2020/01/01 のクイズ
- 1. 脱水とならないように水分バランス管理に努める。
- 2. 呼吸困難や胸痛の出現に注意してアセスメントする。
- 3. 薬物療法として抗血小板薬の投与を考慮する。
- 4. 右下肢の腫脹による皮膚障害を考慮し、褥瘡予防のケアを実施する。
挑戦者6283人 正解率43%
- 1. 脱水とならないように水分バランス管理に努める。
-
不正解
脱水は、血栓を誘発する因子となります。経口摂取ができるならば、水分摂取を促しましょう。なお、Aさんが痛みや安静度制限のために、経口摂取が進まない状況ならば点滴を考慮することも必要になってきます。
- 2. 呼吸困難や胸痛の出現に注意してアセスメントする。
-
不正解
Aさんは深部静脈血栓症と診断されています。このような患者さんは、肺塞栓症の出現に注意する必要があります。そのため、呼吸困難や胸痛の出現に注意してアセスメントを行うようにしましょう。
- 3. 薬物療法として抗血小板薬の投与を考慮する。
-
正解
Aさんは深部静脈血栓症と診断されています。この場合、抗血小板薬ではなく、ヘパリンやワーファリンなどの抗凝固薬を使用します。よって、この選択肢は誤りです。
ワーファリンは効果発現までに数日を要するため、通常、まずは急性期には即効性のあるヘパリンが使用されます。医師指示のAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)コントロール値の調整が取れるようになれば、ワーファリンの内服を並行して開始し、医師指示の目標PT-INR(プロトロンビン時間の国際標準化比)に達した段階でヘパリンを中止にしてワーファリンのみの内服に切り替えるというステップがとられます。 - 4. 右下肢の腫脹による皮膚障害を考慮し、褥瘡予防のケアを実施する。
-
不正解
静脈血栓症によって静脈還流が阻害されると、患肢が腫脹します。また、痛みも伴い動かすことができなくなります。こういった状況は皮膚障害(褥瘡)の高リスクとなるため、患肢の除圧など、褥瘡予防のケアが必要になります。
引用参考文献など
1)江里健輔ほか編.予防法の種類と実際.疑問に答える深部静脈血栓症予防ハンドブック.医歯薬出版,2004,43-59.
2)荻原義人.ナースが防ぐ深部静脈血栓症.エキスパートナース.29(3),2013.36 -61.
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