2018/05/09 のクイズ
左心不全の診断で80歳代男性Aさんが入院してきました。坐位で過ごされており、酸素マスクで酸素10L/分が投与されています。聴診を行ったところ、肺野全体で副雑音(coarse crackle)が聴取できます。カルテには、胸部X線写真の項に医師により「バタフライシャドウあり。心陰影拡大」と記載がありました。以前の胸部X線写真と比較したところ、心拡大および、肺動脈の拡張があり、肺門を中心とした肺野の透過性低下(黒が白くぼける)が見られました。Aさんは、頻回に咳があり、その度に酸素マスクを外し、ティッシュに痰を喀出されていました。Aさんの状態から、Aさんの痰の性状で考えにくいものは次のうちどれでしょうか?
- 1. 黄白色の粘稠痰
- 2. サラサラした痰
- 3. ピンク色をしている痰
- 4. 細かな泡が混じっている痰
挑戦者3972人 正解率32%
左心不全が増悪すると心原性肺水腫が生じます。症状として、咳、ピンク色の泡沫上喀痰、夜間の呼吸困難出現、起坐呼吸、チアノーゼ、呼吸音では副雑音(coarse crackle)が聴取できます。胸部X線写真の所見での、バタフライシャドウ(蝶形陰影)は、肺静水圧は肺門部で高いため、肺門部を中心に水が滲み出していくため、蝶形の陰影が見られることを指します。また、心陰影の拡大も同時に見られるのが特徴です。肺門を中心とした不明瞭なぼやけた陰影やバタフライシャドウは、血管から水分が肺胞に染み出してしまっていることを示します。そのため喀痰は、肺胞に水が滲み出てくるため、サラサラしています。また、毛細血管が拡張するため、血管が損傷し出血することから、うっすらピンク色をしています。気管支内で空気と混じるため、細かな泡も混じり、泡沫状となります。なお、黄白色の粘稠痰は肺炎などの感染を疑わせる所見です。
- 1. 黄白色の粘稠痰
- 正解
- 2. サラサラした痰
- 不正解
- 3. ピンク色をしている痰
- 不正解
- 4. 細かな泡が混じっている痰
- 不正解
引用参考文献など
1)本折健編.胸部.ケアに活かす画像の知識 読める、わかる、自信がつく.学研メディカル秀潤社.2010,51-65.
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