1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. エコーガイド下ドレナージ術は緊急処置! 5つの手順を押さえよう|初めてのエコー(超音波)検査

2017年04月19日

エコーガイド下ドレナージ術は緊急処置! 5つの手順を押さえよう

画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。
外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。
今回は、看護師さんに知っておいて欲しい「緊急処置であるエコーガイド下ドレナージ術の5つの手順」についてのお話です。

 

加藤真吾
(横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室)

 

疾患のなかには、通常時は外科手術で対応しますが、緊急時にはエコーやX線を使って治療を行うものもあります。

エコーとX線を両方使うなんて、難しい治療という感じがします・・・
それって、どんな疾患ですか?

肝膿瘍や胆嚢炎があたります。

あ、今、私が担当している患者さんに胆嚢炎の方がいます。
どんなことを覚えておけば良いですか?

緊急時に行う処置なので、普段から治療の目的や手順だけは覚えておいてくださいね。
ここで、治療手順の必須ポイントを5つにまとめました。

 

〈目次〉

 

エコーとX線を用いるハイブリッドなエコーガイド下ドレナージチューブ挿入術

通常の検査で使用するエコー(超音波)にX線を加えた処置として、エコーガイド下ドレナージチューブ挿入術(超音波ガイド下ドレナージ術)と呼ばれるものがあります。これは、肝膿瘍や胆嚢炎に対して行われる治療法です。

肝膿瘍は一定の大きさを超えると、抗菌薬加療のみでは根治が難しくなります。そのため、ドレナージカテーテルを挿入します。また、一般的に、急性胆嚢炎の治療は外科手術が望ましいですが、発症から時間が経っている場合などでは、一時的にドレナージカテーテルを挿入して、加療することがあります。

これらの処置は、多くの場合、緊急処置として行われますので、目的や手順をしっかりと押さえておきましょう。

 

ドレナージ治療の5つの手順:肝膿瘍と胆嚢炎の治療はドレナージが中心

一般的に、感染症の患者さんには、抗菌薬で加療を行います。基本的に、抗菌薬は、血流に乗って感染部位に到達し、抗菌効果を発揮します。そのため、抗菌薬が効果を発揮するためには、感染部位に血流が保たれていることが重要となってきます。

しかし、肝膿瘍や胆嚢炎の場合、感染部位に血流が乏しいため、基本的にはドレナージによる治療が中心となります。肝膿瘍と胆嚢炎の基本的な手技は、図1の①から⑤の流れで行われます。

図1ドレナージ治療で行われる手技の5つの手順

ドレナージ治療で行われる手技の5つの手順

①→⑤の順番に手技を行います。
手順④の段階で、造影剤を使用しX線で確認します。

 

この際、手順④の穿刺を行った段階で、正しい空間に穿刺針の先端が入っているかを、造影剤を用いてX線で確認します。

また、手順⑤で用いるカテーテルは、多くの場合、ピッグテールカテーテルと呼ばれる豚の尻尾のような形をしたカテーテルを使用します(図2)。

図2ドレナージ治療で使用されるピッグテールカテーテル

ドレナージ治療で使用されるピッグテールカテーテル

先端部が豚の尻尾のように丸まっています。

 

カテーテル留置後は、細菌培養検査に出すことが多いので、滅菌スピッツを用意しておくとよいでしょう。

 

エコーガイド下ドレナージチューブ治療は緊急時の処置

エコーガイド下ドレナージカテーテルを使用する治療は、多くの場合、緊急処置として行われます。そのため、本治療の目的や、図1にある5つの手技の手順を覚えておきましょう。

 

Check Point

  • 肝膿瘍と胆嚢炎の緊急時の治療として、エコーガイド下ドレナージチューブ挿入術が行われます。
  • 治療中は、エコーで穿刺対象物を描出、血管の確認、局所麻酔、穿刺しガイドワイヤーの挿入、ドレナージカテーテルの留置の5つの手順で行われます。

 

 


[執筆者]
加藤真吾
横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室


Illustration:田中博志


著作権について

関連記事

  • 肝生検|消化器系の検査 [10/28up]

    看護師のための検査本『看護に生かす検査マニュアル』より。 今回は、肝生検について解説します。   〈目次〉 肝生検とはどんな検査か 肝生検の目的 肝生検の実際 肝生検前後の看護の手順 ・肝生... [ 記事を読む ]

  • 腹腔穿刺|消化器系の検査 [10/16up]

    看護師のための検査本『看護に生かす検査マニュアル』より。 今回は、腹腔穿刺について解説します。   〈目次〉 腹腔穿刺とはどんな検査か 腹腔穿刺の目的 腹腔穿刺の実際 ・腹腔穿刺の必要物品 ... [ 記事を読む ]

  • 主膵管拡張は膵癌を疑う異常所見 [01/11up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 今回は、「主膵管拡張は膵癌(膵がん)を疑う... [ 記事を読む ]

  • エコー検査の準備と片付け [08/17up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、ナースが目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 〈前回の内容〉 腎臓のエコー像 ... [ 記事を読む ]

いちおし記事

ナースコールが多い人の特徴

ナースコールがないのは、平穏な証拠…とは限りません。 [ 記事を読む ]

結核疑いの患者さんは「◯◯室」に入室。さて、◯◯に入るのは?

結核は、集団感染が起こりやすい疾患の一つです。集団感染を引き起こさないために、結核の疑いのある患者さんにはどのような部屋に入ってもらうでしょうか?検査法などとともに解説します。 [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

夜勤手当、いくらが妥当?

投票数:
639
実施期間:
2017年11月24日 2017年12月15日

院内勉強会…。忙しくても「出席したい」と思うテーマは?

投票数:
1417
実施期間:
2017年11月28日 2017年12月19日

摘便って得意?

投票数:
543
実施期間:
2017年12月01日 2017年12月22日

インフルエンザの症状、何がいちばんツラい?

投票数:
520
実施期間:
2017年12月05日 2017年12月26日

「これは腰にくる…」どの場面が一番ツラい?

投票数:
456
実施期間:
2017年12月08日 2017年12月29日

仕事で使うボールペン、推しメーカーある?

投票数:
387
実施期間:
2017年12月12日 2018年01月02日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者218

88歳男性の入院患者のAさん。強い便秘症状があり、自宅では毎日下剤を内服しており、入院後もその下剤を持参して服薬しています。「昨日は少量の便が出たが、下の方の腹が重苦しいし、腹が膨れてきた。張って苦しい」と訴えます。今日は硬便が少量あり、医師により指示されたグリセリン浣腸を実施しました。しかし、反応便は水様便少量と排液のみで、腹部症状の改善は見られませんでした。看護師のあなたがAさんに次に行う対応で最も適切なものはどれでしょうか?

  • 1.直腸に便がないか直腸診を試みる。
  • 2.再度グリセリン浣腸を実施する。
  • 3.グリセリン浣腸後、摘便を実施する。
  • 4.経過観察とする。
今日のクイズに挑戦!