最終更新日 2018/05/14

蝶形紅斑

蝶形紅斑とは・・・

蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)とは、膠原病の1つである全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)の患者に特徴的にみられる顔面の皮疹のことである。
この皮疹は両側の頬部とに広がる紅斑である。ちょうど蝶が羽を広げている形に似ているので蝶形紅斑という名前になった。

【症状】
全身性エリテマトーデス患者の多くは日光過敏傾向があり、蝶形紅斑も同様に日光に当たると出現しやすいと言われている。患者の中にはディスコイド疹という円形で鱗屑(りんせつ)を伴う紅斑に進展することがあり、これは蝶形紅斑よりも炎症が強く、瘢痕が残りやすい。部位としては顔面以外に耳や頸部にも出現することが知られている。

【予防】
蝶形紅斑は予防が大切である。できるだけ日光を浴びないように注意することと日焼け止めを使用するのがよいとされている。日焼け止めはSPF(sun protection factor、エスピーエフ)55以上のものが推奨されている。また非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、抗がん剤、抗うつ薬、抗菌薬、利尿薬、降圧薬、血糖降下薬の一部は日光過敏を助長する薬剤として知られているため、使用する際には注意が必要である。

【治療】
蝶形紅斑が形成された場合には、対症療法と原疾患である全身性エリテマトーデスの治療に準じることとなる。全身性エリテマトーデスの治療はステロイド薬を用いた免疫抑制療法である。

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