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2017年09月01日

Q&Aでわかる褥瘡になりやすい患者さん

看護師さんにとって、医療事故や医療訴訟は決して他人事ではありません。
第1話と第2話では、「入院中に重度の褥瘡が発生した患者さんの事例」を元に解説してきました。
ここでは、看護師の皆さんが疑問に思うことをQ & A(Question & Answer)形式で解説します。

 

 

大磯義一郎、谷口かおり
(浜松医科大学医学部「医療法学」教室)

褥瘡はどんな人がなりやすいのですか?

寝たきりの人、意識障害や麻痺などにより自力では身体が動かせない人、また、栄養状態が悪い人、皮膚が弱い人などで、高齢者はもちろん若い人でも褥瘡になります。

 

体位変換と皮膚の観察がポイント

褥瘡は床ずれとも言われ、長時間寝たきりや意識障害の人に起こる合併症とされてきました。体の重さで、長時間皮膚の一部が圧迫されることで、細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなったり、皮膚の骨に近い部分などが、摩擦やずれで傷ついてしまったりすることで起こります。高齢者はもちろん、若い人でも、手術中、術後の自分で寝返りができない状態や、抗がん剤やステロイドの治療などで、低栄養や、貧血、免疫力が低下していると褥瘡の発症に注意する必要があります。

また、患者さんは意識があって自分で身体が動かせても、痛みがあったり、自分の楽な姿勢があったりすると、同一体位を取りがちです。看護師さんが体位変換をすることも必要ですが、自分で体を動かせる患者さんには褥瘡予防の説明をし、寝返りを促すのも必要な看護となります。

褥瘡は体位変換をしていても、患者さんの全身状態が悪いと防げないこともあります。褥瘡は重症化すると治癒が困難となりますので、定期的な皮膚の観察が必要となります。褥瘡ができやすい部位を意識して観察しましょう(図1)。褥瘡は、皮膚の発赤が目安となります。赤くなっている部分を指で3秒ほど圧迫し、指を押した時に白く変化し、離すと再び赤くなるものは褥瘡ではありませんが、押しても赤みが消えないものは初期の褥瘡と考えられます(図2)。褥瘡が悪化しないよう、マットレスの選択や、ドレッシング材の使用など、さらなる予防対策が必要です。また、褥瘡かもしれないと思ったら、医師や先輩看護師に相談しましょう。

 

図1褥瘡ができやすい部位

図2指押し法

 

memo体圧分散式マットレス

体圧分散式マットレスは、「圧力の大きさを小さく」または「圧力のかかる時間を短く」する機能を持った褥瘡予防寝具です。マットレスの使用により、体位変換間隔を2時間以上にすることも可能となります。患者さんの状態に応じて、適切なマットレスを選択しましょう。

静止型:意識がある患者さん、リハビリ等を行う患者さん

圧力ポイント切替型:意識のない患者さん、麻痺のある患者さん

 

Point!

  • 患者さんへの褥瘡予防の指導
  • 褥瘡の好発部位の定期的な皮膚の観察

[引用・参考文献]
1)一般社団法人日本褥瘡学会.在宅褥瘡予防・治療ガイドブック.第3版.照林社,2015,194.
2)一般社団法人日本褥瘡学会.http://www.jspu.org/jpn/patient/about.html (2017年7月20日閲覧)
 

 

⇒『ナース×医療訴訟』の【総目次】を見る

 


[執筆者]
大磯義一郎
浜松医科大学医学部「医療法学」教室 教授
谷口かおり
浜松医科大学医学部「医療法学」教室 研究員


Illustration:宗本真里奈


著作権について

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