最終更新日 2018/05/31

バセドウ病

バセドウ病とは・・・

バセドウ病(ばせどうびょう)は、甲状腺の腺組織が過形成を起こし、甲状腺が全体的に腫大し、その機能が亢進する疾患の一般的な表現型である。B細胞が産生する甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体が甲状腺を刺激することで生じる自己免疫性疾患である。
バセドウ病の発症が気づかれずに進行した場合、眼球突出、頻脈、甲状腺腫大を呈する。

甲状腺ホルモンは全身の代謝を高めたり、交感神経を興奮させたりするため、甲状腺機能が亢進すると、頻脈、体温の上昇、汗をかきやすくなる。その他に、イライラしやすくなる、眠りにくくなる、手の震え、息切れしやすい、排便回数の増加などの症状も出ることがある。

治療の目標は、亢進した甲状腺機能を抑制することである。薬物療法として、交感神経の興奮を抑えるβ遮断薬、甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬(例:メルカゾール、プロパジール)がある。病気の状態に応じて、これらを組み合わせて治療する。

薬物療法以外に、甲状腺組織を破壊する放射性ヨウ素を用いたアイソトープ療法や、手術で甲状腺を摘出する方法もある。アイソトープ療法や手術では、甲状腺ホルモンの分泌が低下する (甲状腺機能低下症)。これらの治療後は、その後、生涯にわたり、内服による甲状腺ホルモンの補充が必要である。

執筆: 園 真廉

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

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