2017/07/14 のクイズ
がん終末期で入院中のAさん。痛みがあり麻薬性鎮痛薬(オピオイド)を開始しましたが、開始後2日が経過したころより急に活動が低下し、活動の気力もなくベッドで寝たきりで過ごすようになりました。また、Aさんはつじつまの合わないことを話すようになり、日時の判断がつかず、入院中であることが分からない状態となりました。さらに、昼夜を問わず傾眠状態で過ごすようになっています。Aさんは以下のどの状態にあると考えられるでしょうか?
- 1. 過活動型せん妄
- 2. 低活動型せん妄
- 3. うつ病
- 4. 認知症
挑戦者3873人 正解率95%
- 1. 過活動型せん妄
-
不正解
過活動型せん妄は興奮、幻覚、妄想、不眠などを特徴としており、今回のAさんの状態とは一致しません。
- 2. 低活動型せん妄
-
正解
無表情、無気力、傾眠などの特徴と、せん妄の症状である、急性発症(急な活動低下)、意識障害(つじつまの合わないことを話す)と合わせて、Aさんの状態は低活動型せん妄であると考えられます。
- 3. うつ病
-
不正解
せん妄とうつ病との違いを鑑別するポイントとして、見当識障害の有無があります。せん妄の患者さんの場合は、日時、場所の認識ができず、見当識障害が出現しますが、うつ病では見当識障害が見られません。Aさんの場合、「日時の判断がつかず、入院中であることが分からない」ということから、見当識障害があるため、うつ病ではありません。
- 4. 認知症
-
不正解
せん妄と認知症は出現する症状が似たものが多くあります。ただし、せん妄の場合、症状は急性に発症しますが、認知症の場合、症状はゆっくり発症します。Aさんの場合、発症は急性であるため、せん妄と鑑別されます。
引用参考文献など
1)明智龍男.日本総合病院精神医学がん対策委員会監.小川朝夫ほか編.せん妄.認知症.適応障害.うつ病.精神腫瘍学クリニカルエッセンス.創造出版,東京,2012.88-132.
2)菊池里子.岩崎紀久子ほか編.精神症状とケア.せん妄・混乱.終末期がん患者の緩和ケア第3版.日本看護協会出版会,2014,146-7.
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