最終更新日 2018/05/31

中性脂肪

中性脂肪とは・・・

中性脂肪(ちゅうせいしぼう/TG/トリグリ)とは、脂肪酸とグリセリンのエステル化合物を指す。脂肪酸のカルボキシ基 (-COOH)がグリセリンとエステル化して、カルボン酸でなくなっているという意味で、中性という。

生体内では、大半がトリグリセリド (Triglyceride)として脂肪組織に存在する。「Tri」は3の意味で、グリセリンに脂肪酸が3つ結合している状態を指す。食物中の脂肪 (例えば肉の脂肪組織)は、胆汁の乳化作用で中性脂肪の分子にまで分解され、膵臓が十二指腸に分泌するリパーゼ (脂肪分解酵素)の働きで、ジグリセリド (Diglyceride、Diは2の意)、モノグリセリド (Monoglyceride、Monoは1の意)、グリセリン、脂肪酸にまで分解され、小腸で吸収される。脂質異常症のうち、高トリグリセリド血症をスクリーニングする際の、血清トリグリセリド濃度の基準値の上限は150mg/dLとされる。

摂食過多や運動不足などで余ったエネルギーは、トリグリセリドとして脂肪組織に蓄積される。脂肪組織は、保温や外傷などの衝撃に対するクッションの役割もあるが、過剰だと肥満を呈する。

執筆: 園 真廉

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

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