最終更新日 2018/04/18

IgA

IgAとは・・・

IgA(あいじーえー)とは免疫グロブリンの主要な5つのクラスの中の一つであり、分泌液(涙液、唾液、汁、腸液および母乳中)で最も重要な免疫グロブリンであり、粘膜面での局所免疫機構において最も重要な役割を果たしている。

【IgAの働き】
血清中では総免疫グロブリンの7-15%を占めているに過ぎないが、分泌液中では分泌型IgAとして最も多く含まれる。分泌型IgAはJ鎖というポリペプチドにより結合された2量体であり、分泌成分と呼ばれる糖蛋白と結合した上で粘膜上皮細胞から分泌される。この分泌型IgAは免疫反応を惹起したり、あるいは抗原と結合することで肺・胃腸の粘膜上皮へのウイルスの侵入を防ぐ役割を果たしている。さらに、分泌型IgAは母乳を介して新生児に移行し、新生児の消化管を細菌・ウイルスによる感染から守る働きをもつ(母子免疫)。

【臨床的意義】
IgAは免疫不全や血液腫瘍、自己免疫疾患で異常値を示す。免疫不全には、選択的IgA欠損症などが含まれる。形質細胞腫・多発性骨髄腫ではIgAが単クローン性異常高値を示すことがある。また、IgA腎症では、IgAが免疫複合体を形成しメサンギウム領域に沈着することで、慢性糸球体腎炎を発症するとされる。

執筆: 松岡由典

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野

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