2018/10/01 のクイズ

院内感染のアウトブレイク時の対応で、正しいのはどれでしょうか?
  1. 1. 同一病棟において、1例目の発見から2週間以内に、新規に同一菌種による感染症の発病症例が計3例以上特定された場合に、院内感染対策を実施する。
  2. 2. 同一医療機関内で、同一菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性パターンが類似した症例など)が計5例以上特定された場合に、院内感染対策を実施する。
  3. 3. CRE、MRSA、MDRP、VRE、多剤耐性アシネトバクター属については、保菌も含めて1例目の発見をもって、アウトブレイク時の対応に準じた厳重な感染対策を実施する。
  4. 4. 同一医療機関内で院内感染対策を実施した後、共通する薬剤耐性遺伝子を含むプラスミドを有すると考えられる細菌による感染症の発病症例が、1事例につき10名以上となった場合には、速やかに管轄保健所に報告する。

挑戦者2924人 正解率16%

院内感染のアウトブレイク(原因微生物が多剤耐性菌によるものを想定)とは、一定期間内に、同一病棟や同一医療機関といった一定の場所で発生した院内感染の集積が、通常よりも高い状態であることを指します1)。

1. 同一病棟において、1例目の発見から2週間以内に、新規に同一菌種による感染症の発病症例が計3例以上特定された場合に、院内感染対策を実施する。
不正解

院内感染対策を実施するのは、選択肢の条件下で、感染症の1例目の発見から「2週間以内」ではなく、「4週間以内」に特定された場合です。よって、この選択肢は不正解です。また、この対応は、アウトブレイクかどうかにかかわらず、各医療機関が上記の定義に沿って独自に判断し、遅滞なく必要な対応を行うことが望ましいとされています。アウトブレイク時に限った対応ではないため、その意味でも不正解です。

2. 同一医療機関内で、同一菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性パターンが類似した症例など)が計5例以上特定された場合に、院内感染対策を実施する。
不正解

院内感染対策を実施するのは、選択肢の条件下で、発症症例が「計5例以上」ではなく、「計3例以上」特定された場合です。また、この対応も解説1と同様に、アウトブレイク時に限った対応ではないため、その意味でも不正解です。

3. CRE、MRSA、MDRP、VRE、多剤耐性アシネトバクター属については、保菌も含めて1例目の発見をもって、アウトブレイク時の対応に準じた厳重な感染対策を実施する。
不正解

MRSAではなくVRSAが正解です。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性アシネトバクター属の5種類の多剤耐性菌については、保菌も含めて、1例目の発見をもってアウトブレイク時の対応に準じた厳重な感染対策を実施します。

4. 同一医療機関内で院内感染対策を実施した後、共通する薬剤耐性遺伝子を含むプラスミドを有すると考えられる細菌による感染症の発病症例が、1事例につき10名以上となった場合には、速やかに管轄保健所に報告する。
正解

この選択肢が正解です。同一医療機関内で院内感染対策を実施した後、共通する薬剤耐性遺伝子を含むプラスミドを有すると考えられる細菌による感染症の発病症例が、1事例につき10名以上となった場合、または当該院内感染事案との因果関係が否定できない死亡者が確認された場合には、速やかに管轄保健所に報告をします。プラスミドとは、染色体DNAとは別に菌体内に存在する環状DNAで、しばしば薬剤耐性遺伝子を持っており、他の菌種を含む別の細菌に取り込まれて、細菌を耐性化させることがあります。

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