最終更新日 2017/12/22

うっ血性心不全

うっ血性心不全とは・・・

うっ血性心不全(うっけつせいしんふぜん、congestive heart failure)とは心臓に異常が生じて心臓ポンプ機能が破綻し、心室内圧の上昇や主要臓器への血流不全を生じ、それに基づく症状が出現した状態である。

心不全はさまざまな疾患により誘発される病態の総称である。その中で、体液や肺への過剰な水分貯留を伴うものをうっ血性心不全と総称している。虚血性心疾患、心臓弁膜症や不整脈だけでなく、貧血など心臓を取り巻くさまざまな要因が発症にかかわっている。

【症状】
心不全の主な症状は呼吸困難または起座呼吸、下腿浮腫などに代表される肺または体循環へのうっ血症状である。
左心不全を発症すると、主に肺うっ血を来し、呼吸困難を生じる。また、右心不全の典型的な症状は下腿浮腫に代表される体うっ血である。その両方の症状を有した場合は両心不全と呼ぶこともある。

【評価】
うっ血の評価として身体所見が重要である。肺うっ血の評価として肺ラ音頻脈の有無の確認を行う。体うっ血の評価としては一般的に頸静脈怒張や下腿圧痕浮腫の有無が用いられる。

【治療】
古くから使用されているフォレスターの分類や近年日常臨床に有用とされるクリニカルシナリオ分類を用い、その分類に応じて治療方針を決定する。古典的なフォレスター分類は病態に応じて4つに区分される。酸素投与および利尿剤、血管拡張薬が治療の主たるものであるが、時には強心薬を要するほどの重症心不全も存在する。根本的治療は先に挙げた心不全発症の原因を究明し治療を行うことである。

執筆: 森山典晃

湘南鎌倉病院 循環器科

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