心不全の治療

『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』より転載。
今回は心不全の治療について解説します。

中嶋ひとみ
集中ケア認定看護師
新東京病院看護部

 

〈目次〉

 

心不全治療の基本

心不全治療の基本は、
心不全自体の治療
心不全に影響のある疾患(原因疾患・併存疾患)の治療
の2本柱で行います。

 

心不全自体の治療

心不全自体の治療は、ステージごとに目標を立てて行います(図1)。

図1心不全とそのリスクと進展ステージ

心不全とそのリスクと進展ステージ

[引用]
1.厚生労働省第4回心血管疾患に係るワーキンググループ:心血管疾患の医療提供体制のイメージ.(2020.01.10アクセス)
2.日本循環器学会:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版).(2020年1月閲覧)

 

ステージA・Bは予防的治療が中心です。

多くの場合は、ステージCの状態で急性増悪と改善を繰り返し、ステージDへと進みます(図2)。

図2心不全のステージ C・Dの治療内容

心不全のステージ C・Dの治療内容

日本循環器学会:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版).(2020年1月閲覧)より転載

 

心不全に影響のある疾患の治療

心不全は疾患名ではなく、症候群です。「心不全に影響のある疾患」とは、原因疾患でもあり、心不全によって併発した併存疾患でもあります。

心不全に影響のあるおもな疾患の病態と治療法を整理しておきましょう(表1)。

表1心不全に影響のある疾患とその治療

心不全に影響のある疾患とその治療

★1 心筋梗塞(MI)
★2 心臓弁膜症
★3 高血圧
★4 利尿薬
★5 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
★6 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
★7 睡眠時無呼吸症候群(SAS)(近日公開)

 


文献

  • 1)Yancy CW, Jessup M, Bozkurt B, et al. 2013 ACCF/AHA guideline for the management of heart failure:a report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on practice guidelines. Circulation 2013;128:e240-e327.
  • 2)Ponikowski P, Voors AA, Anker SD, et al. Authors/Task Force Mem-bers. 2016 ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure:The Task Force for the diagnosis and treat-ment of acute and chronic heart failure of the European Society of Cardiology( ESC). Developed with the special contribution of the Heart Failure Association(HFA) of the ESC. Eur J Heart Fail 2016;18:891-975.
  • 3)日本循環器学会:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版).(2019.09.01アクセス)
  • 4)日本循環器学会:心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版).(2019.09.01アクセス)
  • 5)日本循環器学会:循環器疾患における末期医療に関する提言(2010年).(2019.09.01アクセス)
  • 6)2013 ACCF/AHA Guideline for the Management of Heart Failure:Executive Summary.(2019.09.01アクセス)
  • 7)加藤真帆人:心不全とはなんだろう?~慢性心不全という新しい概念とその管理~.日大医誌 2015;74(4):153-160.(2019.09.01アクセス)
  • 8)市田聡:ハート先生の心不全講座 改訂第三版.医学同人社,東京,2018.
  • 9)堀正二監修,坂田泰史編:図解 循環器用語ハンドブック 第3版.メディカルレビュー社,大阪,2015.10. 葛谷恒彦,堀正二:主な循環器疾患の診断・管理治療. 標準循環器病学 第4版,小川聡,井上博編,医学書院,東京,2007.
  • 10)葛谷恒彦,堀正二:主な循環器疾患の診断・管理治療. 標準循環器病学 第4版,小川聡,井上博編,医学書院,東京,2007.
  • 11)長谷部直幸,菊池健次郎:本態性高血圧症.小川聡,井上博編,標準循環器病学 第4版.医学書院,東京,2007:335-341.
  • 12)岡田隆夫:循環系の調節.小澤瀞司,福田康一郎監修,本間研一,大森治紀,大橋俊夫 他 編:標準生理学 第8版.医学書院,東京,2014:630-631.
  • 13)厚生労働省:第4回心血管疾患に係るワーキンググループ 資料2 心血管疾患の医療提供体制のイメージ.(2019.09.01アクセス)
  • 14)小田切菜穂子:慢性心不全患者の特徴と療養上の課題.循環器ナーシング 2014;4(10):6-15.
  • 15)宮下光令,柴信行,下川宏明:循環期看護の最前線を知る 第9回 末期心不全の緩和ケアを考える.HEART 2012;2(5):501-511.
  • 16)日本集中治療医学会看護テキスト作成ワーキンググループ編:集中治療看護師のための臨床実践テキスト 疾患・病態編.真興交易医書出版部,東京,2018.
  • 17)JSEPTIC看護部会監修,卯野木健,森安恵実編:ICUナースポケットブック 第3版.学研メディカル秀潤社,東京,2016:29.

本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社

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