輸血時の注意点|輸血の手順と注意点

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は輸血時の注意点について解説します。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

輸血時の注意点

  1. 輸血を行うことが決定したら、医師から患者や家族にその必要性、輸血の種類や方法を十分に説明を受けたかを確認します。話しを聞き、不安を取り除くようにしましょう。また、輸血の同意書を得ます。
  2. 実施前には、医師と看護師は必ず交差適合試用紙との照合を行います。その際には、互いに声を出して、血液型、患者の氏名、血液製造番号、有効期限を読み合わせます。血液型の確認は、患者の血液型記載伝票で行います。
  3. 実施時、看護師2人で患者のもとに行き、必ず声をかけ、氏名、血液型が間違いないかどうかを確認します。
  4. 輸血製剤は薬液と混注してはいけません。輸血製剤と薬液が反応し、凝固、溶血、蛋白変性を起こす可能性があります。基本的に単独ルートで投与します。どうしても同一ルートで投与しなくてはならない場合は、投与前後に生理食塩液でフラッシュします。
  5. 速度は開始5分くらいまでは1mL/分とし、副作用のないことを確認したうえで、15分後にバイタルサイン測定し、落ち着いていれば5mL/分くらにします。輸血開始から5分間は患者のそばを離れず副作用の有無を確認しましょう。実施中は30分ごとに訪室し、患者の状態を観察し、記録します。
  6. 副作用(表1)が出現した場合は、ただちに以下の対処方法をとります。
    ・開始後数分で悪寒・戦慄を伴う発熱や呼吸困難、胸内苦悶、冷汗などの症状を少しでも認めた場合は、すぐに輸血を中止し、医師に連絡をして指示を受けます。
    ・血管痛がある場合は、血管外への漏れがないことを確認し、温罨法や輸血している部位の上部を温湿布します。
    ・瘙痒感や蕁麻疹がみられた場合も、すぐに輸血を中止し、ただちに医師に報告し、指示により抗ヒスタミン薬や抗プラスミン薬を注射します。

表1輸血による主な副作用

輸血による主な副作用

 

CULUMN輸血は臓器移植の一種

輸血は臓器移植の一種であり、副作用や合併症のリスクがあること理解しましょう。

 

輸血とは、事故や手術・疾患などにより、貧血顆粒球減少、血小板減少を起こしたとき、補充・治療の目的で血液(必要な成分)を血管内に注入することです。

 

輸血をする際、ABO式およびRh式血液型、交差適合試験を行い、ABO式・Rh式血液型の一致、交差適合試験で陰性であることが必須となります。もし型の違う血液を患者に輸血してしまったり、患者に輸血した血液に対する抗体ができていたりすると副作用として、さまざまな反応を引き起こすことがあります。

 

したがって、輸血を行う場合は指示簿と患者さんの氏名の確認をはじめ、さまざまなチェックを行う必要があります。

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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