更された。30~50歳の中高年に好発年齢がある。

【症状】
上気道、肺、に壊死性肉芽腫を形成し、腎臓に巣状分節性壊死または半月体形成性糸球体腎炎を認める。鼻で特徴的なのは鞍鼻である。これは鼻背が局所的に低くなった状態で、GPAや再発性多発軟骨炎などの膠原病に併発することが知られている。

【検査・診断】
血液検査では、PR3-ANCA(C-ANCA)が陽性となるのが特徴的である。診断は、症状、組織病理検査、PR3-ANCA陽性の3つで判断される。

【治療】
免疫抑制剤(シクロフォスファミドなど)とステロイドプレドニゾロンなど)の併用療法を行う。効果不十分の場合には、分子標的薬(リツキシマブ)の使用も考慮する。無治療の場合には予後不良である。ほとんどの場合一年以内に死亡するといわれている。症状が落ち着いたとしても、ステロイドの減量に伴った再燃の頻度が高いため、経過観察は必要である。

SNSシェア

用語辞典トップへ